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【第3報】絶望のなかの希望…武装集団から逃げ延びた子どもたちの声~ハイチ危機緊急支援~

(2025年04月22日更新)

ハイチ緊急支援

寄付の募集を締め切りました。ご支援いただきありがとうございました。

容赦ない暴力や教育崩壊によって、ハイチの子どもたちは未来への希望を失いつつあります。武装集団に脅かされる日常のなかで、目の前で家族や友人を亡くすという過酷な体験を強いられる子どもたちも少なくありません。3人の子どもたちが語る生々しい証言から、今この瞬間に起きている深刻な現状と、なぜ迅速な支援が必要なのかをお伝えします。

“過去を思い出し、突然泣き出すこともあります”

写真:寝泊まりするテントの前に立つイザベルさん

寝泊まりするテントの前に立つイザベルさん

武装集団による銃撃で、友人が殺害された日のことを15歳のイザベルさん(仮名)は忘れることができません。その日の夜遅くに武装集団が住宅への侵攻を始めたため、イザベルさん一家は荷物をカバンに詰める間もなく、急いで家から逃げ出しました。避難先を転々とした後にたどり着いた避難所の生活は、「ただ生きているだけ」と疲れたように話します。

写真:たくさんの人が過密状態で生活する避難所

たくさんの人が過密状態で生活する避難所

母に食べ物をもらったら、側溝沿いにある家族のテントで食べます。テーブルで食事をした日々を、学校に通っていた日々を思い出しては、悲しくなります。雨が降ると、地面が渇くまで寝ることができません。雨が2時間降れば、その間ずっと立ち続けて雨がやむのを待ちます。同じ避難所で暮らす友だちとジョークを言い合って笑うこともありますが、過去を思い出し、突然泣き出すこともあります。

学費が払えないので、兄と私は学校に通うことができません。プランが子どもたちのためのアクティビティや勉強会を行っているので、そこに参加しています。でも、いつか学校に戻りたいです。看護師になるのが夢で、そのためには学校に通う必要があるからです。私のもう一つの願いは、母の生活が少しでも楽になることです。

“武装集団に入った友人もいます”

写真:学校に通いたいと語るジュニアさん

学校に通いたいと語るジュニアさん

「生活が苦しいために、武装集団を頼る人もいます。僕の友人にも、武装集団に入った人がいますが、僕はそうしないと決めています。そんな自分を誇りに思っています」

16歳のジュニアさん(仮名)は力強い目線で語ります。かつて学級委員長だったジュニアさんは、学校から帰宅途中に、武装集団による襲撃を受けました。友人の一人が銃弾に倒れ、病院に運ばれましたが、助かりませんでした。学校が閉鎖され、武装集団が住宅への攻撃を激化したため、避難するしかありませんでした。

寝る場所もなく、雨に濡れながら、1カ月間、路上で過ごしました。今でも寝る場所の確保は大変ですが、一番困るのは食べ物がないことです。1日中何も食べられないことも少なくありません。水はきれいではありませんが、仕方がないので、とにかく飲んでいます。トイレはいつも長蛇の列で、深夜1時2時でもいつも人が並んでいます。

一番の望みは、学校に通うことです。学校にさえ通うことができれば、いずれ良い人生を送ることができると思います。学校に行かなければ、何者にもなれません。

ジュニアさんは今、プランが運営している「子どもひろば(Child friendly space)」に通っています。

“毎晩のように母の夢を見ます”

写真:サンドラさんが暮らす避難所

サンドラさんが暮らす避難所

13歳のサンドラさん(仮名)は、避難所での生活を「落ち着かない。全然幸せじゃない。毎日目が覚めると泣きたくなる」と言います。生まれたときからずっと苦労してきたのは、「運が悪いのかな?」と自問自答していると言います。家から避難した時の様子を、次のように振り返りました。

母と2人で走って武装集団から逃げていたとき、母が足を撃たれました。母は、「先に走りなさい」と言いましたが、私は拒みました。母にしがみつくと、母はまた「行きなさい」と言いました。けれど、私は行きたくありませんでした。母の隣に座って泣いていました。その時、父が来て私を抱き上げて「行こう」と言いました。私は「母を倒れたままにしておくことはできない」と言いましたが、母は泣きながら「行きなさい」と言いました。父は結局私を連れて行き、それ以来、母には会えていません。生きているのかも分かりません。

写真:いつも孤独を感じているというサンドラさん

いつも孤独を感じているというサンドラさん

いつも母親のことばかり考えて、毎晩のように母の夢を見ています。避難所では新しい友人ができましたが、お互いに心の内を明かすことはありません。
ある時、友だちに「お母さんはどこにいるの?と尋ねたら、ひどくショックを受けて泣き出し、私に殴りかかってきました。それ以来、質問することはやめました。お母さんが亡くなったか、とてもひどいことが起きたのだろうとすぐに分かったからです。

写真:プランが運営する子どもひろばで遊ぶ子どもたち

プランが運営する子どもひろばで遊ぶ子どもたち

プランから現金給付や尊厳キットを受け取り、子どもひろばに通うサンドラさんは、「プランの活動に参加するのは楽しいです」と言います。「子どもひろばでは、ダンスを教わったり、色々な遊びをします。頭に嫌なことが思い浮かんだときも、スタッフがそばにいて、話を聞いてくれます。ここでなら、自分が話したいことを話すことができます」

数字で見るハイチ危機

  • ハイチでは暴力の激化により、55万人の子どもを含む100万人以上※1が避難を余儀なくされています
  • ハイチには現在119の避難所※2があります。学校、教会、廃墟など多くの避難所では衛生設備や警備体制が不十分で、ジェンダーに基づく暴力の危険性も高まっています
  • 330万人の子ども※1が人道支援を必要としています。子どもの死傷者数は、2023年以降68%増加し、2024年には184人が死亡、105人が負傷しました※3
  • ジェンダーに基づく暴力は急増しており、2024年には6,400件以上の事件※4が報告されました

出典:

プランは3カ所の子どもひろばを設置し、子どもたちに心理社会的支援、レクリエーション活動、教育機会を提供する安全な居場所を提供しています。また、最も脆弱な立場にある子どもたちが必要な支援を受けられるよう、個別支援を行っています。ジェンダーに基づく暴力の被害者への支援では、現金給付や衛生キット、尊厳キットの配布も行っています。絶望的な状況のなかで私たちにできることは限られていますが、困難な状況に置かれた子どもたちが少しでも希望を感じられるよう、引き続き支援を行っていきます。

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