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「生理は不浄と思っていた」男の子の変化~ガーナ~
世界の各地から
(更新)
プラン・インターナショナルが活動するガーナの農村部では、生理中に学校を休む女の子の割合が95%にのぼるといわれています※。その背景には、生理を「恥ずかしいもの」「汚いもの」とみなす社会の意識や、生理用品を十分に入手できないこと、安心して生理に対処できる環境や設備がないことなどがあります。
13歳のセファスさんは、かつては生理中の女の子をからかっていた男の子のひとりでした。しかし、現在は、学校や地域で月経衛生を促進する「変化の担い手」として活躍しています。セファスさんを変えた、プランの取り組みをご紹介します。
- ※出典:Menstrual hygiene matters,House,S.,Mahon,T.,Cavill,S.(2012)
セファスさんとコミュニティ
生理中の女の子は「不浄」 根強い固定観念
セファスさんが暮らすコミュニティでは、生理中の女の子や女性は「不浄」とみなされ、料理をしたり、家族のものに触れたりすることはもちろん、同じ部屋で過ごしてはいけないという考え方が根強くあります。セファスさんも幼いころから、姉たちが生理中に受けている差別的な扱いを目の当たりにしてきました。「親からは、生理中の女の子は不潔だから近寄ってはならないと言われて育ちました。学校では、男子生徒たちは、『女の子はみな汚いもの』だと信じ、避けたり、からかったりしていました」と話します。
生理用品の入手が困難であることに加え、生理への恥ずかしさや周囲からの偏見に耐えられず、学校を休んだり、初潮をきっかけに中途退学をしたりする女の子も少なくありません。
生理を理由に中途退学する女の子も多い
「保健クラブ」で月経衛生の大切さを知る
プランは、生理を理由に教育を中断せざるを得ない女の子が多い現状を変えるために、セファスさんが通っている学校で、月経衛生を促進するプロジェクトを開始しました。その一環として設立した「保健クラブ」では、一般的な健康知識や衛生習慣を身につけるだけでなく、女の子が安心して生理に対処できるようになるにはどうしたらよいか、男女がともに学び合い、理解を深めます。さらに、学んだ知識を家庭や地域へ広める活動も行っています。
当初、男の子たちは保健クラブへの参加を嫌がっていましたが、プランの働きかけで徐々にメンバーに加わる生徒が増えていきました。セファスさんも、友人に誘われてクラブの集会に参加。それまで知らなかった生理についての知識や、女の子が生理中に安心して衛生的に過ごすことの大切さを理解するようになりました。今では、学校での生理用ナプキンの配布を手伝ったり、コミュニティで実施した、月経衛生に関する意識啓発キャンペーンのリーダーになったりと、保健クラブの主要メンバーとして活躍しています。
保健クラブの集会の様子
「保健クラブに参加し、生理に関するたくさんの迷信があることを知りました。一番の大きな成果は、家族にも学んだ知識を根気よく伝え、父の生理に対する考え方を変えられたことです。父は、生理中の姉たちと一緒に過ごしても、家族に災いが及ぶことはないと理解してくれました。今では姉たちも、生理中でも家族と同じ部屋で生活できます。地域の多くの男の子や男性が、生理は女の子や女性の生活の中で自然に起こるものであり、不潔なものと見なすべきではないという考えを受け入れてくれるように、これからも活動を続けていきます」。
月経衛生キットを受け取った女の子たち
社会の暗黙のルールを変えていくために
今も世界各地で、月経衛生に関する知識不足や、生理にまつわるタブー、衛生的な生理用品の入手制限、不十分な衛生設備などが原因で、女の子や女性の教育機会や健康、社会的地位が損なわれ続けています。その結果、何百万人もの女の子や女性が、自らの可能性を最大限に発揮できずにいます。
根強い偏見や社会規範を変えるには、女の子だけでなく、男の子や男性の理解と積極的な関わりが重要です。プランは、セファスさんのように知識を身につけて行動を起こし、地域の「変化の担い手」として活躍する男の子や男性が増えるよう、今後も働きかけていきます。
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