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女性でも養鶏のプロに!夢を叶えた元チャイルド~トーゴ~
世界の各地から
(更新)
プラン・インターナショナルの基幹支援「プラン・スポンサーシップ」は、地域全体を見守る継続支援。豊かな地域を作るため、自立を目指し総合的に活動します。チャイルドとは、プランとともに活動し、地域を代表してその成果を私たちに伝えてくれる子どもたちのことです。
西アフリカにあるトーゴの中央州に暮らすアイチャさんは、元チャイルドの女性です。22歳になった今、養鶏場の経営者として自立し活躍しています。地域に根強く残る「養鶏は男性の仕事」というジェンダーに基づく固定観念をはねのけ、自らの強い意志で未来を切りひらいた彼女のストーリーをご紹介します。
元チャイルドのアイチャさん
「家事使用人」の女の子がさらされる過酷な現実
トーゴの農村に住む人々の多くは、自給自足の厳しい暮らしをしています。なかには家計を助けるため、住み込みの「家事使用人」として、首都ロメへ出稼ぎにいく女の子や若い女性たちもいます。しかし、そこで待っているのは過酷な現実です。家主のもと、劣悪な労働環境で長時間働かされ、身体的、精神的な虐待にさらされることも少なくありません。
6人きょうだいの長女として農家に生まれたアイチャさんは、チャイルドとして18歳までプラン・スポンサーシップに参加。中等教育を修了し、大学への進学を希望していました。しかし、一家に経済的余裕はなく、母親から家事使用人としてロメで働くことを求められます。「この先、家事使用人として生きていかなければならないのだろうか」。アイチャさんは将来を悲観し、暗い気持ちで日々を過ごしていました。
農村から都会へ出ることで高まるリスク
「女性にはできない」周囲の反対や固定観念に立ち向かう
しかし、そんな彼女に転機が訪れます。プランの職員から、チャイルドや元チャイルドを対象とした職業訓練コースを紹介されたのです。
説明会に参加したアイチャさんは、養鶏コースを履修することを決意。「農業や家畜の飼育は伝統的に男性の職業」と考えられているトーゴでは、女性としては珍しい選択です。しかし、その分ビジネスチャンスは大きいと考えたアイチャさんは、「必ず女性起業家として成功する」との強い意志のもと、家族の反対にもめげず研修に励みました。プランの職業訓練コースでは、ジェンダーの違いによらず本人の希望に沿った研修を受けられるよう配慮がなされています。
伝統的に男性の仕事とされてきた養鶏
コースの修了時には、職業に応じた「起業支援キット」が提供されます。アイチャさんは、養鶏場の立ち上げに必要な、ひよこ250羽、予防接種用ワクチン、給餌器、桶、手押し車、鶏小屋を建てるための建材などを受け取りました。
ジェンダーの壁を乗り越えて叶えた夢 そして未来
それから3年。養鶏場の経営を軌道に乗せたアイチャさんは、これまでの道のりを振り返り、次のように話します。「養鶏をすると決めたときから、家族や周囲による批判を受けてきましたが、勇気を持ってそれを乗り越え、今日までやってきました。プランの支えがなければ、私は家事使用人として働いていたか、すでに結婚していたでしょう。今まで以上に、プラン・スポンサーシップの重要性を実感しています」。
将来は、鶏以外の家畜も飼い、地域の人々に良質な食材を提供できるマーケットを始めたいと語るアイチャさん。オーガニック製品の販売も視野に、大きな夢を描いています。
元気いっぱいに育っている鶏たちと
女の子の力を育む プラン・スポンサーシップ
プランはアイチャさんのように、プラン・スポンサーシップを卒業したチャイルドたちに対しても、地域において職業的・社会的に自立できるよう、働きかけやサポートを行っています。
女の子や女性たちが社会生活に必要なスキルを身につけることは、将来自分自身だけでなく、家族やコミュニティを支えることにもつながります。子どもや若者たちの力を育み、自立した地域づくりをすすめるプラン・スポンサーシップ。ぜひ皆さまのご支援をよろしくお願いします。
プラン・スポンサーシップに参加するトーゴの姉妹
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