(2026年01月26日更新)
- セクシュアリティって何?その基本的な意味と構成要素
- ジェンダーとの違いと、よくある誤解のポイント
- 自分と向き合うための問いと、伝え方のヒント
「自分のセクシュアリティがわからない…」そんな気持ちは珍しくありません。性のあり方は一人ひとり異なり、揺れることも自然です。この記事では、理解を深めるための基本情報とヒントをまとめました。
もくじ
セクシュアリティ(セクシャリティ)とは
セクシュアリティ(Sexuality)は、人間の「性の在り方」全体を示す言葉です。19世紀頃から欧米の学術分野で一般的に使われ、教育や福祉の文脈にも広がりました。近年は多様性理解が進み、セクシュアリティは「グラデーション」のように捉えられています。「セクシュアルマイノリティ」という言葉が使われる場面もありますが、マイノリティというラベルに違和感を抱く人がいることも心に留めておきたい点です。

セクシュアリティを構成する主な要素
セクシュアリティは、主に以下の4つの要素の組み合わせで成り立っています。それぞれが独立しており、組み合わせは無限です。
身体的性(生物学的な特徴)
出生時に割り当てられた性を指し、染色体や性腺、性ホルモン、外性器などの特徴に基づきます。「からだの性」とも呼ばれます。
性自認(自分をどう感じるか)
自分がどの性であると認識しているかという内面的な感覚。「こころの性」とも呼ばれ、身体的性と一致する場合もあれば、しない場合もあります。
性自認の主な種類
- シスジェンダー:出生時に割り当てられた性別と一致
- トランスジェンダー:一致しない
- Xジェンダー/ノンバイナリー:男性・女性の枠に当てはめない
- クエスチョニング:定まっていない、または意図的に決めない状態
性的指向(誰を好きになるか)
どの性別の人に恋愛的感情や性的魅力を感じるか、または感じないか。「好きになる性」とも表現されます。
性的指向の主な種類
- ヘテロセクシュアル(異性愛):異なる性別に惹かれる(ストレートとも呼ばれる)
- レズビアン/ゲイ:同性に惹かれる
- バイセクシュアル:両方に惹かれる
- パンセクシュアル:性別に関わらず惹かれる
- アセクシュアル:恋愛感情や性的魅力を感じない
- デミセクシュアル:深い信頼関係がある相手にのみ恋愛的感情を抱く
性表現(自分をどう表すか)
服装、髪型、言動など、社会生活のなかで自らの性をどのように表現するか。「ふるまう性」とも呼ばれます。
LGBTやLGBTQ+は、英語の頭文字を取った一般的な総称です。セクシュアリティは個人ごとに異なり、恋愛対象や自己認識、表現の仕方も多様です。
自分のセクシュアリティと向き合うには?考え方と伝え方のヒント
自分のセクシュアリティについて考えることは、自分自身を深く知ることにつながります。
ここで挙げる問いは診断ではなく、あくまで自分と向き合うためのヒントです。

