(2025年01月09日更新)
皆さん、こんにちは。アドボカシーグループのアンナ・シャルホロドウスカーです。
アドボカシーグループに所属して2年経過しましたが、この間、日本に避難しているウクライナ人が置かれている状況や直面している課題について調査を重ねてきました。直近では、G7諸国におけるウクライナ人の生活状況に関する調査を行ったところ、居住地を問わず、就職や自己実現といった問題は最も切実な問題であることが分かりました。
現在、日本に避難してきたウクライナ人の約4人に1人が日本を離れています。その背景には、就職の難しさや支援終了後の自活の困難さが考えられます。出国するウクライナ避難民の数は増加の一途をたどっており、この状況を食い止めるためにも就労支援は非常に重要です。
私の日本での就職と仕事の経験
私はウクライナ紛争をきっかけに2022年に来日しました。来日してすぐに直面したのは、就職の難しさでした。高い日本語能力がなければ、希望する職業や分野で働くことは不可能であることは分かっていました。しかし、難民の日本でのキャリア形成を支援するNPO法人WELgeeのサポートのおかげで就職先を見つけることができたのです。
職場にて
現在、プランのアドボカシーグループで働き始めて3年目になりますが、多くの経験を積むなかで、日本で働くことの特殊性をより深く理解することができました。礼儀正しさと互いへの配慮が行き届いていることに感銘を受けると同時に、言葉の難しさを日々実感し、同僚に支えられ、助けてもらっています。日本語の勉強を続けていることもあって、少しずつ日本語を習得しています。これからも、より自由なコミュニケーションが取れるようになって、より効果的な仕事ができるようになりたいと思います。
ウクライナ避難民の日本での就職難
2024年上半期に、私は在日ウクライナ人避難者が直面している雇用状況とコミュニケーションの困難さについて調査を行いました。レポートは、フルタイムおよびパートタイムで働くウクライナ人と求職中のウクライナ人へのインタビュー(女性12名)、インターネット調査(41名)をもとにまとめました。
分析の結果、言葉の問題は就職への直接的な障壁となるだけでなく、精神面にも影響を及ぼし、就職面接を受けることすらためらうウクライナ人もいました。言葉の問題以外にも、雇用プロセスや礼儀作法に対する認識不足、仕事に対応できないのではないかという不安などといった心理的障壁も、就職に大きな影響を与えていました。
さらに、リスキリングや免許取得が必要な職業が多いため、せっかくウクライナで豊富な経験があったとしても、希望する分野に就職することが難しくなっていました。しかし、このような障壁があるにもかかわらず、希望する仕事に就くことができたウクライナ人もおり、言葉の問題は克服できること、そして多くの場合、異なるコミュニケーション方法を用いることで対応できることが分かります。
G7諸国におけるウクライナ避難民の雇用問題
ウクライナ紛争が3年目を迎えようとしているなか、国を離れたウクライナ人は600万人以上にのぼります。この間、彼らの切実なニーズや不安、将来の展望は、現状に影響されながら少しずつ変化してきました。
私は、G7(日本、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカ)で暮らすウクライナ避難民を対象に、支援の内容や課題について調査を行い、既存の支援策や定着状況を比較するとともに、それぞれの国のウクライナ避難民が、今現在どのような支援を必要としているのかを考えました。調査のために、G7諸国へ避難したウクライナ人28人へのインタビューと239人が回答したアンケートを実施。調査を通じて、紛争によって離れ離れになり、世界中に散らばってしまった故郷やウクライナ各地の友人・知人と再び話をすることもできました。
G7諸国におけるウクライナ避難民への支援は、各国の事情によってかなり異なっていました。日本は、ウクライナ避難民の受け入れ数が最も少ない一方で、既存の支援に最も満足している人が多くいる結果となりました。
どの国でも、ウクライナ避難民にとって最大の課題は、雇用と自己実現の問題でした。言葉の問題や各国特有の制度、また特定の職業へのアクセスが限られているため、調査では、回答者のなかでフルタイムまたはパートタイムで雇用されているのは35%未満に過ぎず、さらにそのうち、自分の職業に完全にまたは部分的に関連する分野での仕事に就いているのは30%に留まっていました。
調査に協力したウクライナ避難民の40%が「専門の職業で働く機会さえない」と答えていることから、避難民がキャリアを築き、希望する分野で成長する機会が著しく限られている、という問題の深刻さが浮き彫りとなりました。
G7諸国で強制的に避難させられたウクライナ人がどのように生活し、どのような課題に直面しているかについての報告書は、2月にウェブサイトで発表する予定です。
避難民の雇用状況を改善する方法
調査の結果、雇用状況を改善するためには、さまざまなレベルでの制度の見直しやプロジェクトを実施する必要があることが分かりました。いくつかのアイデアを紹介してみると、国家レベルでの特定の職種に関する資格再取得や免許取得のシステムの簡素化、民間企業による外国人労働者雇用へのインセンティブを高めるための、短期インターンシッププログラムの導入などが挙げられます。このプログラム修了後には、現地で働くことができる可能性も含みます。また、新たな職業を習得するための訓練コースを設け、受講者が希望する企業に就職を斡旋することも、状況の改善につながると考えられます。
NPO法人WELgeeが提供するようなメンタリングサポートも重要です。メンタリングサポートは、企業と求職者のニーズのマッチングを助けるだけでなく、雇用プロセスを通じて包括的なサポートと準備を提供し、心理的な障壁を克服するのにも有効です。
さらに、さまざまな困難を乗り越え、仕事に就き、企業に貢献しているウクライナ避難民の人々の実際の成功事例やストーリーを共有することも重要です。そこで、1月21日にWELgeeが主催するオンラインイベントに登壇し、ウクライナ避難民の就労とコミュニケーションにおける課題に関する調査結果や知見について詳しく紹介するとともに、私を受け入れたプラン・インターナショナルの事例や経験も共有する予定です。
ご参加をご希望の方は、以下のリンクよりお申し込みフォームにご記入ください。イベントでお会いできることを楽しみにしています!
- 日時:
- 2025年1月21日(火)12:00~13:00
- 場所:
- Zoom(イベントにお申し込みいただいた方には、Zoomリンクをお送りいたします)
- 参加申込:
- https://welgee-talents.jp/seminars/P-BG5vi3
- 主催:
- NPO法人WELgee







