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アフリカの医療問題とは?現状の課題と、いま私たちにできること

(2025年11月26日更新)

この記事では、アフリカの医療問題について解説します。私たちが当たり前のように享受している予防接種(ワクチン)などの医療保健サービスを受けられず、生命のリスクにさらされている人々がいます。
現地の医療における課題や問題が長引く背景も説明し、アフリカの医療を支えるために私たちにも協力できること紹介します。

いまアフリカで起きている医療の課題

アフリカの医療環境は、今どのような状況にあるのでしょうか。まずは、現地の医療が抱える課題を見ていきましょう。

感染症や栄養不良による子どもの健康問題

WHOが公表するデータによると、2020年における世界全体の乳幼児死亡率(5歳未満児死亡率)は出生1,000人あたり37人です。なかでも乳幼児死亡率がもっとも高い地域はサハラ以南アフリカで、出生1,000人あたり74人の子どもが亡くなっています。主な原因は、早産合併症・出生時仮死・肺炎・下痢・マラリアなどで、適切な保健医療サービスさえあれば予防や治療ができるケースが少なくありません。

写真:赤ちゃんの栄養状態を確認する様子(エチオピア)

赤ちゃんの栄養状態を確認する様子(エチオピア)

安全な出産が難しい女性の現状

保健医療サービスへのアクセスが十分に確保されていないアフリカでは、多くの妊婦が出産する際に助産師などの医療従事者による介助を受けられないのが現状です。安全に出産できる環境が整っていないために、女性たちの生命がリスクにさらされています。また、安全な出産環境の整備に限らず、若い女の子の妊娠、出産直後の妊娠、望まない妊娠といった女性の健康に関わる多くの問題が存在します。

写真:16歳で児童婚を強いられ若年出産をした女性(ジンバブエ)

16歳で児童婚を強いられ若年出産をした女性(ジンバブエ)

医療施設・医薬品・医師の不足

アフリカには、保健医療サービスを提供するための基盤が適切に整備されていない地域が依然として多く残されています。地域に医療施設・医薬品・医師が不足していることから、住民たちは十分な保健医療サービスを受けられません。仮に「病院」と呼ばれる施設があったとしても、医療従事者の人手が足りなかったり、電気を利用できなかったり、必要最低限の医療機器すら揃っていなかったりする可能性があります。

写真:イメージ:アフリカでの医療受診の様子

イメージ:アフリカでの医療受診の様子

都市と農村・国ごとの医療格差

同じアフリカのなかでも、都市部と農村、あるいは国ごとに医療格差が生じています。たとえば、2019年にBioMed Central(BMC)に掲載された、ナイジェリアにおける妊産婦死亡率の研究データでは、ナイジェリア国内の北部・南部の妊産婦死亡率に差異があることが明らかになっています。経済発展が進むナイジェリア南部地域と比べて、北部地域は保健医療サービスにアクセスしにくい状況です。こうした背景から、北部地域の妊産婦死亡率は、南部地域よりも高い水準にあります。また、北部・南部のいずれの地域においても、富裕度が妊産婦死亡率と有意に関連しており、個人の経済的な豊かさによって医療格差が生じています。

写真:コミュニティの保健所を訪れた親子(ナイジェリア)

コミュニティの保健所を訪れた親子(ナイジェリア)

なぜアフリカでは医療問題が長く続いているのか

なぜアフリカの医療問題は依然として解決されずに、長引いてしまっているのでしょうか。ここでは、現地の社会的な背景をご紹介します。

生活に余裕がなく、医療が後まわしになっているから

アフリカには医療問題のみに留まらず、貧困・紛争・難民・感染症など複数の深刻な課題が存在します。そもそも、人々が生きていくために基本的に必要とする水や食料、住まいのような必要最低限の基盤すら不足している状況です。生活水準が著しく低いために、保健医療サービスの確保が後まわしにならざるを得ません。そのため、医療体制の構築や医療従事者の派遣といった形での支援が必要です。

イメージ:診療中の様子

政治の混乱や紛争で医療体制が整わないから

アフリカには政治的に不安定な地域や、頻繁に紛争が発生している地域が数多くあります。近年も、ブルキナファソでは2022年に2度ものクーデターが発生し、コンゴ民主共和国では政府軍・反政府勢力の衝突が何度も起こりました。こうした社会情勢の影響で、医療体制の整備が困難を極めています。紛争から逃れてきた人々が安全に滞在したり、患者が医療保健サービスを受けたりするためにも、難民キャンプへの人道支援が求められます。

