本文へ移動

女の子たちは、なぜ「わたカフェ」を訪れるのか~女の子のための居場所・相談プロジェクト~

(2026年05月14日更新)

近年、日本では、複数の困難が重なり合うなかで、深刻な悩みや孤立を抱える若年女性が増えています。一方で、支援を必要としていても、行政や相談窓口につながれず、一人で抱え込んでしまう女の子も少なくありません。

画像:「女の子のための居場所・相談」プロジェクト(日本)

プラン・インターナショナルは、日本の「女の子のための居場所・相談」プロジェクトを通じて、そうした「つながりにくい」女の子たちが安心して過ごせる居場所として、東京・池袋で「わたカフェ」を運営しています。今回は、最新の活動レポートとして、日本の若年女性を取り巻く現状をふまえながら、女の子たちはなぜ「わたカフェ」を訪れるのか、そして、プランが行う居場所型支援の特徴や意義についてお伝えします。

寄付手続きに進む 毎月の寄付 すでに選択しています。 画面下側の「あなたにできること」ボタンより手続きにお進みください。

今回の寄付(1回)はこちらから今回の寄付(1回)をすでに選択しています。
画面下側の「あなたにできること」ボタンより手続きにお進みください。

若年女性のメンタルヘルスの悪化と自殺の増加

近年、日本では若年女性が抱えるメンタルヘルスの問題が深刻化しています。東京大学らの研究によれば、18歳から34歳の女性のうち、重度の心理的苦痛を抱える人は7%にのぼり、その割合は年々増加しています。この背景には、経済的困窮、虐待、いじめ、性暴力など、複数の要因が複雑に絡み合っていることが指摘されています。

こうした状況と重なるように、若年女性の自殺件数も増加傾向にあります。厚生労働省の自殺統計によると、19歳以下および20代女性の自殺者数は、2019年以前と比較して倍近い水準にまで増えています。数字の背後には、声を上げることができなかった一人ひとりの苦しみがあります。

若年女性の自殺件数 厚生労働省自殺対策推進室発表の自殺統計の値を参考にグラフ化

厚生労働省自殺対策推進室発表の自殺統計の値を参考にグラフ化

困難を抱えている若年女性は、支援につながりにくい

困難な問題を抱える若年女性ほど、悩みを抱え込み、行政などの支援につながりにくいことも報告されています。その背景には、次のような要因があります。

世帯単位の判断により困窮が不可視化されること

親やパートナーと同居していると、世帯主の収入を基準に判断されるため、世帯としては貧困ではないと扱われがちです。その結果、家庭内での暴力や経済的搾取により本人が生活に困っていても、個人の困窮が把握されず、支援につながりにくい状況が生まれます。

親密な関係性のなかでの暴力被害

家庭内など、親密な関係のなかで起きる暴力は、家のなかの出来事であるがゆえに、外からは見えにくいものです。加えて、暴力を受けていても、相手への愛着や、ともに築いてきた生活や居場所があることで、その関係を壊して支援につながる決断をすることは容易ではありません。

性の商品化が、当面の生活手段になってしまう社会環境

性を商品化することで、当面の生活費や寝る場所を確保できてしまう社会環境があります。マッチングアプリやSNSを通じて、都市部に限らず全国どこからでも性の売買にアクセスできる状況があり、スマートフォンの普及により、低年齢層も含めてこうした環境にさらされやすくなっています。

自尊感情の低さによる、援助希求のむずかしさ

困難な状況にあることを、自分自身の行いが招いた結果だと捉え、自己責任として内面化してしまう傾向も指摘されています。そのため、支援を必要としていても、援助を求めること自体に罪悪感やためらいを覚え、支援につながりにくくなる場合があります。

こうした複数の要因が重なり合うことで、若年女性はさらに孤立しやすくなります。

延べ1万753人が利用 ―「わたカフェ」が果たしている役割

プランは、こうした「つながりにくい」若年女性に寄り添うため、2020年に東京・池袋で若年女性が安心して過ごせる居場所「わたカフェ」を開設しました。これまでに、延べ1万753人の女の子がこの場所を利用しています。

わたカフェの特徴

① 間口の広い居場所

イメージ:わたカフェ室内の一部。本棚や椅子、テーブルなどの休憩スペースがある。

「わたカフェ」は、15歳から24歳までの女性であれば、困窮しているかどうかにかかわらず、誰でも利用することができます。経験した困難を言葉にすることで、かえって苦しくなってしまう子や、「自分は支援されるに値しない」と感じている子にも開かれた場所です。支援を受けることを前提とせず、安心して過ごせる“居場所”であることが、より困難な状況にある女の子との最初の接点になっています。

② 女の子のニーズに沿った支援

イメージ:食料品や日用品などの物資のある棚を見ている女の子

無料でゆっくり過ごせる空間を用意し、食事や生活に必要な物資の提供を行っています。また、希望や状況に応じて、社会福祉士、心理士、助産師などの専門職につなぐことができ、生活や人間関係、心や身体の悩みについて相談することができます。一人ひとりの状況やペースを尊重しながら、必要な支援につなげています。

② 一人ひとりをジャッジしない、否定しない関わり

イメージ:休憩スペースで本を読む女の子

行動や選択だけを切り取って判断するのではなく、その背景にある事情や、これまでの経験に目を向けることを大切にしています。過去の被害や限られた選択肢のなかで生き抜いてきた姿をねぎらい、大人の価値観を押し付けることなく、女の子自身が言葉にできる思いや気持ちに耳を傾けています。

利用した女の子たちの声

わたカフェを利用した女の子たちからは、次のような声が寄せられています。

「スタッフに話すことで心が軽くなる」

「私にとって一番安心できる場所」

「学校では交流が少ないけれど、ここで友だちができてうれしい」

「生活応援品や軽食が助かる」

「また行きたいと思える安心できる居場所」

東京・下北沢に、新たな女の子のための居場所「ゆうカフェ」

2025年8月、東京・下北沢に新たな若年女性支援の拠点「ゆうカフェ」を開設しました。世田谷区の補助を受け、地域協創の家「COS下北沢」を拠点に運営しています。

ゆうカフェ:木目調でアットホームな空間

「ゆうカフェ」は開設から半年で、のべ671人が利用しました。食事をしたり、本を読んだり、気持ちを整理したりと、多様なニーズに応える場となっています。下北沢駅から徒歩5分というアクセスの良さもあり、気軽に立ち寄れる居場所として利用されています。「わたカフェ」と同じ理念を大切にしながら、より地域に根ざした支援として、若年女性を支える取り組みを広げています。

プランが運営するこれらの居場所は、女の子が否定されることなく、安心して立ち止まれる場所です。これからも、日本の女の子たちが孤立せず、自分らしく生きるための選択肢を広げられるよう、居場所支援を続けていきます。

寄付手続きに進む 毎月の寄付 すでに選択しています。 画面下側の「あなたにできること」ボタンより手続きにお進みください。

今回の寄付(1回)はこちらから今回の寄付(1回)をすでに選択しています。
画面下側の「あなたにできること」ボタンより手続きにお進みください。

活動レポートTOP

トップへ