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LGBTQ+の人々が直面している問題の例|課題解決に向けてやるべきこと

(2025年02月26日更新)

LGBTQ+とは、男性や女性だけではない、いろいろな性のあり方を指す言葉です。しかし、セクシュアルマイノリティの人たちは周囲からの理解を得られずに、差別や偏見に直面してしまうこともあります。
この記事では、LGBTQ+の人々が直面している問題と、その解決に向けた動きをわかりやすく紹介します。すべての人が自分らしく安心して生きられる社会を、一緒に考えていきましょう。

そもそもLGBTQ+とは?

「LGBTQ+」はもともと性的マイノリティを表す総称のひとつでしたが、近年は多様なセクシュアリティ(性のあり方)を表現する言葉として使われるようになっています。ここでいうセクシュアリティとは「性的指向(自分がどのような性の相手に惹かれるか)」や「性自認(自分の性をどのように認識しているか)」など、私たち一人ひとりの性のあり方を指します。

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L:Lesbian(レズビアン)

女性同性愛者のことです。自分の性自認が女性で、恋愛や性的に惹かれる相手も女性である人を指します。

G:Gay(ゲイ)

男性同性愛者のことです。自分の性自認が男性で、恋愛や性的に惹かれる相手も男性である人を指します。

B:Bisexual(バイセクシュアル)

両性愛者のことです。恋愛や性的に惹かれる相手として、男性にも女性にも魅力を感じる人を指します。

T:Transgender(トランスジェンダー)

生まれたときに割り当てられた性別にとらわれない性別のあり方を持つ人のことです。身体的な性とは異なる自分の性自認を持つ人や、そもそも身体的な性の枠組みに収まらない性自認を持つ人など、多様なあり方を含みます。

Q:Questioning(クエスチョニング)

自分の性のあり方がまだ分からない、あるいは決めていない人のことです。自分の性的指向や性自認について検討中である人々を指し、さらに多様な性の理解を深めようとするプロセスにあります。

+:プラス

L・G・B・T・Qにカテゴライズされない人のことです。「L・G・B・T・Q」には当てはまらない多種多様な性のあり方を表現しており、アセクシュアル(誰にも恋愛感情や性的欲求を抱かない、もしくはほとんど感じない人)、パンセクシュアル(相手の性別に関係なく、あらゆる性に惹かれる人)、Xジェンダー(男性や女性など、既存の二元的な性別に当てはまらない性自認を持つ人)などが含まれます。こうした「+」に含まれるセクシュアリティはほかにも多数存在します。

近年、LGBTQ+の認知度が高まるなかで、「SOGI(ソジ)」という言葉が注目されています。Sexual Orientation(性的指向:どんな性の人を好きになるか)とGender Identity(性自認:自分の性をどう認識しているか)を組み合わせた言葉で、すべての人が持つ性のあり方を尊重しようとする動きの象徴といわれています。この概念は、LGBTQ+の当事者だけでなく、すべての人が持っているものです。誰もがそれぞれのSOGIをもとに自分らしく生きられるよう、社会全体で理解を深めることが大切とされています。

LGBTIQ+の表記について
プラン・インターナショナルの発信では、「LGBTQ+」という表記が用いられることもありますが、文脈に応じて「LGBTIQ+」という表記も用いています。これは、性的指向、性自認、身体の多様性を含むさまざまな人々の存在が、社会のなかで不可視化されないようにするためです。「I」はインターセックスを指しますが、その呼称や受け止め方には当事者の間でも多様な意見があることを認識しており、特定の表現を当事者や関係者に強いる立場は取りません。これらの表記はいずれも唯一の正解を示すものではなく、人権が尊重される社会を目指すための考え方の一つです。

LGBTQ+の人々が直面している問題とは?

多様性が重視される社会となりつつある今も、LGBTQ+の人々は少数派であるがゆえに差別を受けがちで、人々の発言、態度や公的サービスなどの制度面でも格差が残っています。ここでは、学校や職場、行政の場面で具体的に起こりうる課題を取り上げ、背景や改善策を探っていきます。

学校でのいじめ

自分の性的指向を思春期に自覚することが多く、時に小学校高学年頃から「自分は人と違う」と感じることで差別や暴力、いじめの対象になる恐れがあります。心の性と身体の性が一致しないトランスジェンダーの苦悩は、自身の悩みを相談しづらい状況などから学校生活に支障をきたすこともあります。安心して学べる環境づくりのために、周囲の正しい理解と支援体制を整える必要があります。

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就活や昇進におけるハラスメント

LGBTQ+であることを理由に、面接中にカミングアウトした瞬間に面接を打ち切られたり、結婚要件で同性パートナーが認められなかったりする差別があります。これらは、本人の能力ではなく性的指向や性自認を基準に不利益が生じたりするもので、公正な採用や昇進を整える必要があります。
企業がハラスメント防止策や研修を導入したり、多様な人材の活躍を後押ししたりすることで、誰もが平等に評価され、働きやすい社会につながります。

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企業においてLGBTQ+に関する取り組みはどの程度行われている?

