(2026年05月27日更新)
カンボジアの農村地域では、貧困のため朝食を取れない子どもたちが大勢います。空腹では授業に集中できず、中途退学につながることも少なくありません。こうした状況を改善するため、プラン・インターナショナルは「地域主導型の小学校給食」プロジェクトを実施しています。
2025年8月までに合計130校での活動が終了しました。今後の給食事業は、カンボジア政府(教育青少年スポーツ省)が行う「国家学校給食プログラム」へと移管されます。2026年8月の完了に向け、最後の47校でも自立運営への準備が進んでいます。ここでは、これまでの活動の進捗をご報告します。
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活動の最終年度がスタート
2025年10月1日、このプロジェクトにとって最後の1年が始まりました。2026年8月末の終業式をもってこのプロジェクトが完了することは、学校の教師、児童、保護者にも共有されています。
最後に残る47校では、プロジェクトからの食材支給がなくなった後も学校給食を継続できるよう、地元の供給業者の選定、業者との契約、食材発注管理の方法などを指導しています。
同時に、教育青少年スポーツ省の州職員に対しては、学校給食のモニタリングや予算管理を指導するためのトレーナー養成研修を継続しています。
学校給食の継続と自立に向けて
2025年12月中旬、シェムリアップ州を含む複数の州がカンボジア・タイ国境紛争の影響を受けました。国内避難民は50万世帯以上にのぼり、多くの人々が地方政府の設置した避難キャンプへ避難しました。シェムリアップ州では少なくとも33校が一時休校となり、当プロジェクトの対象校8校でも、2週間にわたり給食の提供を停止しました。プランのスタッフは通常業務を離れ、避難キャンプで支援物資の配布や男女別トイレ、浄水システム、手洗い場の設置に加え、心理社会的支援や仮設教室の運営を行いました。
そのような緊急事態のなかでも、47校での学校給食は順調に運営されています。2026年1~3月の記録では、47校すべてで給食の提供率は全登校日の99%を記録しました。給食を食べた児童は1日平均8,355人で、登校した児童の95%に当たります。これは、教師、倉庫係、調理係、食材供給業者が緊密に連携し、計画通り適切な量の食材を時間通りに届けられたこと、また調理係が不在の際には教師らが代わって調理に当たるなど、柔軟に対応できたことによるものです。
よく見られるメニューは、魚または豚肉入り野菜スープ、卵と野菜のチャーハン、豚肉や卵入りの野菜炒めなどで、パイナップルなどの果物が添えられることもありました。各校では、栄養価が高く、子どもたちに好まれるメニューを児童主導で決めて提供しています。支援終了後の自立に向けた準備も、着実に進んでいます。
水と衛生の環境整備・啓発イベントも継続
現在12校で、トイレのほか手洗い場や雨水貯水タンクなど給水・衛生関連設備の改修、設置が進んでいます。また、各校では衛生・水に関する啓発活動にも継続して取り組んできました。
世界手洗いデー
2025年10月15日の世界手洗いデーを記念して、12校でイベントを開催しました。半日のイベントには、子ども、保護者、教師、地方自治体関係者を含む1,745人(うち女性1,068人)が参加しました。
今年のテーマは、コミュニティと学校に焦点を当てた「手洗いのヒーローになろう!」。手洗いの習慣を維持し、根づかせることの大切さをあらためて共有しました。石けんを使った手洗いは、健康や栄養だけでなく、教育や生活環境にも影響を与えます。

学校敷地内に設置した手洗い場で手洗いの実践

児童代表による手洗いのデモンストレーション
参加者の声
全国衛生デー
今年の全国衛生デーに際し、プランは地区当局や学校長と連携し、学校でイベントを実施しました。児童、保護者、地域当局が共同で地域道路や学校周辺のごみを清掃し、家庭における衛生・公衆衛生に関する知識や良い実践例を共有する啓発活動を行いました。12の小学校で行われたこのイベントには、児童、保護者、教職員、地域当局者あわせて2,104人(うち女性1,195人)が参加しました。

衛生デーの様子。保護者も積極的に参加

参加者総出で街のごみ拾いを実施
参加者の声
世界水の日
毎年3月22日の「世界水の日」にあわせ、12校でイベントを開催しました。安全な水の重要性を伝えるとともに、地域や家庭での水資源の保護と持続可能な利用について意識喚起を行いました。
日々の水くみなどの負担を担うことの多い女性や女の子にとって、自宅の近くで安全な水や衛生設備が使える環境は重要です。また女性や女の子が男性や男の子と肩を並べて水管理の役割を果たしていけるよう、ジェンダー平等や女性・女の子の権利についても啓発しました。
参加者の声
ソクンさん(住民)
学校が「世界水の日」のイベントを主催する機会を得られたことを大変嬉しく思います。この日は、水の重要性や重要な事実、水とジェンダーに関する理解など、地域社会や同級生に向けて多くのメッセージが発信されました。この日を機に、私は節水に努め、きれいな水を大切に守り、責任を持って水を使うよう心がけていきます。
来年度からは、各校が州政府と連携し、児童や保護者を巻き込みながら、このような啓発イベントを自ら継続していくことが期待されます。
学校菜園の維持
今期は新たに6校で学校菜園を導入し、47校すべてで学校菜園の活動が積極的に行われています。プランは州教育・青少年・スポーツ局の学校給食担当者などに講師を依頼し、全47校の教師116人(うち女性74人)を対象に、野菜や作物の栽培技術に関する1日研修を実施しました。
この研修では、教師が園芸技術を学び、児童による学校菜園の整備を適切に指導できるようにするとともに、学校菜園で育てた新鮮な有機野菜を給食や調理実習に活用し、栄養価の高い食習慣の促進につなげることを目指しています。あわせて、活動メモや学習菜園の実施マニュアルを活用し、授業のカリキュラムと菜園を結びつけ、学習菜園を教師の教材や児童の学習空間として活用することも進めています。
日本からの「ギフト・オブ・ホープ」を通じたご支援でも作業用具の支給を受け、ますます充実した活動が継続しています。温かいご支援に心よりお礼を申し上げます。
- ※このプロジェクトは、国連世界食糧計画(WFP)などと共同で実施しています。
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