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アフリカの難民の人々の現状は?問題からわかる必要とされる支援

(2023年07月07日更新)

世界では、紛争や迫害などさまざまな脅威から自分の命を守るために故郷を追われ、国内外へ避難せざるを得ない人々が大勢います。残念なことにその数は増えており、2022年末の時点で1億840万人を超えています。この記事では、難民・国内避難民が増え続けているアフリカの国々の現状やその背景、必要とされている支援について、解説します。

写真:トラックで国外へ避難する難民たち(スーダン)

トラックで国外へ避難する難民たち(スーダン)

アフリカで難民が生まれ続ける原因

なぜアフリカでは長年にわたり、多くの難民が生まれ続けているのでしょうか。

アフリカには50カ国以上の国々があり、多様な民族で構成された14億人もの人々が暮らしています。異なる民族、宗教間の対立、石油や金など天然資源をめぐる争いも、難民が増加する原因の一つです。

これには、アフリカがヨーロッパの国々の植民地だったという歴史的な背景も関係しています。第二次世界大戦以降は脱植民地化が進み、各国が独立したものの、政治や経済的に不安定な状況が続きました。国のリーダーや法律、土地など利権をめぐる問題から紛争に発展した例も多くあります。例えば中央アフリカ共和国では、政府と反政府武装勢力との内戦により、多くの難民、国内避難民が生まれました。

写真:ティグレ紛争によりシェルターに逃れた国内避難民たち(エチオピア)

ティグレ紛争によりシェルターに逃れた国内避難民たち(エチオピア)

それ以外には、生活苦や食料不足が原因で住んでいた土地を離れ、難民となるケースもあります。気候変動による干ばつや洪水、長期間続く紛争などによって農作物を十分に作ることができなくなると生計を維持することができません。食料を買う現金もないため、人々は生き延びるために住み慣れた土地を離れざるを得なくなってしまいます。

<ケース1>コンゴ民主共和国

原因:民族の対立や豊富な天然資源を巡る武装勢力の争い
避難先:隣国ウガンダやルワンダ、ブルンジなど
難民の数:約84万人

1996年の第一次コンゴ戦争から紛争が続いており、2003年に終結したものの、今も不安定な情勢が続いています。多くの武装集団が国内に留まったため、性被害や略奪、襲撃などが起きています。

<ケース2>スーダン共和国

原因 民主化へ向けた動きの中で独立系軍事組織とスーダン軍の間での勢力争い、権力闘争
避難先 隣国チャドやエジプト、南スーダンなど
難民の数 114万人※1(2022年3月末時点)

2023年4月に首都ハルツームでの両軍の間で激しい戦闘が勃発しました。その直後から隣国チャドをはじめエジブトや南スーダンなどの近隣国へ逃れる人々が増加。その大半は女性と子どもたちです※2

  1. ※1スーダンにおける難民・庇護希望者の分布と国内避難民の概要 国連UNHCR協会
  2. ※2スーダンの戦闘によりチャドへの避難が始まる|国連UNHCR協会

アフリカの難民を待ち受ける避難生活の現状

度重なる紛争や生活苦によって住みなれた土地を離れ、人々は近隣の国や難民キャンプへと向かいます。その道のりは過酷で、心身ともに疲弊し、やっと辿りついた避難先でも、厳しい生活が待ち受けています。

避難先となる国々では、押し寄せてくる多くの人々を受け入れなければなりません。しかし、アフリカではそういった受け入れ国自体が、経済的に苦境にあります。国際機関や援助団体は受け入れ国に対し資金面だけでなく、物資の提供や人的支援を行っているため、難民の数に見合った十分な支援を行うことができません

写真:清潔な水を求めて並ぶ国内避難民たち(ソマリア)

清潔な水を求めて並ぶ国内避難民たち(ソマリア)

清潔な水と食料の不足

難民は、常に清潔な水や食料の不足と隣り合わせの生活を送っています。これは、難民が増加していることや気候変動による干ばつや洪水による慢性的な食料危機などが原因です。また、困窮して日々の食事もままならない人々が多く、栄養不良や飢餓のリスクが高まっています。特に5歳未満の乳幼児に至っては、その死亡原因の45%が栄養不足によるものとされています。

