(2025年02月19日更新)
ウクライナでの本格的な紛争勃発から3年。いまなお多くの人々が故郷を離れ、不安定な生活を余儀なくされています。特に女の子や女性、子どもたちへの影響は深刻で、安全や学びの場を確保することは容易ではありません。プラン・インターナショナルは人々の声に耳を傾け、必要な支援を届けるための活動を続けています。
この記事では、避難を余儀なくされた方々が抱える課題と、支援の現状についてご紹介します。
ウクライナ人道危機の現状
ウクライナでの紛争激化から3年となる2月24日。人々が今なお厳しい状況に置かれている現実をあらためて考えてみませんか。
- 2024年10月時点で3万9,000人を超える一般市民の死傷者が報告され、うち1万2,000人以上が死亡、2,400人以上が子どもです。
- 2024年9月は、紛争開始直後の2022年7月以来、最も多くの死傷者が記録され、574人が死亡し、3,082人が負傷しました。
- 2022年2月24日以降、300万人以上の子どもが自宅を離れざるを得なくなり、通学できない状況にあります。
- 2025年1月時点で、ウクライナ国内で人道支援を必要とする人は推定1,270万人にのぼり、そのうち約200万人が子どもです。
3人の切実な声が伝える“紛争下の日常”
Polina さん(12歳、ウクライナ国内在住)
私は今、紛争に慣れてしまったように感じます。最初の激しい砲撃やミサイル攻撃のときは、6歳の弟と枕や毛布をかぶってとても怖かった。オンライン授業はやはり普通の学校とは違います。黒板の前に立ったり友だちに会ったりしたいです。祖父は紛争で亡くなり、代父※は行方不明のままですごく寂しい。紛争が終わり、代父が生きて戻ってきてくれることをずっと願っています。
- ※キリスト教の伝統的教派において、洗礼式に立会い、神に対する契約の証人となる役割の男性を指す
Halyna さん(36歳、ポーランドへ避難)
すべてが変わりました。バッグ2つだけで娘と避難した最初は、2週間ほどで戻れると思っていたのに、人生を一からやり直すことになりました。コロナ禍でオンライン授業が続き、その後に紛争が激しくなり、子どもたちの教育は何度も中断しました。3年が過ぎても、難民としての滞在許可は数カ月単位での延長が続くため、いつ安定するのか分かりません。
Nataliia さん(ポーランドへ避難したシングルマザー)
ポーランドに逃れてシングルマザーとして必死に頑張っていますが、9歳の娘には特別なニーズがあり、人が多く詰め込まれる滞在施設には長くいられませんでした。支援団体が必要なサービスや学校の手続きでサポートしてくれましたが、今は大家さんにアパートを出ていくように言われ、次の住まいも見つかっていません。私たちみんなが本当に望んでいるのは、平和と安全、そして安心して暮らせる場所です。
それぞれに必要な支援を届けるために
ウクライナや周辺国では、女の子や女性、子どもたちがとりわけ大きなリスクにさらされていると認識されており、プランは人々の声に寄り添いながら、現地のパートナー団体やコミュニティと連携して支援を行っています。
- 2022年から現在までに、プランはウクライナ、ポーランド、ルーマニア、モルドバで、90万人以上(女の子19万3000人、男の子15万8000人)に支援を届けています。
- そのうち約32万人に救援物資を提供し、55の現地パートナー団体と連携しながら事業を展開しています。
- 特に女の子や若者、女性の保護と教育機会の確保に注力し、戦禍にある人々が希望を持って生活を再建できるよう継続的な支援に取り組んでいます。
2022年、プランはルーマニア事務所を立ち上げるために日本からプログラム部職員を派遣したほか、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受け、2022年から2023年にかけてルーマニアで避難生活を送る人々の保護を目的とした越冬支援や子どもの教育、心理社会的支援を提供しました。また、2024年にはウクライナ東部ドネツク州で多目的現金給付やジェンダーに基づく暴力防止の啓発活動を行いました。

避難民の子どもたちへの就学前教育センターを運営(ルーマニア)

現金給付を受ける人々の相談に乗る現地スタッフ(ウクライナ)
ウクライナ避難民の現状調査
プランのアンナ・シャルホロドウスカー職員は、自身もウクライナから日本への避難を経験した立場から、ウクライナや周辺国へ逃れた人々の声を丁寧に拾い上げる調査を実施しています。住まいや教育、就労、そして法的な地位に関わる不安定な状況が長期化しているなかで、特に女の子や若い女性、子どもや青少年を支える包括的なサポートの必要性を提起しており、学びや将来を諦めずに過ごせる環境づくりを呼びかけています。さらに、子どもたちへの適切な教育機会の確保や、女性たちの保護の強化といった多方面での対応が急務とされ、社会全体による協力と関心が欠かせないというメッセージを発信しています。
アンナ・シャルホロドウスカー
2022年5月28日にウクライナのマリウポリ市から日本へ避難。同年12月にプランに入局し、アドボカシーグループに所属しています。
世界中で紛争や災害により、難民として故郷を離れざるを得ない方々が増えている今だからこそ、遠い国の問題ではなく自分事として認識することが、社会を変えていく一歩につながります。プランのウェブサイトでは、ウクライナ以外にも、世界の難民問題について多様な視点から解説した記事をご覧いただけます。






