本文へ移動

(2024年08月30日更新)

プラン・インターナショナルの国内支援事業グループは、2024年8月7日に報告会「女の子と若年女性にとっての居場所~『わたカフェ』の現場での気づきから」を東京・池袋にて開催しました。

日ごろから女の子や若年女性への支援に携わる自治体関係者、民生委員、NPOスタッフ、約50名が参加。各界で女性支援に取り組んでいるゲストによる報告やディスカッションに熱心に聴き入りました。

写真:報告会の様子

報告会の様子はこちらの動画でご覧いただけます。

女の子と若年女性にとっての居場所~「わたカフェ」の現場での気づきから~ / プラン・インターナショナル(1時間44分33秒)

行政、企業、アカデミア、「わたカフェ」—異なる立場から女性支援について発信

豊島区長・高際みゆき氏、西武信用金庫理事長・髙橋一朗氏、法政大学現代福祉学部助教・岩田千亜紀氏をお迎えして、日ごろ取り組まれている女性支援についてお話しいただきました。

高際みゆき氏

豊島区長・高際みゆき氏
コロナ禍の最中、困窮しているはずの若い女性からの相談が区役所にはほとんど寄せられていない事実に気づき、「すずらんスマイルプロジェクト」を立ち上げた高際区長。「行政は相談しにくい」というハードルを下げるための「当事者世代による」「女性が手にとってくれる」ツールの作成などの工夫や、民間団体・他自治体・庁内の多部署との横断的なつながりを作り出す取り組みについてお話しくださいました。

  • ※生きづらさを感じる10代・20代の若い女性を支援するため、豊島区役所で生まれたプロジェクト

西武信用金庫理事長・髙橋一朗氏

西武信用金庫理事長・髙橋一朗氏
「人を大切にする」をモットーに、全国の信用金庫で業績No.1の西武信用金庫を率いる高橋氏。「シングルマザーの従業員への支援」「育児時短を12歳まで延長」など、先進的な取り組みについてお話しくださいました。初の女性役員が登場するなどの成果を例に、「女性をひいきしていると言われるが、それくらいしないと組織や社会は変わらない」と述べられました。職場も、自己肯定感や安心感を得る大切な「居場所」のひとつということが説得力をもって伝わりました。

法政大学現代福祉学部助教・岩田千亜紀氏

法政大学現代福祉学部助教・岩田千亜紀氏
若年女性の抱える生きづらさ、そしてその要因は多様であることを、事例をまじえて解説くださいました。また、悪質ホストクラブでの被害を例にあげながら、問題の背景には女の子たちの「孤独・孤立」があることや、「自己責任論」の弊害についても指摘。自己責任論が蔓延する背景には、社会の側が解決策をもっていないこと、「見て見ぬふり」をしたほうが楽であること、などがあげられると示唆されました。「社会の問題としてとらえる必要がある」というメッセージが伝えられました。

「わたカフェ」臨床心理士・橋本理恵

「わたカフェ」臨床心理士・橋本理恵
「わたカフェ」利用者の女の子約260人のデータと3年半にわたる現場での活動とをもとに、女の子の居場所の意義について説明。「助けてくれる人の存在と自己効力感は相関関係にあること」「居場所や相談相手の存在により、安心感と自己肯定感を得て、次のステップへの準備をすることができる」「日本人は家庭や職場に居場所があることで安心感をもつことができる」などを挙げました。詳細はこちらの報告書をご参照ください。

多業界が連携して女の子を支援できる社会へ

続くパネルディスカッションでは、ご活躍の場がそれぞれ異なるお三方に、「女の子や女性はどんな存在か」「さまざまな業界、業種の人々が連携して社会全体で女の子を支えていくためには」「その際、留意されたこと」というテーマでお話しいただきました。その一部を以下にお届けします(要約しての一部引用)。

「女の子は未来を託す希望の存在。せっかく行政の窓口に相談に来てくれても、嫌な思いをさせてしまったら二度と来てくれない。それは絶対に避けなければならない。ただ、行政だけではできないことも。民間の機関などに相談してもらって、そこから行政支援につながるのでもいい。さまざまな連携で取りこぼさないように支援していくことが大切」
(豊島区長・高際みゆき氏)

「女性の従業員はとても元気がいい。コロナ禍の頃、女性だけの営業部隊を作りました。商品を売らなくていいから、お客さんのところに行っておしゃべりをしてくればいい。そう言って送り出したところ、売り上げが男性部隊より上がりました。無理に男性と同じやり方ではなく、彼女たちらしさを生かせる働き方をしてもらえばいい」
(西武信用金庫理事長・髙橋一朗氏)

「若年女性のなかには自尊感情を傷つけられ、自信を失ってしまった人たちもいます。まずは彼女たちの話をしっかり聴くことが大切。そして自信をつけることができる体験を積み重ねていってほしい。私たちは、それをサポートしていく必要があります」
(法政大学現代福祉学部助教・岩田千亜紀氏)

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

参加者の声

女性が活躍できる居場所が大切で、家庭、会社、社会それぞれに居場所があれば、被害から救うことができると思いました
(自治体関係者)

自分自身が安心、安全な居場所となれるよう努力させていただきます
(民生委員)

性的搾取、性の商品化など、女性たちの生きづらさの原因を根本からなくしていかないと問題は解決しないと思いました

(女の子たちを)行政につないでいただいても、限られた行政支援にマッチせず、つながりきれないことも多いのですが、せめて『行政は嫌な存在ではない』『タイミングが合えばまた来てもよい』と思ってもらえるような支援を心がけています。(行政と民間支援が)車軸の両輪となっていけたら。引き続き、よろしくお願いします
(自治体関係者)

ニュースTOP

トップへ