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貧困の意味とは?世界の現状と影響と支援する方法

(2023年05月12日更新)

皆さんは「貧困」という言葉にどのようなイメージをもっていますか?
「貧困」のさまざまな定義や指標を知ることは、国際社会が取り組むべき貧困問題を理解し、解決策を考える足がかりとなります。「貧困」の意味をあらためて問い直し、貧困撲滅のために必要な支援とは何かを考えてみましょう。

貧困の意味

一口に貧困といっても、その程度や状態はさまざまです。以下に基本的な意味や定義をまとめました。

貧困とは

貧困とは、教育、仕事、食料、保健医療、飲料水、住居、エネルギーなど基本的な物・サービスを手に入れられない状態のことです。貧困の解釈の仕方は、組織や団体、機関、国などによっても異なります

貧困の程度や状態を示す定義の例

2つの重要な定義として、「絶対的貧困」と「相対的貧困」があります。それらの定義についてご紹介いたします。

絶対的貧困

「絶対的貧困」とは、食料や衣類など、生活において必要最低限の条件が満たされていない状態のことを指します。たとえば、「住む家がない」、「食べ物がない」、「子どもの体重が平均を下回っている」といった状態は、「絶対的貧困」にあたります。

写真:栄養状態の検査を受ける子ども(エチオピア)

栄養状態の検査を受ける子ども(エチオピア)

相対的貧困

「相対的貧困」とは、国や地域などの一定の母体において、大多数よりも貧しい状態のことをいいます。たとえば、所得を基準に考えた場合、「国民の中央値の半分に満たない所得の人は貧困に陥っている」と定義できます。

写真:厳しい暮らしを送る国内避難民の女の子(ブルキナファソ)

厳しい暮らしを送る国内避難民の女の子(ブルキナファソ)

そのほか、「一時的貧困(自然災害や季節などの外的な要因で発生する貧困)」や「慢性的貧困(構造的、もしくは長期的な貧困状態)」、「所得貧困(所得や消費に注目した貧困の概念)」など、さまざまな定義があります。

貧困を定義する要素

貧困には多様な定義や考え方があり、単純に所得の多さ、少なさによって貧困かどうかを判断することは困難です。
国連開発計画(UNDP)が2010年の人間開発報告書から導入した「多次元貧困指数(Multidimensional Poverty Index)」は、所得のほかに教育、健康、生活水準などの指標をポイント化し、貧困に陥っているかどうかを判断する仕様になっています。

<多次元貧困指数の項目一覧>

指標の分類 具体的な指標項目
教育 就学年数 就学経験年数が6年以上の世帯員がいない
子どもの就学 学校に通うべき年齢の子どもが就学していない
健康 子どもの死 調査日までの過去5年間のうちに子どもが亡くなった世帯
栄養 栄養不足の成人又は子どもがいる(15歳以上の場合、BMI<18.5を栄養不足とする。15歳未満の場合、体重<WHO基準の値(中央値-標準偏差×2)を栄養不足とする。)
生活水準 電力 電気の供給を受けていない
衛生 改善された下水整備がない、又は、改善された下水整備を他の世帯と共用している
安全な飲料水 安全な水が得られない、又は安全な水を入手するのに往復30分以上かかる
家の床が泥、砂又は糞である
炊事用燃料 糞、木材又は木炭で料理をする
資産 ラジオ、テレビ、電話、自転車、二輪車、冷蔵庫、自動車、トラックのいずれも持っていない

貧困の現状と人々の生活に及ぼす影響

さまざまな定義を踏まえて世界に目をむけると、子どもたちを取り巻く貧困の現状と深刻な影響が見えてきました。

貧困の現状

2020年のユニセフ(国連児童基金)の報告によると、極度の貧困状態(1日あたり1ドル90セント未満、貧困ライン以下)で暮らしている人は7億960万人に上り、そのうち約半数の3億5600万人を子どもが占めています※1これは、世界の6人に1人の子どもたちが、生きるだけで精一杯の極限状況にあることを意味します。

写真:グラフ

貧困が及ぼす影響

慢性的な貧困は、飢餓や栄養不良、感染症、病気などを招き、人々の心身の健康を損ねたり、ときに命を危険にさらしたりすることもあります。保護者が働けなくなると、子どもを含めた家族全員がさらなる貧困状態に陥ることはよくあります。
近年は健康被害といった直接的な影響だけではなく、教育格差や医療格差、差別など、貧困が及ぼす間接的な影響にも注目が集まっています。

