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【経過報告】安全な水を学校に!~南スーダン難民の保健衛生プロジェクト~

スーダン

更新)

6月20日は「世界難民の日」です。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によると、2021年末時点で、紛争や迫害により故郷を追われた人の数は8930万人に達しています※1。そして現在、ウクライナや各地で続く人道危機の影響で、その数は1億人を超えるとも言われています※2ウクライナに世界の注目が集まるなか、ほかの国々でも大勢の人々が終わりの見えない紛争に巻き込まれ、過酷な避難生活を強いられている状況が続いています。

写真:南スーダン難民の家族

南スーダン難民の家族

アフリカの南スーダンでは、長引く紛争により、これまでに約236万人※3が近隣諸国へ逃れました。プラン・インターナショナルが、隣国スーダンで2021年4月から実施している「南スーダン難民の保健衛生」プロジェクトの活動成果を、現地スタッフの声も交えてご紹介します。

難民キャンプ内と周辺の学校の衛生改善を支援

写真:学校保健クラブの課外活動に参加する子どもたち

学校保健クラブの課外活動に参加する子どもたち

スーダンが受け入れている約80万人の南スーダン難民のうち、約28万人が難民キャンプに暮らしています※4。難民キャンプ内の学校や隣接する村の学校には、充分な数のトイレや手洗い場が設置されておらず、衛生教育もほとんど行われていないため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やコレラなどの感染症がまん延しやすい環境になっていました。そのため、このプロジェクトでは、難民キャンプとその周辺の学校において、手洗い場や給水タンク、トイレなどの水と衛生設備の整備を支援。また、教師を対象とした研修や学校保健クラブを通じた衛生啓発活動にも取り組みました。

学校での安全な水の供給を実現

プロジェクトのもっとも大きな成果は、学校で安全な水が利用できるようになったことです。これまで、ほとんどの学校には給水設備がなく、のどが渇いて授業の途中で家に帰ってしまう生徒もいました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防に欠かせない手洗いを行うこともできませんでした。そこで、プランは13校に給水タンクを設置。学校で水が使えるようになったことで、子どもたちの学習環境は大きく改善しました。

保護者・教師の学校運営への参加を促進

保護者や教師、地域の人々が、協力しあってよりよい学校づくりを目指す、学校運営委員会(以下、PTA)の再活性化にも取り組みました。活動開始以前は、PTAがない学校や、機能していない学校もありました。また、話し合いの場では、「もっと教室を建設しよう」という教室数を増やすための議論に終始し、学校に給水設備がないことや、コロナ禍における学校での衛生管理を問題視する人はほとんどいませんでした。
そこでプランは、PTAのメンバーを対象に、衛生に関する研修を実施。参加した保護者たちからは、「先生たちとの連携を密にして、家庭だけでなく学校での感染予防にも取り組みたい」という前向きな声が聞かれました。また、学校の教師を対象に、学校における公衆衛生と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防についての研修も行いました。

写真:PTAへの研修の様子

PTAへの研修の様子

写真:研修に参加する教師たち

研修に参加する教師たち

変化のカギは「環境整備」と「自信づくり」

プロジェクトを担当してきた、ホワイト・ナイル活動地域のアフメド・アブダラ職員は、活動を振り返り、地域にもたらされた変化を次のように語ります。

アフメド・アブダラ職員のメッセージ

写真:アフメド・アブダラ職員

プロジェクトの開始当初、ある学校の先生から、「子どもたちに手洗いの重要性を教えたところで、学校には水がないから実践できない。だから教えても無駄だ」と言われたことがありました。しかし、安全な水を利用できるようになった今、同じ先生が「給水タンクが設置されたおかげで、手洗いの方法を教える意味を見出せたことがとてもうれしい」と言ってくれます。石けんを配布し、感染予防に効果的な手洗いを促進したことも非常に喜んでもらえました。

写真:活動を推進するPTAメンバーと、地域の子どもたち

活動を推進するPTAメンバーと、地域の子どもたち

また、これまで活発でなかったPTAが積極的に議論して活動するようになったことも、成果のひとつです。ある学校では、給水タンクを設置した後に、PTAのメンバーから「給水タンクと水を守るための警備員の配置が必要だ」という意見が出たそうです。そこで、PTAが中心となって保護者たちから資金を集め、警備員を雇用しました。PTAの会長から、「この取り組みを通じて、自分たちの力で課題解決する自信がついた」と伝えられたとき、この活動をしてよかったと思いました。

写真:地域の女性たちに話を聞くアブダラ職員

地域の女性たちに話を聞くアブダラ職員

私は、このプロジェクトの前身となった「南スーダン難民の保護と衛生改善」プロジェクトの運営にも関わりました。今回のプロジェクトも含め、日本の皆さまのご寄付とジャパン・プラットフォームの支援によって実現した活動です。診療所の分娩室や家庭用トイレの設置、学校のトイレや給水設備など、現地で必要とされていたインフラ支援にも力を入れることができました。すべてが順調にいくことばかりではなく、工事に不備が見つかったこともあります。しかし、エンジニアと一緒に何度も現場に足を運び、施工業者とやりとりを重ねました。難民の人々にも工事監督として参加してもらい、皆で一丸となって工事の質の改善に取り組むことができました。スーダンと日本は遠く離れていますが、日本のスタッフとは定期的にオンライン会議をするなど、緊密な連携により事業をスムーズに運営することができました。よりよい環境が整備されたことで、人々から感謝の言葉をかけられることがよくあります。そんなとき、自分の仕事を心から誇りに思います。

皆さまのご支援のおかげで、故郷を離れざるを得なかった難民の人々の暮らしを改善することができました。プランは今後も、「誰も置き去りにしない、誰も取り残さない世界」の実現を目指して、弱い立場に置かれている人々とともに活動を続けていきます。

  • ※このプロジェクトは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援のもと実施しています

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