【性自認(こころの性)について】
- 自分自身のことをどのような性だと感じますか?
- 「男性」「女性」という言葉は、あなたの自己認識にしっくりきますか?
- もし「男性」「女性」以外の言葉で表現するとしたら、どのような言葉が思い浮かびますか?
(例:Xジェンダー、ノンバイナリー、クエスチョニングなど)
【性的指向(好きになる性)について】
- これまでに、どのような性別の人に恋愛的感情を抱いてきましたか?
- その人の性別は関係ありましたか?
- そもそも、他者に恋愛感情や性的魅力を感じること自体が少ない、またはないと感じますか?
【性表現(ふるまう性)について】
- どのような服装、髪型、言葉遣いをすると「自分らしい」と感じますか?
- 公の場(職場や学校など)と、プライベートな空間(自宅や親しい友人といる時)で、あなたの言動や外見は変化しますか?
セクシュアリティの伝え方・表現の仕方
セクシュアリティを誰かに伝えるかどうかは、完全に個人の自由です。決まった正解はありません。以下は、伝え方のヒントです。
- シンプルに伝える
例:「私はノンバイナリーです」「私はバイセクシュアルです」。 - しっくりくる言葉がない場合
感覚をそのまま言葉にする方法もあります。
例:「私は男性でも女性でもない感覚です」「恋愛対象は性別に関係ありません」。 - タイミングと相手を選ぶ
安心できる相手や状況を選びましょう。無理に伝える必要はありません。
カミングアウトについて大切なこと
カミングアウトは必須ではありません。伝えるかどうか、誰にどこまで話すかは自由です。
伝える側のヒント
- 無理をしない:安心できる相手と状況を選ぶ。
- 範囲を決める:共有する範囲を事前に考える。
- 言い方の例:「私はノンバイナリーです」「恋愛対象は性別に左右されません」。
受け止める側の基本
- 感謝を伝える:「話してくれてありがとう」。
- 尊重する:望む呼称や表現を確認。
- 同意なく共有しない:アウティングは絶対に避ける。
- 軽い確認:「必要なことがあれば教えてね」と自然に聞く程度。
セクシュアリティとジェンダーの違いやよくある疑問
「ジェンダー」と「セクシュアリティ」は似た言葉ですが、意味や焦点が異なります。ここでは、その違いと、よくある誤解を整理します。
セクシュアリティとジェンダーの違いとは?
- ジェンダー:
社会がつくる「男女の役割」や「らしさ」に関する概念 - セクシュアリティ:
個人の「性の在り方」全体を指し、恋愛的感情や性的指向、恋愛対象、性自認、性表現などを含む
【ジェンダーに基づく固定観念の具体例】
- 「男の子は青色、女の子はピンク色を好むものだ」
- 「男性は仕事で一家を支え、女性は家庭を守るべきだ」
- 「管理職やリーダーは男性で、それをサポートするのは女性の役割だ」
こうした「〜らしさ」や「〜べきだ」という考え方は、私たちの言動や生き方の選択に無意識のうちに影響を与えています。
ジェンダーとセクシュアリティのよくある誤解
この2つの言葉を混同してしまうと、個人に対して誤った認識や偏見を持ってしまう可能性があります。
- 誤解①:トランスジェンダーの人は同性愛者だ
性自認と性的指向は別です。トランスジェンダーは「性自認」に関することであり、誰を好きになるかという恋愛的感情や恋愛対象とは切り離して考えます。 - 誤解②:ボーイッシュな服装の女性はレズビアンに違いない
服装や髪型などの性表現は、個人の好みや価値観の表れであり、性的指向を示すものではありません。 - 誤解③:ジェンダーの問題は女性だけの問題である
ジェンダーはすべての性別に関わる課題です。「男性は弱音を吐かない」「稼ぎ頭であるべき」といった固定観念も、個人の生き方を縛ります。誰もが自分らしく生きやすい社会を目指すために、ジェンダーの視点は重要です。
自分らしさを大切にするために――学びを行動へつなげよう
セクシュアリティは、人の「性の在り方」を示す言葉で、身体的性・性自認・性的指向・性表現などの要素で成り立ちます。これらは経験とともに変化することもあり、違いがあるのは自然なことです。安心できるペースで理解を深め、自分らしさを尊重できる環境を少しずつ広げる助けになるかもしれません。

「何かしてみたい」と感じたときに選べる行動例
偏見につながりやすい言い回しを見直してみる、本人の同意がない共有(アウティング)を避ける、打ち明けてくれた人の気持ちに寄り添う――こうした小さな一歩からでも始められます。
プラン・ユースグループとは(日本での取り組み)
若者が主体となり、学びや発信、対話イベントに取り組む場です。セクシュアリティやジェンダーに関心がある人も、これから知りたい人も歓迎。仲間と出会い、声を行動につなげるきっかけになります。
プラン・ユースグループの活動について詳しくはこちらから
セクシュアリティ・ジェンダーに関するQ&A
運営団体
国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。