世界で起こる貧困の主な要因

世界のいたるところで人々が貧困に陥っている要因を、「政治・歴史・経済」、「紛争」、「災害」の視点から見ていきましょう。

政治・歴史・経済

途上国では権力者に富が集中し、その結果、市民との格差が広がっています。植民地時代の影響や汚職、階級制度などによって格差を改善しにくいこと、経済発展の途上にあることも、貧困層の人々が貧困のサイクルから逃れられない原因です。

写真:ロヒンギャ難民キャンプ(バングラデシュ)

ロヒンギャ難民キャンプ(バングラデシュ)

紛争

世界各地で起こっている紛争により、多くの人々が住んでいた場所を離れることを余儀なくされ、難民や国内避難民となっています。生計手段を失った人々は収入が途絶え、衣食住をまかなうことも困難になります。また、紛争により荒廃した国土では、農業などの産業が立ち行かなくなります。国の経済が悪化すると、人々はさらなる貧困に陥ります

写真:破壊された学校(ウクライナ)

破壊された学校(ウクライナ)

災害

世界銀行の調査では、気候変動への対策が講じられなければ、2030年までに1億3200万人以上が極度の貧困に陥るとされています。また、社会的に脆弱な貧困者がひとたび自然災害に見舞われると、さらなる困難に直面します。

写真:サイクロンによる洪水(マラウイ)

サイクロンによる洪水(マラウイ)

貧困問題を解決するために必要なこと

貧困によってもたらされる負の連鎖を食い止めるためには、未来を担う子どもや若者たちに対する、次のような支援が不可欠です。

子どもの健やかな成長

貧困家庭の子どもが健やかに生まれ育つには多くの障壁があります。
2023年に発表されたUNIGMEのレポートでは、2021年に世界で約500万人の子どもが5歳の誕生日を迎えることができず亡くなり、うち約230万人は生後1カ月以内に命を落としています。すべての子どもが、安全な環境のもとで健やかに成長できるような支援が必要です。

写真:食糧危機下のケニアで学校給食の提供

食糧危機下のケニアで学校給食の提供

プラン・インターナショナルでは、栄養改善や小児疾患に対する総合的な取り組み、衛生状態の改善や安全な水の確保、さらに地域を拠点とした乳幼児教育や助産師の育成などを行っています

教育

世界には、学校に通っていない子どもたち(6歳~17歳)が2億4400万人います。そのうち、初等教育就学年齢にあたる子どもは6700万人です。読み書きや計算ができずに育った子どもたちは、生計手段を得られなかったり、搾取されたりするリスクが高まります。貧困の負の連鎖は、家族や地域にも波及します。
教育格差をなくし、持続可能な開発目標(SDGs)の目標4に掲げられている「質の高い教育をみんなに」を実現するためにも、どのような状況下でも等しく教育を受けられるような支援が必要です

  • ※New estimation confirms out-of-school population is growing in sub-Saharan Africa (UNESCO)

写真:難民キャンプの幼児教育センター

難民キャンプの幼児教育センター

プラン・インターナショナルでは、中途退学した子どもと若者への非公式教育と復学支援や、自然災害や紛争の影響下にある子どもたちの教育支援などを行っています

生計向上

世界では、約7300万人の若者が職につけず、必要なスキルを身につけ能力を高めるためのトレーニングを受ける機会もありませんこれは特に若い女性の間で顕著です。未来の社会の担い手となる若い世代をこうした状況に放置することは、長期的には社会全体の貧困につながり、犯罪増加の要因のひとつにもなりえます

写真:スキルを身に着ける美容師トレーニング

スキルを身に着ける美容師トレーニング

この問題を解決するために、プラン・インターナショナルでは、貯蓄貸付グループの結成と運営支援、職業訓練や個人での起業支援プログラムなどを提供し、若者たちの雇用機会を広げ、自立を後押ししています

貧困のない社会を実現するためにできること

ここまで世界の貧困問題について、定義や背景、必要な支援について解説してきましたが、貧困に苦しむ子どもたちや人々を支援するための具体的なアクションや支援方法にはどのようなものがあるでしょうか。
まずは、世界の貧困の現状と課題を知ることが大切です。貧困などの社会課題に取り組む団体のメルマガやニュースレターなどを購読したり、イベントに参加したりすることもおすすめです

複数の要因が絡み合って起こる貧困問題の解決にむけて、プラン・インターナショナルでは、「プラン・スポンサーシップ」を通じ、教育や生計向上、保健衛生、子どもの保護など、多岐にわたる分野にアプローチし、地域全体の生活向上を後押ししています

貧困の連鎖を断ち切り、子どもたちの可能性を育むために、一人ひとりができることを考えてみませんか。

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国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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