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【おしえて!プラン】「ジェンダーに基づく暴力」とは何か

お知らせ

(2021/05/21更新)

おしえて!プラン」は、プラン・インターナショナルの活動や報告に出てくる用語をわかりやすく説明するシリーズ記事です。

今回は、「ジェンダーに基づく暴力」がテーマです。何を指すのか、そしてどうやったらなくしていけるのかを含めて、一緒に考えてみましょう。

ジェンダーに基づく暴力

Q.「ジェンダーに基づく暴力」とは?

A.ジェンダーや性自認を理由にむけられる暴力のことです。

「女性だから」殴られる。「男らしくない」とのけ者にされる。性的マイノリティであることを理由にいじめられる。こうしたことを「ジェンダーに基づく暴力」と言います。世界中で、性別を問わず起こりうる問題です。
被害者は「個人的な問題」として抱え込んでしまいがちであることが特徴です。そのため表面化しにくく、「見えない暴力」ともいわれています。

  • ※ジェンダーについてはこちらもご覧ください

ネパールの女の子の描いた絵

ネパールの女の子の描いた絵

途上国でさらに高まるリスク

世界保健機関(WHO)によれば、世界の女性の3人に1人が、生涯で一度は暴力を受けることがあるとされています。早すぎる結婚や女性性器切除(FGM)、虐待、人身取引なども「ジェンダーに基づく暴力」のひとつの形です。紛争や災害といった危機状況下や、女性に対する暴力が受け入れられているような場所では、搾取、虐待のリスクも高まることがわかっています。

ジェンダーに基づく暴力(国連難民高等弁務官事務所<UNHCR>による分類)
  1. 性的搾取・虐待を含む「性暴力」
  2. 殴る蹴るなどの「身体的暴力」
  3. 言葉やいじめによる「心理的暴力」
  4. 女性性器切除などの「身体的に有害とされる伝統的慣習」
  5. 社会的疎外や貧困といった「社会的・経済的暴力」

ほかにも「女の子だから学校へ行かせてもらえない」「生理だから隔離される」――こうした「暴力」に苦しむ女の子たちもいます。これらの暴力は心身に影響し、教育を受ける権利や社会への参加、人生を自由に生きる能力を制限することになります。

根本的な原因は、ジェンダーの不平等と固定観念

「ジェンダーに基づく暴力」の根本的な原因として、社会にもともとあるジェンダーの不平等や、「男の子と比べて女の子は価値が低い」などの思い込みが当たり前となっていること(社会規範)が挙げられます。

多くの国に根強く残る男性優位の考え方が、女性や女の子への暴力を生んでいます。「男の強さは腕力の強さ」と教える文化も多く、「家族やパートナーは男性の所有物だから暴力をふるってもいい」という考えが根付いている地域もあります。

「ジェンダーに基づく暴力」の撤廃を訴える女の子(ブルキナファソ)

「ジェンダーに基づく暴力」の撤廃を訴える女の子(ブルキナファソ)

暴力をなくすには、多角的な行動が必要

「ジェンダーに基づく暴力」をなくすためには、あらゆるレベルでの行動が求められます。

  • 「社会規範」に疑問をもつ
    まずはそれが暴力であることを認識したり、ジェンダーの役割を押し付けたりするのはおかしいと気づくことが大切です。
  • 暴力は犯罪であることを認識する
    国や自治体に対し、法律の整備・強化に向けた働きかけを行う必要があります
  • 加害者を告発しやすい環境をつくる
    地域全体の理解を醸成し、被害者が泣き寝入りしない社会を作らなければなりません。

中学生による「早すぎる結婚」の防止を訴える行進(ネパール)

中学生による「早すぎる結婚」の防止を訴える行進(ネパール)

たとえば、子どもたちが学校でジェンダー平等について学ぶことは、性別に関する思い込みをなくし、一人ひとりが大切な存在であることを理解する上でとても大切です。それがひいては世代間の対話を促進することにもつながります。

「ジェンダーに基づく暴力」をなくすために ラオスでの活動例

暴力をなくすために重要なのは「気づき」と「行動」です。プランは啓発活動を行いながら、「ジェンダーに基づく暴力」のない世界を目指して、各地域で活動を行っています。ラオスで実施したプロジェクトを一例としてご紹介します。

「学校でのジェンダー平等促進」プロジェクト~ラオス~(2019年)

ラオス北部、住民の80%が少数民族で、最も貧困率が高い地域のひとつで行ったプロジェクトです。

「ジェンダーに基づく暴力」が横行

男の子を優遇する風潮が根強いこの地域では、女の子の進学率は低く、早すぎる結婚や妊娠による中途退学も見られていました。教師のジェンダー平等に関する知識も不足し、学校でもからかいやセクハラなど「ジェンダーに基づく暴力」が横行していました。

教師、生徒、保護者への啓発活動、トレーニングを実施

教師、生徒、保護者への啓発活動、トレーニングを実施。子どもたちが変化の担い手となれるように子どもクラブを設立し、半数のクラブでは女の子がリーダーに。報告を受けた時の教師トレーニングや、暴力を報告する窓口設置なども行いました。

3年間のプロジェクト終了時には、参加者から以下のコメントが寄せられました

参加者のコメント

「以前はよく女の子の身体を触ったりしてました。子どもクラブの活動を通して自分が冗談だと思っていても、人によっては暴力ということが分かり、やめました」(男子生徒)

「女子生徒は『男子生徒の態度が変わった』と話しています。男子生徒は、セクハラ、とりわけ心理的なハラスメントと女の子の日常への影響について理解し、意識が変わりました」(先生)

「ジェンダーに基づく暴力」のない社会を目指して

すべての人には、安全に暮らす権利があります。「ジェンダーに基づく暴力」のない社会の実現には、まずはそれが暴力であると「気づき」、声をあげやすい環境づくりと支援を受けるための「行動」が重要です。
プランはこれからも、地域の人々や学校、行政と協力しながら、暴力に関する意識啓発や、「ジェンダーに基づく暴力」のない環境で安心して生活できる地域作りを進めていきます。

現在実施中のプロジェクト

現在、下記プロジェクトを実施しています。

司法と心のケアの両面からサポート
「暴力の被害にあった女の子を守る」プロジェクト

インドでは、レイプ、性的虐待、ドメスティック・バイオレンス(DV)などのジェンダーに基づく暴力が頻発しています。被害を受けた女の子たちは自身に非があったかのように不当な差別やさらなる暴力を受けたり、警察や病院でさえも人権を軽視した扱いを受けるなど、社会的に根深い問題となっています。なかでも性暴力に関する専門知識が不足しているため…

画像:「暴力の被害にあった女の子を守る」プロジェクト(インド)

現地の声

写真:子どもの保護専門アドバイザー トゥシャール・アンチャル

子どもの保護専門アドバイザー トゥシャール・アンチャル(インド)
「インドの女の子・若い女性たちは、あまりにも長い間、ジェンダーに基づいた暴力に直面してきました。弱い立場にある女の子・若い女性は、身体的・心理的暴力の被害に遭った場合にさらなる偏見や差別を受けます。自分の持つ権利についての十分な知識の不足、司法サービス利用の難しさ、警察への不信感、加害者への恐怖、地域に根付く伝統的価値観やタブーなどの要因が、被害者である彼女たちが守られ正義を手にすることを難しくさせています」

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGO。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発を進めてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。

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