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【経過報告】10代の若い夫婦に芽生えた決意~早すぎる結婚の防止プロジェクト~

ガールズ・プロジェクト

ベトナム

更新)

ベトナムでは、特に少数民族の人々が多く暮らす農村地域において、早すぎる結婚(児童婚)が広く見られます。法律上、女性は18歳、男性は20歳が結婚可能年齢と定められていますが、慣習や社会規範が優先されることも多く、幼い年齢での結婚が後を絶ちません。たとえば、プランが活動する北部のハザン省やライチャウ省に暮らすモン族では、女の子の53.4%が18歳未満で結婚しています。

写真:ベトナム北部 山岳地域の農村風景

ベトナム北部 山岳地域の農村風景

早すぎる結婚は、とりわけ女の子の将来に大きな影響を及ぼします。十分な教育を受けられないことから経済的な自立の機会を失うほか、幼い年齢での妊娠・出産により心身に大きな負担がかかること、幼い妻は弱い立場に置かれ、ときには暴力を振るわれることもあるなど、その弊害はさまざまです。

プラン・インターナショナルは、2021年7月に「早すぎる結婚の防止」プロジェクトを開始。地域全体が早すぎる結婚の弊害を認識し、一人でも多くの子どもや女の子が人生の選択肢を増やせるようになることを目指しています。

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ともに10代で結婚した若い夫婦、ムアさんとパオさんのストーリーを通して、地域における早すぎる結婚の現状や課題についてご紹介します。

15歳と17歳での結婚

写真:ムアさん(左)とパオさん(右)

ムアさん(左)とパオさん(右)

ムアさんは、ライチャウ省で米を栽培して生計を立てている両親のもと、7人姉妹の長女として育ちました。一家の暮らしは厳しく、毎年8月から12月にかけては、家で保管している米が底をつき、家族は空腹で過ごすこともありました。
中学校を卒業したムアさんは、高校への進学を断念したことを後悔していません。当時、一番下の妹は2歳で、6人の妹たちの教育費を考えると、彼女が進学するための経済的な余裕がないことは分かっていたからです。そんなとき、SNSを通じて出会ったのが、パオさんでした。

15歳と17歳の若い2人は意気投合し、結婚したいと思うようになりました。ムアさんの母親も14歳で結婚していたことから、家族は2人の結婚に反対はしませんでした。

待っていたのは経済的、精神的にも厳しい暮らし

夫のパオさんの実家で暮らし始めた2人でしたが、その生活は楽ではありませんでした。家事や農作業を一手に任されたムアさんは必死に働きましたが、義母はその働きぶりに満足せず、彼女を頻繁に叱りました。また、パオさんは高校を中途退学して村の建設作業員として働き、収入を得ていましたが、義母は少ない稼ぎに不満をつのらせ、家族の関係性は次第に悪化。結局、ムアさんとパオさんは叔父から借りた家へ引っ越し、2人きりの生活を始めました。ほどなくしてムアさんは妊娠しましたが、パオさんのわずかな収入では食べ物に困ることもしばしば。親戚から支援を受けなければ生活できませんでした。出産を控えたムアさんの不安は増していきました。

子どもたちの未来のために、地域の「常識」に立ちむかう

写真:女性にインタビュー調査を行うパオさん

女性にインタビュー調査を行うパオさん

そんなある日、夫のパオさんはプランが村で実施している「早すぎる結婚の防止」プロジェクトのことを知りました。このプロジェクトでは、早すぎる結婚の弊害について人々の認識や理解を広げていくために、現状調査や意識啓発活動などを行っています。活動内容に強く興味を持ったパオさんは、すぐに参加を決意。今では、村でのインタビュー調査など、プロジェクトの活動に積極的に取り組んでいます。

「プランの活動に参加して、新しい知識をたくさん学んでいます。今までは早く結婚して子どもを持つことは当たり前だと思っていたので、私ももちろんそうしました。でも、待っていたのは仕事もなく、収入も少ない厳しい暮らしでした。プロジェクトに参加して、周りの若い夫婦も、自分たちと同じような生活を送っていることを知りました。地域での早すぎる結婚の原因を特定し、村の子どもたちがそれ以外の選択肢も選べる社会にしていくために、これからも行動していきたいです」と話します。

妻のムアさんも、パオさんからプロジェクトの話を聞き、早すぎる結婚という選択をしたことでもたらされた結果について、あらためて考えるようになりました。そして、かつて自分が抱いていた「先生になりたい」という夢を失ってしまったことを悲しく思いました。「妹たちには自分と同じような思いをしてほしくない」と、実家に帰った際には、妹に、教育を受け続けることの大切さとともに、早く結婚することの弊害を伝えています。

写真:生まれてくる子どもの未来のために

生まれてくる子どもの未来のために

活動地域では、ムアさんやパオさんのように、早すぎる結婚をする子どもたちが後を絶ちません。プランは今後も、女の子や男の子、家族や地域の人々が、早すぎる結婚の弊害を知り、子どもや若者たちが自らの意思で人生を選択できるように、多角的な活動に取り組んでいきます。

  • ※このプロジェクトは、外務省(NGO連携無償資金協力)の支援のもと実施しています。

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