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アフリカの水問題が子どもたちに与える影響とは?原因と現状について

(2025年07月18日更新)

水資源が不足しているアフリカでは、生きるために必要な水を十分に確保できない人が数多くいます。水道やトイレといった設備を利用できないだけでなく、そもそも近隣に利用できる資源がなく、水へのアクセスが非常に難しい場合もあります。

「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、以下SDGs)」の目標6では、「安全な水とトイレを世界中に」が掲げられています。アフリカを含め、すべての人々が安全かつ安価に水を利用できる世界を目指すために、どんな取り組みが必要なのでしょうか。

ここでは、アフリカの水問題の原因や現状について解説します。水問題が女性や子どもたちに与える影響を理解して、いま私たちにできることを見つけてみましょう。

アフリカにおける水問題の現状

水源に恵まれ水道インフラの整備が行き届いた日本では、蛇口をひねってきれいな水を飲んだり、清潔な水洗トイレを使ったりできます。その一方で、世界には水道施設や衛生施設が整備されていない地域が少なくありません。なかでも開発途上国のアフリカでは、水資源やインフラが不足している背景から、深刻な水不足問題や衛生問題が発生しています。

写真:川辺の風景(シエラレオネ)

川辺の風景(シエラレオネ)

「第9回世界水フォーラム」において報告された、国連児童基金(UNICEF)と世界保健機関(WHO)の共同調査データによると、アフリカには安全な飲料水を得られていない人が4億1,100万いるとされています。さらには、衛生的で安全なトイレを利用できない人が7億7,900万人いて、このうち2億800万人が屋外排泄をしているのが現状です。

アフリカのなかでも、政治情勢が不安定で紛争が絶えないサヘル地域は、とりわけ水問題が深刻な状況にあります。生きるために必要な水にアクセスできず、生命の危機にさらされている人が少なくありません。

アフリカで水問題が深刻な原因

アフリカが深刻な水問題を抱えている背景として、複数の要因が挙げられます。水問題の解決策を考えるにあたり、まずはどんな原因があるかを確認してみましょう。

インフラ整備の不足

アフリカをはじめとした開発途上国では、水道インフラの構築にあたり予算や技術者の確保が難しい背景から、整備が遅延している傾向にあります。
公共水道がある場合でも、水質が低かったり、故障したまま修理できなかったりするほか、金銭的な理由で貧困層が接続できないことも珍しくありません。水道がない地域では、井戸から汲み上げた地下水や、雨水のほか、川・湖・池の水を利用するケースもあります。

写真:古井戸の水を汲む女性たち(ブルキナファソ)

古井戸の水を汲む女性たち(ブルキナファソ)

急激な人口増加と都市化

2024年に公開された「世界人口推計」の資料によると、アフリカのなかでもアンゴラ・中央アフリカ共和国・コンゴ民主共和国・ニジェール・ソマリアを含む国々や地域では、2024年から2054年にかけて人口が倍増すると予測されています。
人口増加が急激に進行するアフリカの都市部では、水需要が増加する一方で供給が不足し、すべての人が水を確保できない状況になると懸念されています。

水資源そのものの不足と気候変動

アフリカのなかには、降水量が極端に少なくなる「干ばつ」によって、水資源そのものが絶たれてしまう地域があります。干ばつは農作物の不作や森林火災などをもたらします。
それだけでなく、河川が枯渇したり、水の価格が高騰したりすれば、生きるために必要な水を得られない人がさらに増えるおそれがあるでしょう。なお、昨今の地球温暖化にともなう気候変動は、干ばつの頻度と関連性があると考えられています。

写真:干ばつにより枯れてしまった作物(ザンビア)

干ばつにより枯れてしまった作物(ザンビア)

アフリカの水問題が子どもたちに与える影響とは

アフリカの水を取りまく安全・衛生環境の問題は、現地の女性や子どもたちの人生にさまざまな影響を及ぼしています。ここでは、アフリカの人々が水問題でどのようなリスクにさらされているのかをご紹介します。

