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(2023年11月09日更新)

ジェンダー平等は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標5にも掲げられている重要な課題です。しかし、2015年に国連で採択されてから9年が経過した2023年現在も、世界には、女性の人権が尊重されず、女の子や女性への差別や暴力、搾取が続いている国や地域が依然として多く存在しています。
ここでは世界の女性問題の具体例を紹介しながら、問題の要因や解決にむけた対策について解説します。

写真:水を求めて長い距離を歩く女性たち(ソマリア)
水を求めて長い距離を歩く女性たち(ソマリア)

世界の女性問題の例

女性に対する差別は、途上国、先進国問わず世界各地で起こっています。多くの女性たちが、差別や偏見の対象となり、不当に扱われ、自分の意志で人生を選択する機会を奪われてしまっているのが実情です。女の子や女性たちが直面しているジェンダー問題を具体的に見ていきましょう。

写真:暴力撤廃を訴える啓発本(ボリビア)
暴力撤廃を訴える啓発本(ボリビア)

内閣府男女共同参画局が実施した調査研究「令和3年度性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)」では、日本には性別に基づく無意識の思い込みがいまだ根強く残っていることが明らかになりました。調査では、家事や子育て、介護といった無償労働時間の女性への偏りや、育児休業やそれに伴う時短勤務の取得などにより、職場において長時間労働が困難な女性が昇進しにくい構造など、固定的な性別役割分担意識に基づくさまざまな課題が浮き彫りになりました。
日本だけでなく、性別による無意識な思い込みにより未来が狭められてしまっている女の子たちが、世界には大勢存在します。

ここでは、女の子や女性への差別を背景とした3つの問題をご紹介します。

早すぎる結婚・児童婚

児童婚とは、18歳未満の子どもが結婚することを指す言葉です。結婚は同意のもとに行われることもありますが、同意なしに強制されることも少なくありません。 貧困のため幼い年齢で結婚した女の子は、家事に追われ、学校に行けずに教育の機会を失ってしまったり、収入を得る機会を得られなかったりすることで、自立が難しくなることが問題となっています。配偶者やその家族から家庭内で暴力を振るわれることもあり、逃げ場がなくなってしまうことも多々あります。また、早すぎる妊娠・出産は女の子の体が未発達なため負担がかかり、最悪の場合には命を落とすこともあります。

写真:2歳の子を抱く17歳の母親
2歳の子を抱く17歳の母親

ユニセフの報告によると、2017年時点で、約7億5000万人の女の子が、18歳の誕生日を迎える前に結婚していることが分かっています。なかでも、特に児童婚目的の人身売買が頻発しているアフリカ地域では、児童婚の割合が最も高く、約1億2500万人の女の子が早すぎる結婚を強いられています。

性的虐待・性的暴力

女の子や女性への暴力は、人種、宗教、文化、階級や国に関係なく世界中で起こっており、2018年時点で、女性の3人に1人が身体的・性的な暴力の被害者になり、15~19歳の女の子の1500万人以上が強姦の被害に遭っていることが明らかになっています。この状況は、紛争や避難によってさらに深刻化しています。
その背景には、男性優位の考え方が残っている地域が多いことがあげられます。「家族やパートナーは男性の所有物だから暴力を振るってもいい」という思考からドメスティック・バイオレンス(DV)や性暴力がなくならない現状があります。

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内閣府による性暴力被害に関する調査(日本)

日本でも、内閣府が実施した調査のなかで、女性の14人に1人が無理やり性交等を受けた経験があると回答しており、日本の女性のおよそ464万人が被害にあったことがあると推定されています。2017年に始まった#MeToo運動を受け、日本でも性暴力被害者が声を上げ始めましたが、女性に対する暴力やセクシャル・ハラスメントが深刻な問題であるにもかかわらず、日本の法制度は国際水準には達していないのが実情です。

賃金格差

賃金の完全平等を達成している国は2022年の時点では存在しません。OECD(経済協力開発機構)の統計によると、最も賃金格差が大きいのは韓国です。日本は先進国のなかでは韓国に次ぐ4位に位置しています。

欧米は「同一労働同一賃金制度」を取り入れており、雇用形態にかかわらず賃金が同一なため、男女間格差が小さいと考えられます。

日本における男女間の賃金格差

日本では、雇用機会均等法の施行以降、法律上は就ける職業に男女の差がないことになっています。しかしながら、実態は男性がリーダー的な役割を担い、女性の多くはケア・サポートをする仕事に従事する場合が多く、仕事内容の違いが賃金格差につながっていると言えます。一見、性別に関係のない取り扱いであっても、運用した結果、いずれかの性に不利益を与えることを「間接差別」といいます。
賃金格差の背景には、「勤続年数」と「管理職登用率」があげられます。女性は結婚・出産などのライフイベントによって休職・退職をする割合が高く、平均すると男性と比べて勤続年数が短くなり、それが平均賃金のギャップにつながっています。管理職については、企業側が女性の登用に積極的でなかったことに加え、管理職に就くのを躊躇しがちな女性が多いことも背景にあります。

女性問題がなくならない原因は?

