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(2025年08月29日更新)

写真:報告会での座談会の様子

報告会での座談会の様子

プラン・インターナショナルの国内支援事業グループは、2025年8月20日に報告会「『若者・女の子の居場所×地域発展』を語ろう」を東京・池袋にて開催しました。
プランが東京・池袋で運営する女の子・若年女性のための居場所「わたカフェ」が開設より5周年を迎えたことを記念して行われたこの報告会には、自治体関係者、若者やユース女性支援に携わる方々、寄付者の方々、約50名が参加しました。

5年間で延べ7,500人が利用―「わたカフェ」の歩みを振り返る

写真:プラン濱田職員

最初にプラン事務局職員の濱田から、開設当初から現在に至るまでの変遷や、スタッフとして携わってきた思いを次のように語りました。

「コロナ禍の自粛要請のなかで、さらに生きづらさを抱えるようになった女の子たちのために開設したものの、誰も来ない日もありました。けれども、利用してくれる女の子から『お守りのような場所』という言葉をもらうことができ、今日があります。コロナが収束して人々の往来が戻ってきた今、女の子の自殺率は8割増加しています。女の子にとって安全で安心できる居場所の重要性は増しています」。

続いて、「わたカフェ」責任者を約4年間務めた社会福祉士の濱田が、5年間の活動の成果を解説。
「無条件に受け入れてもらうことで、『ここにいていいのだ』という安心感が得られます。そこから悩みを相談をすることができるようになり、悩みごとを整理することで自分への信頼感が生まれ、自らの進みたい方向へ一歩踏み出すことができるのです。私たちの役割は、女の子のすべてを受け入れ、歩幅や目線を合わせて、女の子が自分らしい人生を見定める過程に伴走することです」と、「わたカフェ」の意義と役割をお伝えしました。

座談会:「若者と女の子が地域への愛着をもつことができる未来」

座談会では、異なる立場で連携を深めながら若者や女の子を支えている行政やNPOの方々が登壇。「若者や女の子が居場所を見つけられる地域」「若者がいることで地域に現れるポジティブな変化」などについて意見を交わしました。

写真:豊島区男女平等推進センター所長・清水美希氏

豊島区男女平等推進センター所長・清水美希氏

すずらんスマイルプロジェクトに取り組むなかで感じるのが、若い世代にとって役所は敷居が高いということ。一方で、民間支援団体は寄り添った支援や細やかな対応を得意とします。行政と民間支援団体が顔の見える関係を作り、区がもつ強みとそれぞれ補い合っていくことが大切だと考えます。若者の居場所についても、行政が居場所を作って、「どうぞ来てください」では来てくれない。民間支援団体による様々なタイプの居場所があり、その時の自分に合った場を選択できる、地域に、そんな安心して過ごせる居場所が広がっていくことはとても重要なことだと思います。

※すずらんスマイルプロジェクト:生きづらさを感じている若年女性の「なんとなく生きづらい」を「たしかな支援」につなげていくことを目的に、豊島区役所で立ち上がった組織横断プロジェクト。

写真:豊島区子ども家庭部子ども若者課長・安達絵美子氏

豊島区子ども家庭部子ども若者課長・安達絵美子氏

豊島区とUR都市機構が連携し、若者を支援するNPOに再開発エリアの空き家を無償でお貸しすることで、NPOの想いや専門性などの強みを活かした多様な居場所づくりを進めています。若者に限らず、誰もがいろいろな顔を見せられる複数の居場所があることは、とても大切だと思っています。若者、ファミリー世帯、高齢者など、さまざまな人たちが息苦しさを感じない適度な距離感で関わり合い、そこからまちへの愛着へとつながっていってくれたら嬉しいです。そして、若者がいずれいろいろな場所に羽ばたいていったとしても、ここで育まれたまちへの愛着が、地域にとってもよい影響をもたらしてくれるのではないかと思っています。

写真:特定非営利活動法人サンカクシャ 代表理事・荒井佑介氏

特定非営利活動法人サンカクシャ 代表理事・荒井佑介氏

「明日、携帯が止められる」「今夜のネットカフェの宿泊代がない」。サンカクシャでは、そんな若者に「リラックスできる場所」「宿泊場所」を提供してきましたが、その出口としての「仕事の場」を、今回、豊島区とURの協力により作ることができました。飲食店として、地域の方々に来てもらえる場所となっています。また、地域の人から仕事を依頼してもらい、、日当を受け取ることもできます。「ありがとう」と言われることが、若者はとても嬉しいのです。適度な距離感で見守り、つながってくれる大人たちが地域に増えることを目指しています。

写真:認定NPO法人ピッコラーレ 代表理事・中島かおり氏

認定NPO法人ピッコラーレ 代表理事・中島かおり氏

ピッコラーレでは、孤立せざるを得なかった妊婦さんの出産のサポートをしていますが、出産後も孤立の状態は変わりません。そこで、いつでも里帰りできる場所、仲間に出会える場所を、豊島区とURのご協力で立ち上げました。いろいろな人との縁を作ることを目指しています。また、ひとりの人にもいろいろな顔があります。さまざまな居場所で異なる顔を見せることで、その人が豊かになっていく。そして、「あの時、助けられた」という思いは、ずっとつながり続けていなくても一生ものになります。そういう出会いが、地域への愛着を育むのだと思います。

写真:プラン・インターナショナル 国内支援事業グループリーダー・福田愛

プラン・インターナショナル 国内支援事業グループリーダー・福田愛

居場所を利用する女の子自身が、自分が課題を抱えていることに気づいていない場合も多くあります。その子の困りごと、生きづらさを整理して気づいてもらい、さらに行政や他NPOなどの支援につなげていく入口が「わたカフェ」です。その際、フラットに接することや適度な距離感は大事にしています。居場所は、作れば利用してもらえる、というものではありません。でも、一人が「ここにいたい」と思ってくれる場所を作ることができれば、やがて輪ができて、利用してくれる若者や女の子が増え、それが地域に広がっていくと思います。

「わたカフェ」「ゆうカフェ」のこれからを参加者に共有

プランは8月1日、世田谷区の協力により2つめの居場所「ゆうカフェ」を下北沢に開設しました。関係者以外が立ち入ることができないスペースでゆっくり過ごすことができる「わたカフェ」、そして地域の方々も利用する施設にあり地域に開かれた「ゆうカフェ」。それぞれの特徴を生かしながら、これからも女の子にとって安全で安心できる居場所のあり方を広く伝えていくとともに、調査や提言活動にも力を入れていく方向性であることを、国内支援事業グループリーダーの福田から皆さまにお伝えしました。

参加者の声

それぞれの団体がそれぞれの役割を果たす事で、点が線に、線がロープに、ロープが面になって包括的な取り組みとして機能していることに感動しました。

これまで海外の子どもたちの教育、生活支援をしてきましたが、国内の若い男女にも支援していきたい。

会場から出た「苦労したことはないか」という問いに対して、皆さま悩まれながらも真摯に回答されており、その内容も非常に悩ましいものが多く、支援の困難さを感じました。

NPOのミッションと取り組みの明快さ、豊島区の行政としてのスタンスを守りながらの柔軟な対応が印象的だった。

行政と民間、民間同士がフットワーク軽く連携していることに感銘を受けました。

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