- 国際NGOプラン・インターナショナル 寄付・募金で世界の女の子を支援
- 特集
- おしえて!プラン
- 【おしえて!プラン】私のチャイルドは何年生?~途上国の教育制度~
【おしえて!プラン】私のチャイルドは何年生?~途上国の教育制度~
( 更新)
「おしえて!プラン」は、プラン・インターナショナルの活動や報告に出てくる用語をわかりやすく説明するシリーズ記事です。
「チャイルド」とは、プラン・スポンサーシップでプランとともに活動し、地域を代表してその成果を伝えてくれる子どもたちのこと。今回はチャイルドの学校についてお伝えします。
Q.私のチャイルドは10歳ですが、何年生でしょうか?
A.国や個人の事情によって異なります。
チャイルドのプロフィールや「一年の歩み」には、チャイルドが学校に通っている場合「初等教育(中等教育)を受けています」と書かれています。
つい日本の学校制度に照らし合わせ「何年生だろう」と考えてしまいますが、プランの活動国ではさまざまな要因によって、学校に通うことが当たり前ではありません。一律にその年齢から学年を割り出すことは難しいので、まずは交流するチャイルドに、手紙で「何年生ですか?」とお聞きになってみてください。
チャイルドのプロフィールと「一年の歩み」
- ※「チャイルドについて」ページもご覧ください
国によって大きく違う教育制度
教育制度は国によって異なり、入学時の年齢や就学年数も多様です。途上国においても、小学校は多くの国で「義務教育」とされていますが、中学校は国によります。
- ※制度が変わる場合もありますので、本ページに掲載されている情報は目安としてお考えください。
主な年数例
- 初等教育6年+中等教育3年(タイ、エジプト、グアテマラなど)
- 初等教育5年+中等教育4年(ベトナム、コロンビアなど)
- 初等教育6年+中等教育4年(フィリピン、セネガル、トーゴなど)
地域別の傾向
地域 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|
アジア | 5または6歳からの5年間 | 3~4年間 |
アフリカ | 6または7歳からの6~8年間 | 2~5年間 |
中南米 | 5または7歳からの6~9年間 | 3~6年間 |
また、アフリカのほとんどの国では、義務教育が小学校のみです。その代わりに小学校が長く、ザンビアやタンザニアなどは7年、エチオピアやケニアは8年となっています。
各活動国の教育制度については、こちらをご覧ください。
「義務教育」でも学校に通っていない?
「義務教育」と決められていても、さまざまな理由から学校に通わなかったり、退学してしまうチャイルドも多くいます。
10代後半になっても小学校に通っている場合もあれば、一部の国で導入されている学年終わりの進級テストで不合格になり退学してしまうケースも。出生登録がされておらず卒業試験が受けられない、家庭の方針で通わせない、通学が困難になり退学してしまう…など、さまざまな事情のチャイルドがいます。
山岳地帯の小学校 ベトナム
グアテマラの学校事情の例
人口の約半数が先住民族で占められているグアテマラ。プランは、先住民族が多く暮らす地域で活動しています。
グアテマラでは小・中学校9年間が義務教育です。しかし、先住民の女の子が小学校を修了するのは約2割。原因は、地域に根付く伝統的な男性優位の考えです。大人たちは女の子が学校へ行く必要はないと考え、女の子たち自身も学校へ行くのは男の子だけだと思っています。
ジェンダー平等についてのメッセージが掲示された学校(グアテマラ)
これらの人々は一日2ドルで生活する最貧困層にあたり、女の子を学校に行かせてもいずれお金を稼ぐという見返りがなく、意味がないという考えが地域の慣習となってしまっています。
これはグアテマラに限った特殊な例ではありません。義務教育であっても周りの大人の考えや地域の慣習などから、教育を受けられない子どもたちがたくさんいるのです。
学校に通うことを難しくするさまざまな理由
途上国の子どもたちは、「教育を受ける」という当たり前の権利に対して、さまざまな困難を抱えています。
家族総出で行う農作業(ブルキナファソ)
教室不足による野外教室は天候に左右される(ジンバブエ)
園児たちが通園する急斜面(ベトナム)
プランの取り組み
プランは、すべての子どもたちが安心して教育を受けられるように活動しています。学校施設や制度を整えることはもちろん、啓発活動も同時に行います。本人と親だけでなく、地域の人々、教師、そして行政に対しても、教育を受けることの大切さを伝えています。
人々の意識を変える、プランの活動
今すぐ学校に通うことが難しくても、非公式教育や自立のための職業訓練など、一人ひとりの状況にあわせて、何らかの形で学び続け、未来につながる支援を目指しています。
- *インクルーシブ教育:障がいの有無などによる分け隔てなく学べる教育
学校給食やトイレの整備で就学率アップ!?
プランの活動国では、就学率が低いだけでなく、子どもたちの栄養不足や衛生環境の不備などが共通して見られます。
学校給食の支給
子どもの栄養不足が大きな問題となっている国では、学校給食を支給することが、健やかな成長と学習意欲につながります。「給食があるから学校へ行く」という子どもの声も聞かれました。
男女別のトイレを整備
衛生的な男女別のトイレを整備することによって、トイレでの性暴力を防いだり、月経期間中は学校を休むことを余儀なくされていた女の子たちが安心して使えるようになり、就学率がアップしました。
完成した男女別トイレ(ガーナ)
見守るスポンサーの声が大きな励みに
チャイルドが学校に通っていないという連絡を受けると、プランは復学できる方法を一緒に検討します。一人ひとりの事情を深く理解し、子どもたちを後押しすることができるのが、プラン・スポンサーシップという支援方法です。
スポンサーの皆さまも、ぜひ手紙を通じて、励ましの言葉や通学を促すメッセージを送ってください。チャイルドにとって、スポンサーからの手紙で遠い国の様子を知ることは、大きな刺激になります。 「手紙を自分で書けるようになりたい」と思うことが学習への励みにもなり、自信を持ち人生を変えていくきっかけにもなるのです。
スポンサーへの手紙を書くチャイルド
教室で学ぶ子どもたち(ラオス)
スポンサーからの手紙を読むチャイルド(ブルキナファソ)
国際NGOプラン・インターナショナルについて
プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。
SNSでも情報発信を行っています。
お気軽にフォローしてください
関連リンク
あなたの寄付で、誰かの人生に可能性が生まれる。
公式SNS
世界の子どもたちの今を発信中
貧困
途上国の貧困家庭では農業に従事する親が多く、気候変動により収入が低下すれば児童労働に出されることも。親が亡くなって働きに出なければならないケースもあります。