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世界ガールズ・レポート2021「The Truth Gap~女の子が直面するオンライン上の有害な情報~」
アドボカシー
女の子だから
(更新)
プラン・インターナショナルは10月11日の国際ガールズ・デーに合わせて、世界の女の子の現状を報告した世界ガールズ・レポートを発行しました。
2021年のタイトルは「The Truth Gap~女の子が直面するオンライン上の有害な情報~」。女の子や若い女性の、オンライン上で得る情報との関わり方について調査を行いました。この調査は26カ国2万6000人の、15~24歳のユース女性を対象にしたアンケートと一部インタビューにより行われました。情報のジャンルは「政治と選挙」、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」「性と生殖に関する健康」で、特に誤った情報や偽情報(フェイクニュース)への対処の仕方を調査し、彼女たちに及ぼす影響について明らかにしました。
誤った情報や偽情報が及ぼす悪影響
今回プランが実施した、オンライン上の誤った情報・偽情報のジェンダー的影響に注目した大規模な調査は、世界的にも初めての試みです。調査結果からは、偽りや悪意のあるオンライン上の有害な情報が、新型コロナウイルス感染症から政治に至るまで、さまざまな問題に対するユース女性の関わり方にも大きな影響を与えていることが分かりました。
有害な情報がもたらす弊害はさまざま
有害な情報がもたらす弊害はさまざま
おもな調査結果
おもな調査結果
- 91%が、オンラインでの誤った情報や偽情報に懸念を抱いている
- 87% が、誤った情報や偽情報によってネガティブな影響を受けている
- 46% が、誤った情報や偽情報の結果として、悲しみや気分の落ち込み、ストレス、心配、不安を感じている
- 4人に1人が、自分の意見を他者に共有する自信がないと感じている
- 5人に1人が、 政治や時事問題に関与するのをやめている
- 10人中7人は、学校や家庭で誤った情報・偽情報の見分け方について教わったことがない
- 調査対象の大多数が、信頼性の高いオンライン情報源は一つもないと感じている
調査を行った26カ国(アルファベット順):オーストラリア、ブラジル、ブルキナファソ、カナダ、コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、フィンランド、フランス、ドイツ、インドネシア、イタリア、ヨルダン、ケニア、マラウイ、ネパール、オランダ、ペルー、フィリピン、スペイン、スウェーデン、トーゴ、ベトナム、イギリス、アメリカ、ザンビア
女の子の声を政府や企業の対策に反映させるために
調査からは、ユース女性たちが、若者のデジタル・リテラシーを向上させるためのサポートを求めているだけでなく、国や企業に対して、誤った情報や偽情報の拡散防止にむけた対策を講じ、責任を果たすことを求めていることが分かりました。また、女の子たちがオンライン機器や十分な接続環境にアクセスできないことで生じる「デジタル・ジェンダー格差」の解消への取り組みも必要です。
プランは、世界中の女の子やユース女性を含む、子どもや若者たちが、デジタル・リテラシーを向上させ、偽の情報を見分ける能力を高め、オンライン空間で自信をもって活動するための知識とスキルを身につけられるよう、各国政府やソーシャルメディア企業、市民組織などがなすべきこととして、以下を提言します。
調査に参加し、声をあげた各国の女の子たち
調査に参加し、声をあげた各国の女の子たち
各国政府
- ユース女性の具体的なニーズに応えるよう、可能であれば学校のカリキュラムに組み込むなど、包括的なデジタル・メディア・リテラシープログラムを構築すること
- 誤った情報や偽情報が特に女の子たちに与える影響を認識して対処し、オンライン上のジェンダーに基づく暴力に対処する取り組みと結びつけること
オンラインプラットフォーム
- あらゆる多様性を持つユース女性たちや市民社会と協力して、プラットフォーム上で女の子やすべての若者のデジタル・リテラシーを向上させるためのソリューションを構築・作成すること
ネットワークプロバイダー
- 政府と協力し、意味のある連携を高め、携帯電話やスマートフォン、タブレットなどからのインターネットアクセスをより包括的なものにすること。特に、自由にアクセスできる教育コンテンツ、データ許容量の増加、コストの削減に重点を置くこと
市民社会組織とNGO(非政府組織)
- 若いフェミニストの組織や、女の子のデジタルの権利について活動しているグループ、なかでも誤った情報や偽情報、オンライン上のジェンダーに基づく暴力に反対するキャンペーンを行っているグループに、財政的・技術的な支援を行うこと
政府間組織および超国家的組織
- 規制、基準、政策に関する議論にユース女性を有意義に参加させ、彼女たちの経験や意見が反映されるようにすること
- 誤った情報・偽情報の問題とそれが個人の人権に与える影響を調査すること。そしてソーシャルメディア企業やプロバイダー企業に対して説明責任の向上を強く奨励すること
メディア関係者
- 他の組織と連携しながら専門知識を共有し、さまざまな検証方法とともに、ファクトチェックに関する優良事例の普及に努めること。批判的思考の育成や、実践的なデジタルナビゲーション、セーフティースキルに焦点を当てたデジタル・リテラシーやメディア・リテラシーのプログラムを提供するために、政府やネットワークプロバイダーと専門分野の知見や専門知識を共有すること
詳しくは以下をご覧ください。
世界ガールズ・レポート『The Truth Gap~女の子が直面するオンライン上の有害な情報~』
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女の子の声
「誤った情報が蔓延しています。私はそれが問題だと思いますし、これからもずっと問題になると思います。自分が目にする情報を信頼できなければ、そこから学びを得たり、率先して周囲の人たちと共有したりすることもできません。誤った情報が問題にならないわけがありません」(19歳、アイルランド)
「現在、私たちはすべてのことがインターネットで行われている世界にいます。すべてがデジタルで行われているのです。だからこそ、学校で教えるべきだと思います。そうすれば、大人になってからも、デジタルプラットフォームをどのように使えば良いのかがわかるようになるでしょう」(20歳、ケニア)
「誤った情報や偽情報の拡散を食い止めるために、ソーシャルメディア企業がもっと対策を講じるべきだと思います。正しい情報源から出ているかなど、事実関係を確認するシステムが必要です」(18歳、アメリカ)
嘘や偏見に満ちた情報にさらされる女の子
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