厚生労働省の企業アンケートによると、性的マイノリティに対する配慮や対応を意図した施策を実施している企業は全2220社中、10.9%でした。なかでも従業員数が1000人以上の大企業では43.1%であることがわかりました。
具体的な取り組み事例としては家族手当の同性パートナーへの適用、性的マイノリティに関する相談対応ガイドラインの策定、性的指向・性自認にかかわるハラスメントに関する社内規定の策定を行っています。

公的サービスや社会保障における格差

性別に違和感があっても、戸籍上の性別で区分され、更衣室やトイレも合わない場所を使わざるを得なかったり、同性パートナーが家族と認められず公営住宅の利用を拒否されたりするケースが出ています。さらに、戸籍を変更できないトランスジェンダーの方が医療機関で戸籍名を呼ばれるために受診を控え、健康面での不安が大きくなる事例も深刻です。
こうした結果、必要な支援やサービスを十分に受けられない状況が続き、当事者の負担が重く、公平な社会参加を阻む要因となっています。

LGBTQ+の問題解決のために進めるべき取り組み

多様な性を尊重する社会を築くためには、制度の整備と教育の双方に力を入れることが欠かせません。同性婚を認める動きや差別禁止法の検討など、法的な保障を進める一方で、学校や地域での教育を通じて多様性への理解と気遣いを育むことが重要です。
思春期の子どもたちの孤立防止には、周囲のサポート体制や教員・保護者の学び直しも必要となります。ここでは、誰もが自分らしく安心して暮らせるために必要な取り組みを解説します。

制度面の整備

世界各国では、LGBTQ+の人々の権利を保障し、差別を禁止するための法整備が進み、同性婚を認めたり、差別を禁じたりする取り組みが活発化しています。一方、日本でも、同性パートナーを家族同等に扱うパートナーシップ制度を導入する自治体が増え、さらに、性の多様性への理解を目的とするLGBT理解増進法などの成立も続いています。

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今後は、より明確な差別禁止を盛り込む法整備を求める動きもあり、多角的な制度の整備が検討されている段階です。こうした取り組みは、国や自治体の法律だけにとどまらず、会社の就業規則や学校の校則など、多様な場面での見直しや配慮を促します。
すべての人が安心して暮らせる社会を実現するためには、あらゆるレベルで改正や工夫を続け、人々の理解を深めることが不可欠なのです。

知識や理解増進のための教育

性的指向や性自認には決まった形がなく多様であることを、子どものころから伝えることは、大人になった際に多様性を尊重する姿勢を身につける上で非常に重要です。特に、思春期に自分自身のアイデンティティに葛藤を抱えるLGBTQ+の子どもたちは、心理的に孤立しやすい傾向があるため、学校現場や地域での理解やケアの体制づくりが必要となります。そのためには、子どもたちだけでなく、指導を行う教員や保護者も含めたLGBTQ+に関する教育が不可欠です。

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教員が基本的な知識や心得を持っていれば、授業や日常の指導を通じて自然に多様性への理解を深められます。こうした取り組みが普及していくことで、子どもたちの心のケアが行き届き、誰もが自分らしく安心して成長できる環境が整備されるのです。

LGBTQ+を取り巻く問題を一緒に考えていきませんか?

SDGs(持続可能な開発目標)の目標5では「ジェンダー平等を実現しよう」と掲げられています。LGBTQ+の人々が直面する問題には、差別や不平等などの課題が残っていますが、世界中で解決しようとする動きも進んでいます。誰もが安心して暮らせる社会をつくるうえで、ジェンダー平等の実現は欠かせません。

この記事を通じて、LGBTQ+を含む多様な性のあり方や、解決のための方法について理解を深めていただけたと思います。一人ひとりの正しい理解や認識がジェンダー平等や包括的な社会の実現に近づきます。

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私たちと一緒に誰もが生きやすい社会のあり方について考えませんか?

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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