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【活動報告】ウクライナ東部ドネツク州で多目的現金給付などの支援を実施しました

(2025年03月18日更新)

ウクライナにおける本格的な紛争の勃発から3年。ウクライナ国内での空爆や砲撃は今なお続いており、特に東部では政府が発令する退避勧告によって大勢の人々が住み慣れた家を追われています。

人々の暮らしを支える多目的現金給付

プラン・インターナショナルはジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受け、2024年に東部ドネツク州で住民832人へ現金給付を行いました。経済活動が制限され、失業者が増え、物価も高騰するなか、人々は医療費や公共料金、教育費を切り詰めながら暮らさざるを得ない状況です。多目的現金給付は、受給者の銀行口座に直接振り込みを行い、使途を受給者自身が自由に決められる支援方法です。

写真:クロマトロスク地区内人道支援センターでの登録の様

写真:クロマトロスク地区内人道支援センターでの登録の様

クロマトロスク地区内人道支援センターでの登録の様子

他の団体と調整し、プランは子どものいる世帯と、視覚・聴覚障害者のいる世帯を支援対象としました。住民票や出生証明書を提示して受給資格を得ます。このような対面での登録作業は2024年8月に中断しました。クロマトロスク地区への空爆が激しくなり、事務所近くのショッピングセンターも攻撃の標的となったためです。

写真:事務所からわずか数キロの建物に砲撃が

事務所からわずか数キロの建物に砲撃が

ジェンダーに基づく暴力防止のための啓発活動

写真:人道支援センターを訪れる人々にリーフレットを配布

人道支援センターを訪れる人々にリーフレットを配布

同時に、兵士が多数駐留していることや、紛争によるストレスが増加傾向にあることから、ジェンダーに基づく暴力や家庭内暴力防止のためのリーフレットを作成・配布し、啓発活動を行いました。

写真:空爆の危険のなか退去を延期して最後まで従事してくれた現地提携団体スタッフ

空爆の危険のなか退去を延期して最後まで従事してくれた現地提携団体スタッフ

リーフレットは地元の心理士の意見を取り入れてウクライナ語で制作しました。「ジェンダーに基づく暴力とはどのようなものか」という基本的な情報や、暴力の被害に遭った時に受けられる支援や、支援を提供している団体の連絡先を盛り込み、現金給付を受ける世帯やクロマトロスク地区の人道支援センターを訪れる人々に配布しました。

事業管理は完全遠隔で実施

外務省はウクライナを危険レベル4に指定し、邦人の退避を勧告するとともに渡航中止を求めているため、事業管理は日本から遠隔で行いました。毎月の定例会議をはじめ、空爆のニュースやスタッフの採用・異動、事業内容の変更などを検討する際には、ドネツク州、プラン・インターナショナル・ウクライナの事務所がある首都キーウ、提携団体の拠点があるウジュホロド、そして東京を頻繁に結び、協議しながら事業を進めました。その会議中にも、ウクライナ政府の空爆警報が鳴り、スタッフが地下シェルターに移動するために会議を中断することもありました。

写真:オンラインミーティングの様子

オンラインミーティングの様子

写真:ワークショップ

現地で行われた、経験を共有し学び合うためのワークショップ

現地の声

ビクトリアさん(ドネツク州クロマトロスク地区)

皆さん、こんにちは。今日、私の口座にお金が振り込まれました。ご支援を本当にありがとうございます。私たちはこのお金を切実に必要としていました。空爆で我が家の床は抜け、近隣の建物もみな被害を受けていたからです。このお金で床材となる合板とブルーシートを購入できました!なんと嬉しいことでしょう。素晴らしい人道的支援に感謝します。スタッフの皆さん、ご家族の皆さんが安全でいられますように。

緊急支援担当 山形職員のコメント

写真:山形職員

隣国ルーマニアへ初めて出張した2022年5月は、この人道危機が3年も続くことになるとは思っていませんでした。避難民の誰もが「数カ月後には我が家に帰れる」と信じていました。あれから3年。先が見えない状況は今も変わりません。紛争が続く東部では、今も退避勧告が出され、多くの人々が家を追われています。
今回の事業は、ドネツク州の最前線に近い地域に暮らす人々の喫緊のニーズに応えるために実施しました。対象は支援を必要とする多くの人々のうちわずか一部に過ぎませんでしたが、配布後の調査結果からは確かな成果を感じることができました。
停戦に向けての国家間の交渉に世界は注目しています。しかしその間にも支援を必要とする人々がいます。プランは地元の団体と連携しながら、今後も活動を継続していきます。

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