(2025年03月10日更新)
2025年は、1995年の第4回世界女性会議で「北京宣言・行動綱領」が採択されてから30年の節目です(「北京+30」)。3月10日~21日にかけてニューヨークで開催される第69回国連女性の地位委員会(CSW69)※1では「北京宣言・行動綱領」の実施状況とジェンダー平等の進捗に関する、世界的なレビューが行われます
。
プラン・インターナショナルでは、「北京+30」に向け、特に世界各地のユースと連携した政策提言活動を展開し、提言文書
※2を発表しました。
ジェンダー平等は進んだが課題も残る
第4回世界女性会議が開催されてから30年、ジェンダー平等は着実に進展しています。2015年以降、5,000万人以上の女の子が学校に通えるようになり、女性性器切除(FGM)や早すぎる強制された結婚(児童婚)の割合は大幅に減少しました。また、2000年から2022年の間に、妊産婦死亡率は世界で34%減少したほか、避妊や安全な中絶を含む、「性と生殖に関する健康(SRH)」サービスへのアクセスが増加したため、15~19歳の女の子が妊娠・出産する件数は、2000年以降3分の1にまで減少しました。
しかしまだ課題は多く残されています。プランも参加したレポートでは、2019年から2022年にかけて、世界の約4割の国で、ジェンダー平等の進展が停滞、あるいは低下したと言われています
※3。これらの国には、10億人以上の女性と女の子が住んでおり、彼女たちの生活に大きな影響を与えています。また、世界レベルでジェンダー平等に反発する運動が活発化し、政治的発言力を強めていることも懸念されています。
女の子・若い女性は特に権利侵害を受けている
女の子や若い女性はとりわけ多くの課題に直面しています。
たとえば世界では、子どもやユースが健やかに成長し、生きていくために必要な知識を学ぶ機会が制約されたり、安全な人工妊娠中絶へのアクセスが制限されたりしている国や地域が多く存在します。セクシュアル・マイノリティを排斥したり、女の子や女性を教育、就労、公共の場から締め出そうという動きも見られます。
日本でも、SNSが手軽に利用されるようになった一方で、オンライン上に氾濫するポルノ画像やジェンダー差別的な発言が、女の子自身がSNSを通じてジェンダーに関する意見を表明したり発信したりすることを妨げている現状があります。さらに、デジタル性暴力の問題も深刻です。
こうした女の子や若い女性の活動を委縮させ、権利を後退させる動きの背景には、日本を含む世界のいたるところで今なお根強く残る家父長制的な社会規範と権力構造があります。「女は家に」「女に教育はいらない」という考えが、女の子や女性の権利を否定し、彼女たちが声をあげることを阻止しようとしているのです。その結果、女の子と女性は、差別や権利侵害に直面し、教育を修了すること、重要な保健サービスを利用すること、自分の体をコントロールすること、暴力から解放されて生きること、まともな仕事の機会を得ること、自分たちの生活に影響を与える決定について発言することが徐々に難しくなりつつあります。
女の子の権利を守るために
女の子の権利は普遍的なものであり、女の子がどこで生まれ、どこに住もうと、安全で虐待のない環境のなかで、自分の権利を十分に実現できるべきです。人として受けるべき権利を享受し、幸せに健やかに成長できれば、女の子は自分が持っている力を最大限に発揮して成長できます。
プランは、権利が脅かされている世界中の女の子と女性と連帯し、先住民族出身の女の子、移民・難民の女の子、紛争下で暮らす女の子、障害のある女の子を含む、社会から疎外され、見過ごされがちな世界中のすべての子どもやユースのエンパワーメントの実現を求めます。
そのために必要なのは、女の子がただ会議に参加するのではなく、「完全で、平等で、意味のある参加」を実現し、ジェンダー平等を阻む家父長制的な制度や規範を見直す―つまり「ジェンダー・トランスフォーマティブ」な施策を実現することです。プランでは、引き続き女の子と女性が誰一人取り残されず、自分たちの未来を切り開けるよう、政策提言活動を通じてサポートしていきます。