今も世界のいたるところで、女性の人権が尊重されない事例が数多く見られます。女性が社会において直面する問題の背景には何があるのでしょうか。

ジェンダー観から女性問題が生まれる

ジェンダーとは、性別に基づいて定められた社会的属性や相互の関係を指し、生物学的性ではなく、社会的・文化的につくられている性の概念を意味します。「女性は〇〇するものである」「男性は〇〇しなければならない」という文化的につくられた意識や、性別によってつくられた先入観や固定観念、いわゆる「ジェンダー・ステレオタイプ」から女性問題が生まれているのです。

写真:プランは女の子も参加できるリーグを立ち上げた(ブラジル)
プランは女の子も参加できるリーグを立ち上げた(ブラジル)

女性差別とは?

女性問題の背景には、女性への差別があります。女性差別とは、女性であることを理由に不当な扱いを受けたり、差別を受けたりすることを指します。上述したような賃金格差や教育格差など、ジェンダーの違いによる格差は、日本を含む多くの国々に根強く残っています。男女平等・同権を定めた日本国憲法や世界人権宣言、社会のさまざまな場面における女性差別の禁止を求めている女子差別撤廃条約などがあるものの、差別を完全になくすには遠い道のりです。

世界の女性問題に関するプラン・インターナショナルの取り組み

ジェンダーに基づくあらゆる差別と人権侵害に反対し、それらの解決にむけ取り組みを進めているプラン・インターナショナルは、女の子たちが、男女の区別なく十分な機会を得て豊かな人生を歩むことができるようエンパワーメントの実現にむけさまざまな活動を展開しています。

「早すぎる結婚の防止」プロジェクト

プラン・インターナショナルは、2018年7月~2021年6月の期間、ネパール西部のバンケ活動地域において「早すぎる結婚の防止」プロジェクトを実施しました。
ネパールの農村部では、法律で禁止されているにもかかわらず52%の女性が18歳未満で結婚しており、10万人以上の女の子が10歳になる前に結婚させられ、15~19歳の女の子の約17%が身体的負担の大きい「早すぎる妊娠・出産」を経験しています。

写真:中学生による「早すぎる結婚」の防止を訴える行進
中学生による「早すぎる結婚」の防止を訴える行進

女の子が中途退学を余儀なくされ、健康を害するなど「早すぎる結婚」の弊害は大きく、女の子の自立への道を閉ざしてしまいます。さらには、夫やその家族から暴力や虐待を受けたりする温床ともなっています。
ネパールの地方政府と連携し、「早すぎる結婚」の防止を訴える行進や宗教リーダー、地域リーダーとの対話、まんがや地域ラジオなどによる活動など、地域のさまざまなステークホルダーを巻き込んで啓発活動を行いました。

「女の子や若い女性のための安全なまちづくり」プロジェクト

プラン・インターナショナルが2018年にウガンダの首都カンパラで実施した「都市における女の子たちの安全」調査では、多くの女の子や若い女性たちが日常的に、痴漢、卑猥な言葉を浴びせられるなど日中も夜間も何らかの嫌がらせの被害にあった経験があることが分かりました。
また、90%の人がカンパラは女の子と若い女性たちにとって誘拐の危険が高い、あるいは極めて高いと回答。3分の2近くの回答者が殺人の危険が高い、あるいは極めて高いと回答し、カンパラの多くの女の子や女性たちが、男の子や男性による誘拐や殺人に恐怖を抱いていることが分かりました。

写真:安全なまちづくりに参加した男性たち
安全なまちづくりに参加した男性たち

そのため、カンパラを含む世界7都市で「女の子にとっての安全なまちづくり」プロジェクトを実施し、男の子や男性たちの行動を変えていくための支援を行いました。同プロジェクトには、何百人もの男の子や男性が参加し、犯罪の撲滅や、その背景にあるジェンダーに基づく差別に対する意識変革のトレーニングを受けたことで、男の子たちの意識に変化が生じ、女性に触るのはいけないことなどを学び、女の子たちの視点に立って物事を考えられるようになりました。

SDGs目標5 ジェンダー平等の実現にむけて

WEF(世界経済フォーラム)は、2023年版の「Global Gender Gap Report」(世界男女格差報告書)のなかで、現在の取り組みのペースではジェンダーギャップの解消には131年かかると指摘しています。プラン・インターナショナルは、これらの状況を少しでも改善するために、特に女の子のエンパワーメント、リーダーシップの育成に力を入れ、女の子たちが、ジェンダーに基づく不平等から解き放たれ、地域社会を、そして世界を変えるアクターになるよう支援しています。

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プランの活動に賛同いただける方、ぜひ一緒に女の子を応援しませんか。

国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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