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セクハラをする側から女の子を守る側へ~ウガンダ~
世界の各地から
(更新)
プラン・インターナショナルが2018年にウガンダの首都カンパラで実施した調査※では、多くの女の子や若い女性たちが日常的に、痴漢、卑猥な言葉を浴びせられるなどの嫌がらせに遭っていることが明らかになりました。そして、そうしたセクハラがごく普通のことと認識されていることもわかりました。
男の子や男性たちが、セクハラをやめて、女の子や女性にとって安心できる安全なまちづくりに貢献するようになることは可能なのでしょうか。
- ※オンラインによる調査で、世界22都市に住む400人近い専門家から回答を得ました。この調査はプランが専門の調査機関とともに2018年5~8月の12週にわたり実施したものです。
セクハラの元を絶つには男の子と男性の参加が不可欠
「都市における女の子たちの安全」の調査では、90%の人がカンパラは女の子と若い女性たちにとって誘拐の危険が高い、あるいは極めて高いと回答。また、3分の2近くの回答者が殺人の危険が高い、あるいは極めて高いと回答しました。カンパラの多くの女の子や女性たちが恐怖を感じる原因をもたらしているのは、男の子や男性たちです。
プランが実施している「女の子にとっての安全なまちづくり」プロジェクトは、男の子や男性たちの行動を変えていくための支援が重要な要素として入っています。2014年以来、カンパラをはじめ世界7都市で行われているプロジェクトには、何百人もの男の子や男性が参加しています。プロジェクトに参加したエリックさんは、自分や地域の男性たちの女の子や女性への考え方に起きた変化の様子を語ってくれました。
プロジェクトに参加した男性たち
活動により、コミュニティの治安がよくなっただけでなく、女の子たちを守る必要性について、男性や地域コミュニティに気づきを促す機会にもなりました。地域の女の子たちは、カンパラにおける嫌がらせは顕著に減少してきたと感じています。女の子が安全に歩きまわれるまちをつくることは、男の子と同じように行動範囲を広げ、自由を手に入れること。ジェンダー平等にもつながっています。
「女の子の安全は私の安全」と書かれたジャケット
これまでのおもな活動
- 有害なジェンダー規範に対応するトレーニング
- 地域の安全についてのクラブを設置し、男性たちが問題について話し合い、近隣地域の危険箇所の調査
- 自分たちのコミュニティをよりよくするための提案を、地域の官庁の人々と共有
- 「本当の男は、女の子たちの安全を守るものですよね?」というメッセージをつけた反射版のついたジャケットを、ボダボダ運転手たちに提供した意識啓発キャンペーン
- 運転手たちが女の子たちの安全について話し合い行動するためのトレーニングの提供
プランは引き続き、「女の子にとっての安全なまちづくり」プロジェクトに取り組みます。
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女の子へのセクハラは普通のことだった
エリックさん、24歳
「私の住むコミュニティは犯罪率の高いスラムです。人口も密集し多くのギャングもいて安全ではありません。私が15歳のとき、妻が13歳で妊娠しました。彼女の面倒をみるため働く必要があり、学校は止めました。大学に進学するための奨学金も断り、ボダボダ(バイクタクシー)の運転手になりました。
プラン・インターナショナルの職員がボダボダステーション(待合所)にやって来て、『女の子にとっての安全なまちづくり』プロジェクトのワークショップに招待されました。最初は関心もありませんでしたが、そのうち彼らが話していることは、女の子だけでなく自分たち男性にとっても役に立つことだと気づきました。
エリックさん。妻と9歳の息子とカンパラに在住
プロジェクトに関わる前は、私も女の子たちに性的嫌がらせをたくさんしていました。通りすがりに女の子たちに性的な言葉をかけたり、わざと触れたり、彼女たちを貶めるようなことをしていました。そういったことはボダボダ運転手たちには当たり前のことでした。女の子や女性たちを、価値のない性的対象として見ていたし、それが間違っているとも思いませんでした。
ボダボダとはバイクタクシーのこと
息子の世代には女の子にとって安全なまちに
今では、ボダボダ運転手たちは私の前で女の子たちに嫌がらせをするのを気まずく思うようになっています。私はいい手本になっていると思います。男の子や男性たちは、女の子と女性たちにとって安全なカンパラを作っていくのにとても重要な役割を果たしています。変化を起こすには、ともに取り組むしかありません。息子が私の年齢になるころには、カンパラが女の子たちにとって安全で安心なまちになっていてほしい。息子には、ただ見ているだけでなく、積極的に貢献して欲しいと思います。それはまちに住む全員の責任だから」
トレーニングに参加する男性たち