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【経過報告】コロナ禍のインドで女の子たちに寄り添う~「暴力の被害にあった女の子を守る」プロジェクト~
インド
ガールズ・プロジェクト
(更新)
プラン・インターナショナルは、2020年7月から、インド西部のマハラシュートラ州ムンバイおよびナビ・ムンバイ地区で、「暴力の被害にあった女の子を守る」プロジェクトを実施しています。インドにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の爆発的な感染拡大の状況を受け、プロジェクトの期間を2023年12月まで延長しました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響下で
マハラシュートラ州は、新型コロナウイルス感染症が猛威をふるうインドの中でも特に感染者が多く、これまでに580万人以上の感染が確認されています。プランは2021年4月中旬以降、感染が再拡大したインドにおいて、社会的、経済的に弱い立場におかれている子どもたちとその家族の命と暮らしを守るための支援活動を強化しています(インドでの新型コロナウイルス対策緊急支援はこちら)。
マハラシュートラ州でも活動への制約が生じていますが、そのなかでも実施可能な取り組みを継続してきました。これまでの活動状況をご報告します。
プロジェクト対象地のムンバイ市、スラムの様子
暴力の被害を訴えられない女性たち
インドでは15歳以降に身体的暴力を受けた女性は30%に、性的暴力を受けた女性は6%にのぼることが報告されています。しかし、身体的または性的暴力を受けた女性のうち、助けを求めた人は14%に留まり、77%は被害にあったことを誰にも打ち明けていません※。被害を報告できない背景には、被害者が差別やさらなる暴力を受ける懸念があることに加えて、警察や病院、司法制度などが適切に機能していないといった問題があります。
多くの女性たちが声を上げることができない
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コロナ禍でも可能な限りの活動を継続
活動地域では、厳しい外出禁止令によりスタッフの移動や活動も制限され、暴力を受けた女の子のカウンセリングや法的支援をサポートする、被害者支援窓口の設置も困難な状況です。しかし、社会的に弱い立場に置かれている女の子たちは、危機的状況下ではジェンダーに基づく暴力の被害に遭うリスクがさらに高まります。そこで、プランはコロナ禍でも実施可能な活動を継続しています。
さまざまな関係機関との密な連携
プランは、対象2地区の女性子ども局、児童福祉委員会、現地NGO、警察、病院内に設置された暴力被害者支援のための「ワンストップセンター」などと個別の打合せを重ねてきました。打合せでは、「多くの機関で人材不足や対応能力不足から暴力の被害者へ十分な対応ができていないこと」、そして「被害者支援と地域での啓発を同時に行うプランとの連携に、大きな期待が寄せられていること」を確認しました。被害者支援窓口の事務所の開設にむけ、今後も連携をすすめていく予定です。
「子どもの保護委員会」へのトレーニング、学生向け啓発セッション
2021年3月には、女性子ども局とワンストップセンターとともに、各村で子どもの保護活動を行う「子どもの保護委員会」のトレーニングを実施。被害者が必要としている支援や地域で行う啓発活動などについて、話し合いを行いました。また、「ジェンダーに基づく暴力」防止のための学生向け教材を作り、5月から複数の高校で啓発セッションを開始しました。7月以降は、大学でも啓発セッションを開始する予定です。
子どもの保護委員会のトレーニングを実施するプラン職員
プランは引き続き、新型コロナウイルス感染症の状況を注視しつつ、関係機関向けのトレーニングや被害者支援事務所2カ所の設置など、活動を進めていきます。
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関連リンク
現地の声
ファティマ職員(中央)。女性警察官とともに
ファティマ・ダルジュ プロジェクト担当職員
「日本の皆さん、こんにちは。このプロジェクトで、関係者トレーニングの実施を担当しているファティマ・ダルジュです。私たちは、犯罪や暴力から女の子を守り、暴力をふるわない若者を育てること、また、傷を負って意見を言えなくなってしまった子どもたちの声を代弁することを目指して活動しています。
ここインドでは、ジェンダーに基づく暴力の問題は根深く、暴力的な事件は特に女の子たちの心に大きな傷を残しています。私たちは、暴力の被害にあった女の子たちの気持ちに寄り添い、心理的・社会的そして法的なサポートを継続して提供し、女の子たちの味方であり続けます。女の子たちが安心できる空間で、思いやりのある対応を受け、24時間いつでも相談ができるように、被害者支援窓口の設置を行います。また、コミュニティの啓発や支援関係者の能力強化を通して、子どもにやさしい社会づくりに貢献します。
私たちはこのプロジェクトを『サルタック』プロジェクトと名付けました。『サルタック』とは、ヒンディー語で『意味のある』という意味です。暴力の被害を受けた女の子たちが適切な支援を受け、自尊心をもって人生を再スタートすることができるように。プロジェクトの名のとおり、人生を『意味のある』ものにできるように。社会を変えていく一歩となるプロジェクトに関われることを光栄に思っています」