写真:国内避難民キャンプで遊ぶ子どもたち(マリ)

国内避難民キャンプで遊ぶ子どもたち(マリ)

慢性的に資源が不足しているから

アフリカでは、人々の生活インフラの整備が遅れており、なかでも物資の輸送手段となる道路の構築や維持管理が大幅に遅延しています。水や食料といった生活に必要な資源はもちろん、保健医療サービスを提供するための医薬品などの医療資源を届けることが困難です。保健医療サービスを普及させるためにも、まずは資源を届けるためのインフラ整備を支援して、社会の基盤を整える必要があります。

写真:プラン・インターナショナルによる保健所への備品支給(ナイジェリア)

プラン・インターナショナルによる保健所への備品支給(ナイジェリア)

教育・啓発が遅れているから

医師・看護師・薬剤師・助産師をはじめとした医療従事者の人数を増やすためには、高度な教育を受けられる環境がなくてはなりません。ところが、アフリカの国々では初等・中等教育の修了率が低く、高等教育を受けること自体が難しいという背景があります。教育・啓発の遅れの対策として、現地の子どもたちへの就学支援や、地域の医療従事者のスキル向上を目的とした人材育成支援などが求められます。

アフリカの医療を支えるために私たちができること

さまざまな困難に直面するアフリカの医療を支えていくために、先進国で暮らす私たちにも協力できることがあります。アフリカの医療事情が少しでも改善するように、今からできることを始めてみませんか。

ここでは、身近にある支援方法をご紹介します。

アフリカの医療の現状を知る

まずはアフリカ諸国の医療事情について積極的に知ろうとすることが、支援の始まりとなります。世界には、アフリカの医療の現状を理解して、少しでも世の中をよくするために行動した人たちがたくさんいます。依然として解決に至っていない課題に対応するには、一人ひとりの意識を変えて支援を広げていくことが大切です。

信頼できる支援団体や活動について調べる

アフリカの医療問題に対して具体的なアクションを起こしているNPO/NGOなどの支援団体について調べてみましょう。支援団体は、アフリカをはじめとした開発途上国で活動し、現地の医療・衛生環境の改善へ向けて取り組んでいます。各団体の活動内容をチェックして、「問題意識に共感できる」「自分も応援したい」と思えるプロジェクトを探してみてはいかがでしょうか。

写真:子どもたちに抗マラリア薬を処方するプラン・インターナショナルのスタッフ(ギニア)

子どもたちに抗マラリア薬を処方するプラン・インターナショナルのスタッフ(ギニア)

寄付や発信など自分にできる方法で関わる

アフリカの医療問題のために、個人の力でできることを探して、自分なりにアクションを起こしてみましょう。たとえば、支援団体に募金をして一緒に活動に参加するという方法があります。また、支援をさらに広げるために、アフリカの医療問題について情報発信を行って、身近に共感してくれる人がいないか探してみることもおすすめします。

アフリカの医療問題に寄付で貢献しよう

日本とアフリカは約1万キロメートル以上も離れていますが、日本はこれまでにアフリカへの積極的な支援を行ってきました。その一方で、日本が東日本大震災で被災したときは、アフリカからも温かい支援が届いたことをご存じでしょうか。アフリカの人々が健康で安全に暮らすために、今から自分にできることを探してみましょう。

国際NGOプラン・インターナショナルは、アフリカをはじめとした世界の女の子や子どもたちが直面する課題を解決するための活動を行っています。この記事を読んで「アフリカの医療事情を変えるために自分もアクションを起こしたい!」と感じたあなたは、ぜひ私たちと一緒に社会貢献をしてみませんか?

イメージ:アフリカの子どもたちとその家族

国際NGOプラン・インターナショナルでは、寄付を通じて医療や教育などの支援が可能です。
また「プラン・スポンサーシップ」では、活動地域の子どもと手紙を通じて交流し、その成長を見守ることもできます。

活動の詳細や、各寄付プログラムについては以下のページをご覧ください。

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運営団体

国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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