健康への深刻なリスク

アフリカでは、たとえ利用できる水源があったとしても、その水が安全であるとは限りません。泥水や、動物の糞尿が混じって汚染された水を、生活のために仕方なく使っている人もいます。このような不衛生な水には、病原菌や寄生虫が含まれている可能性があります。
不衛生な水を飲んだり手洗いに使ったりすると、コレラや赤痢などの感染症をはじめとして、命にかかわる病気を引き起こすおそれがあるでしょう。

写真:川から水を汲む女性(ガーナ)

川から水を汲む女性(ガーナ)

教育機会の喪失

アフリカでも水源やインフラがとりわけ不足している地域には、遠方の井戸・川・湖・池などまで歩いて生活に必要な水を運ぶ「水汲み」の仕事が存在します。
多くの家庭において、水汲みを担っているのは女性や子どもたちです。毎日、何時間もかかる遠い道のりを、何往復もしなければならない場合もあります。家族のために水汲みをする子どもたち、とりわけ女の子たちは、学校へ通う時間がなく、教育を受ける機会を失っています。

写真:水汲みは子どもや女性の仕事

水汲みは子どもや女性の仕事

身体的・精神的な負担と危険

重たい水を持って何時間も歩く水汲みは、女性や子どもにとって身体的な負担が大きい仕事です。そのうえ、水源までの道中にはさまざまな危険が潜んでいます。女の子や女性たちのなかには、水汲みの途中でレイプの被害にあってしまう人が少なくありません
また、自然界にいるヘビやワニなどの危険な野生動物に襲われて、命を落としてしまう人もいます。それでも、生活のために身体的・精神的にリスクの高い水汲みをせざるを得ないのが現状です。

写真:リヤカーで水タンクを運ぶ女の子(ジンバブエ)

リヤカーで水タンクを運ぶ女の子(ジンバブエ)

アフリカの水問題を解決するためにやるべきこと

アフリカの水問題を解決するために、日本で暮らしている私たちには今からどんな取り組みができるのでしょうか。ここでは、支援活動の例をご紹介します。

インフラ整備

アフリカの水問題を解決へ導くために、社会貢献活動の一環としてインフラ整備に取り組む日本企業があります。
たとえば、アフリカの過酷な環境下でも利用可能な浄水装置を開発し、現地の村落や公共施設に設置することによって、常にきれいな水を供給できる状態にする支援の事例が挙げられます。
安心して使える水にアクセスできるようになれば、女性や子どもが水汲みから解放されたり、浄水装置を活用した新たなビジネスが生まれたりと、多くのメリットが期待できるでしょう。

写真:新設されたトイレと手洗い場(ウガンダ)

新設されたトイレと手洗い場(ウガンダ)

衛生教育と啓発活動

水と健康に関する基本的な知識が十分に周知されていない地域では、人々の命を守るうえで衛生教育や啓発活動が非常に重要となります。
たとえば、「感染症を予防するための正しい手洗いの方法」「汚染された水を使うことによるリスク」「月経期間中の水や石けんを使った適切な衛生管理」などの情報を現地の人に正しく理解してもらうことが大切です。日本国内には、アフリカをはじめとした開発途上国における衛生教育・啓発活動に力を入れている支援団体もあります。

写真:適切な衛生習慣を学び合う子どもたち(マラウイ)

適切な衛生習慣を学び合う子どもたち(マラウイ)

寄付を通じた支援

企業や団体だけでなく、個人であってもアフリカの水問題のためにできることはあります。一つの方法は、世界中で活動するNPO/NGOなどの支援団体へ寄付を行うことです。
たとえば「水汲みで学校へ行けない子どもを減らしたい」「性暴力の被害にあった女の子をケアしたい」と感じたら、自分の考え方に近い支援団体を見つけてみましょう。寄付をする人が増えれば、より多くの現地の人々を支えることが可能です。

アフリカの水問題の改善のために支援を始めましょう!

私たちが日々、水道水を飲んだり、衛生的なトイレを使ったりできるのは、きれいな水にアクセスできる環境が身の回りにあるためです。
安全かつ安価に水を利用できるのは、実は世界では当たり前のことではありません。身近にある水の大切さを改めて振り返るとともに、水問題に直面している人たちのために、今からできる支援を始めてみてはいかがでしょうか。

写真:給水設備の建設を支援(トーゴ)

給水設備の建設を支援(トーゴ)

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