整わない衛生環境

長く続く避難生活において、清潔な水の不足が深刻です。多くの難民を受け入れるシェルターや難民キャンプなどでは、非常に密集した状態で生活せざるを得ず、トイレなどの衛生施設の不足から、感染症や病気にかかるリスクが高い状態が続いています。

子どもや女性への暴力

難民キャンプでは、多くの人々が衣食住に困り、心身も疲弊した過酷な状況にあることから、人々はストレスを抱えて過ごすことになります。そのはけ口として、子どもや女性への暴力が発生しやすい傾向にあります。多くの途上国において、男性優位の価値観が根強く残っていることもその背景にあります。安全の確保も難しく、人身取引や児童労働、性的搾取といった問題も深刻で、子どもや女の子、女性たちは多くのリスクに直面します。

また、避難先において子どもたちが通う学校もなく、教育を受けられない状況が続けば、将来に備えて現状を改善する力を手に入れることすらできません。

支援の手が届きづらい「国内避難民」

国内避難民とは、国境を越えずに自国内にとどまり、避難生活を余儀なくされた人々のことをいいます。難民キャンプ以外の場所で避難生活を送ることも多いため、人道支援を十分に受けていないケースがあり、より不安定な生活を強いられます。特に子どもたちは、教育の機会が奪われるだけでなく、性暴力や人身取引など多くのリスクにさらされます。

  • 【出典】国内避難民|国連人道問題調整事務所

アフリカの難民に必要とされている支援

それでは多くの困難に直面する難民の人々を救うには、どのような支援が必要とされているのでしょうか。

食料支援

まず必要なのは、人々が生きるうえで必要な食料の支援です。食料の不安が少なくなり、生命の危機を乗り越えれば、仕事を探したり、教育を受けたりといった他の活動をする体力が確保できる状態になります。

写真:食料キットを受け取る女性(ニジェール)

食料キットを受け取る女性(ニジェール)

医療と衛生の支援

多くの人々が狭い場所で生活する難民キャンプでは、不衛生な環境と栄養不良により、感染症などの病気にかかりやすい状況にあります。特に小さな子どもや妊婦などがその影響を受けやすくなります。清潔な水やトイレなどの衛生管理が整っていれば、病気のリスクを抑えることができるからです。

写真:難民キャンプに貯水タンクを設置(スーダン)

難民キャンプに貯水タンクを設置(スーダン)

子どもの教育とジェンダーに関わる支援

多くの子どもや女性たちが教育を受けることができていません。避難する前から十分な教育を受けていないことも多く、読み書き、計算といった基礎学力を身につけていないため、職を得て生計を立てることも難しくなります。教育の場を提供することは、スキルの習得を促すだけでなく、将来にも目を向け、自分自身を自らの力で守ることにつながると考えられています。

写真:難民キャンプの子どもひろばで遊ぶ子どもたち(エチオピア)

難民キャンプの子どもひろばで遊ぶ子どもたち(エチオピア)

困難から立ちあがり、未来に繋げるために

過酷な経験をし、多くを失って見知らぬ土地へ逃れた難民の人々には、安全が確保された、安心できる暮らしがとても重要になります。そのためには難民キャンプ内においてもそれまでの生活同様、人々は支援を受けるだけではなく、それぞれに何か「すること」があれば、精神的な支えとなり、自立への道筋が少しずつ見えてくることになるでしょう。

学校教育や職業訓練を受けて役立つスキルを学ぶことは、将来の自立へ向けた活動になります。難民キャンプ内では、サンダルや石けんなどの日用品やケーキやパンなどを作る研修を受けて販売したり、ボランティアの教師やリーダーとして活躍したり、困難な状況にありながらも多くの人々が前向きに立ちあがろうとしています

写真:マリから避難した若者。起業トレーニングでバイクの修理技術を身につけた(ブルキナファソ)

マリから避難した若者。起業トレーニングでバイクの修理技術を身につけた(ブルキナファソ)

住んでいた場所への帰還や自立には時間がかかります。
プランでは皆さまからのご寄付により、これからも難民となった人々が直面する問題に取り組み、未来へつながる長期的で幅広い支援活動を行っていきます

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