本文へ移動

気候変動は「環境問題」から「人権・社会正義・ジェンダー平等の問題」へ

(2026年01月07日更新)

見えなかったジェンダー格差とユース世代の声を、全国2,070人調査で初めて可視化

国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区、理事長:池上清子)は、日本の15〜39歳の若者2,070人を対象に、「気候変動×ジェンダー×ユース世代」をテーマとした全国調査を実施しました。本調査は、日本における気候変動が女の子や若い女性の教育、就職、人生設計に与える影響を可視化し、世代と性別による格差を定量データで分析した、画期的な調査となります。さらに、静岡県での防災事例など現場の実態や、専門家のコメントも取り入れ、調査を多角的に考察しました。

調査結果から、気候危機が女の子や若い女性の学び・進路・就労・ケア負担に与える影響と、一方で芽生えつつある社会参画・グリーンキャリア志向が明らかになりました。
さらに、気候変動を「環境問題」から「社会構造の持続可能性の問題」へと捉え直し、世代間公平とジェンダー平等を基盤とした取り組みの必要性が浮き彫りになっています。

調査の概要

  • 対象:全国の15〜39歳の男女2,070人
    (15〜19歳・20〜29歳・30〜39歳、男女均等割付)
  • 方法:オンライン調査(マクロミル社)
  • 時期:2025年8月

本調査のポイント

  • 気候変動を「実感」する若者は81.0%。15〜19歳女性では85.5%と最も高い
  • 災害時に「精神的に不安・ストレス」を感じた:58.6%。15〜19歳では、避難による教育中断と心理的負荷が重なる
  • 「災害時にプライバシー・安全に不安」女性47.5%(男性23.4%)、「家事・ケア負担が増えた」
    女性39.2%(男性17.8%)
  • 「政策や防災計画に若者の声が反映されていない」女性70.3%/男性66.9%。「意見を言いづらい・軽視された」と感じた女性41.5%

表 19:性別・年齢別にみた避難所等での不安および声の反映に関する認識(避難者のみ)

調査から浮かび上がる3つのメッセージ

  • 1)避難が学びと進路を直撃する――10代の6割以上が「教育に影響」
    避難経験のある15〜19歳の“教育影響率”:女性64.7%/男性61.8%
  • 2)「災害時の“プライバシー不安”は女性が2倍」
    「災害時にプライバシー・安全に不安を感じる」女性47.5%/男性23.4%
  • 3)声はあるのに、政策に届いていない
    「政策や防災計画に若者の声が反映されていない」女性70.3%/男性66.9%

女の子のリアルを可視化し、未来への希望へつなぐ調査

気候変動のジェンダー影響は、これまで主に途上国の課題として語られてきており、日本の女の子や若い女性がどのような影響を受けているのかを定量的に示したデータはほとんどありませんでした。
本調査は、全国の15〜39歳2,070人を対象とするオンライン調査により、日本における「気候変動×ジェンダー×ユース世代」の実態を初めて体系的に可視化した、前例のない取り組みです。
世代間・性別・婚姻・就労・地域差・被災経験の有無を横断的に分析することで、気候危機が「環境の問題」ではなく、私たちの生き方と社会のあり方そのものを問う課題であることを明らかにしました。
気候危機を「脅威」として恐れるだけでなく、「ケアと学びを再構築し、社会を変えるチャンス」として捉え直すことが、持続可能で包摂的な未来を切り拓く第一歩となります。

関連リンク

長島美紀(アドボカシーグループリーダー、政治学博士)のコメント

写真:長島美紀職員

気候危機は、単なる「自然現象」ではなく、教育、雇用、ケア、防災といった社会の仕組みの脆弱さを浮き彫りにする現象です。本調査を通じて、災害によって進学や通学を断念せざるを得なかった若者の声や、「もっと環境について学びたい」「地域を守る仕事がしたい」と語る女の子たちの想いが明らかになりました。それは、気候危機が新たな不平等を生む一方で、未来を変えようとする芽生えが確かに育っている証でもあります。私たちは、気候変動対策を「環境政策」にとどめず、「気候×ケア×学び」を横断する社会政策へと再構築し、若者の声を制度の中心に据える必要があります。

このレポートが、未来をともにつくる出発点となることを願っています。

※本調査に関するご取材や長島美紀職員、山形文職員、調査にご協力いただいた専門家の方々へのインタビューをご希望の場合は、広報担当までお問い合わせください。

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

このリリースに関するお問い合わせ

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
PR/コミュニケーション 葉山
TEL:080-1017-4200
E-mail:kumiko.hayama@plan-international.jp

年別

プレスの方へTOP

トップへ