(2025年04月08日更新)
紛争や災害によって命や生活が脅かされている人々を支える「人道支援」。人道危機の影響下にある人々が尊厳を保ち、自立へ向かうには、私たち一人ひとりの関心と協力が欠かせません。この記事では人道支援の基本と日本の取り組み、そしてすぐに始められる具体的な支援方法を解説します。
支援には、緊急時の物資や医療だけでなく、紛争後や災害後の復興にもつながる継続性が求められています。まずは知ることから、行動につなげていきましょう。

もくじ
人道支援とは?4つの基本原則
厳しい状況に置かれた人々の命や尊厳を守るために行われるのが、人道支援です。人道支援には「人道性」「公平性」「中立性」「独立性」という、4つの基本原則が欠かせません。
人道支援とは
人道支援とは、紛争や自然災害、貧困などによって苦しむ人々の生命や生活を守るために行われる支援活動のことです。食料や医療、住居など、最低限の人権を守るために必要な支援を行うことで、人々が再び自立し、安全と尊厳を取り戻せるように手を差し伸べる役割を担います。また、こうした支援は主に政府や国際機関、NGOなどが協力して取り組まれます。
人道支援の基本4原則
人道支援活動を行う際には、主に「人道性・公平性・中立性・独立性」の4つの原則が重視されます。これらの原則を守ることで、支援活動を行う組織や団体への信頼性が高まり、さまざまな立場や状況の人々へ効果的に支援を届けることができるのです。
人道支援の基本4原則
- 1.人道性:困っている人々の命や尊厳を守るために支援する
- 2.公平性:人種・宗教・政治などに関係なく、最も助けが必要な人を優先する
- 3.中立性:どの紛争や立場にも偏らず、支援活動を行う
- 4.独立性:政府や企業の影響を受けずに、支援の目的を守る
人道支援活動の主な内容
人道支援は、紛争や災害などの緊急事態から命を救う活動だけでなく、教育やインフラ整備といった生活再建に至るまで多岐にわたります。物資の提供に加え、トラウマを抱える人々へのカウンセリングなども重要な役割を果たしています。
ここでは主にどのような活動があるのかを解説します。
緊急援助
紛争や災害などの危機が発生した直後に、人々の命を守るために迅速に行われる支援です。具体的には、食料や安全な水、医薬品、衛生用品の配布や避難所の設置など、生命や健康に直結する物資やサービスを提供します。こうした直接的な救援活動は、紛争地や被災地での混乱を最小限に抑え、人々が安心して暮らせる環境を確保するうえで欠かせないものです。

支援物資を配布(ネパール)
安全・権利、尊厳の保護
紛争や暴力、迫害、人権侵害から人々を守り、安全と権利を確保するための支援です。特に、子どもや女性など、声をあげにくい立場の人々を優先的に保護し、その安全を確保することが求められます。心理社会的支援として、カウンセリングやコミュニティサポートなどを提供し、心のケアを行うことも重要です。トラウマを抱える人々が再び自立し、生きる力を取り戻せるよう、あらゆる面からサポートが行われます。

心理社会的サポートのセッション(ヨルダン)
復興支援
緊急支援が一段落した後、紛争地や被災地での生活基盤を再建し、持続可能な発展へとつなげる支援です。長期的な視点から、教育の充実や保健医療の整備、生活環境の改善など、さまざまな分野での支援活動が展開されます。地域の人々が自らの力で再建に向かえるよう、技能訓練やコミュニティづくりなどのニーズにあわせて対応し、その土地に根ざした安定と成長を実現することが目指されます。
日本が行っている人道支援とは?
日本では、人的援助・物的援助・資金援助の3つの柱を組み合わせて国際緊急援助を行っています。
- 1.人的援助
「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」(1987年施行)に基づき、国際緊急援助隊(Japan Disaster Relief Team:JDR)を派遣します。JDRは「救助チーム」「医療チーム」「感染症対策チーム」「専門家チーム」「自衛隊部隊」などで構成され、災害救助や医療支援を担います。また、自衛隊も外務省や独立行政法人国際協力機構(JICA)と連携し、被災者の救助・治療や感染症防止に取り組みます。 - 2.物的援助
被災地や難民キャンプに、テント、浄水器、簡易寝具マットなどを提供するのが物的援助です。これらは人々の基本的生活を確保するために不可欠であり、日本政府やJICAは緊急時の要請に応じ、速やかに物資を輸送して生活環境の改善を図っています。 - 3.資金援助
被災国政府や国際機関(国連機関、赤十字など)に対して無償資金協力を行うのが資金援助で、大規模な生活再建や医療・教育・インフラ整備を可能にします。国際社会との連携を深めながら被災者の長期的復興を支えることが、日本の重要な役割です。
私たちにできる人道支援
日本国内からでも、私たちの行動が人道援助を必要としている人々の助けとなり、社会を変えるきっかけにつながる可能性があります。ここでは、私たちが取り組めることをご紹介します。
知る・学ぶ
今人道支援が必要な地域や、世界が抱える課題について正しい知識を身につけることが、最初の一歩となります。どのような背景や状況で支援が必要なのかを把握し、自分にできることを考えてみましょう。
できることの例
- 国際ニュースやドキュメンタリーを見て、世界の問題を知る
- NGOや国連機関のレポートを読むなど

関心を広める・発信する
多くの人が関心を持ち、声を上げるほど、人道支援の輪は大きくなります。周囲の人に話してみたり、SNSで発信してみたり、人道支援に触れるきっかけを提供することが、さらなる行動につながります。
できることの例
- 友人や家族との会話で人道支援の話題を取り上げる
- 募金やチャリティーイベントの情報を広めるなど

日常のなかで行動する
日常生活でも、小さな選択や行動を通じて支援に貢献できます。意識的な消費やボランティア活動、寄付などによって、支援を必要とする人々を応援していきましょう。
できることの例
- フェアトレード商品を購入する
- チャリティーイベントに参加する、信頼できる団体に寄付をするなど

プラン・インターナショナルは世界80カ国以上で活動をしている国際NGOです。緊急時に人身取引や児童婚などのジェンダーに基づく暴力や搾取の対象になりがちな女の子をはじめとする子どもたちへの支援活動を行っています。
プラン・インターナショナルとは
プラン・インターナショナルの人道支援にご協力ください
プラン・インターナショナルはこれまでにもウクライナ避難民緊急支援(2022年)、スーダン危機緊急支援(2023年)、ガザ・中東人道危機緊急支援(2023年)など、紛争や災害で命の危険にさらされた子どもたちを支援してきました。紛争や災害で社会が混乱状態に陥ると、社会的に弱い立場にある女の子や子どもたち、女性が暴力や搾取にさらされる危険が高まります。

難民キャンプ内の仮設学習スペース(チャド)
ぜひ、プラン・インターナショナルへの寄付を通じて、人道危機に直面している子どもたちをご支援ください。

【第1報】「ミャンマー地震緊急支援」へのご寄付をお願いいたします
運営団体
国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。









