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世界の貧困率を知る|各国の貧困の現状とわたしたちにできること

(2023年08月22日更新)

貧困の撲滅は、2030年までに達成すべきSDGs(持続可能な開発目標)の目標1にも掲げられている、世界が取り組むべき重要な問題です。貧困に苦しんでいる人々が多い国や地域について知り、国際社会の一員として私たちにできることは何かを考えていきましょう。

写真:国内避難民キャンプに暮らす女の子(ソマリア)

国内避難民キャンプに暮らす女の子(ソマリア)

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世界の貧困率を知るための基礎知識|貧困の定義と種類

1990年に36%あった世界の貧困率(人口に占める貧困層の割合)は、2015年には10%へと減少しました。しかし2020年、新型コロナウイルス感染症の影響で、「極度の貧困」に陥った人たちの割合がこの数十年で初めて増加に転じたといわれています。はじめに、世界の貧困問題や貧困率を知るための基礎知識として、貧困の定義と種類について説明します。

世界の貧困の定義

貧困にはさまざまな定義がありますが、国際的には、世界銀行が定める国際貧困ラインを下回る暮らしを送っている状態が、「極度の貧困」と定義されます。「極度の貧困」とは、最低限の栄養、衣類、住まいのニーズが満たされていない状態を指します。

写真:わずかな食料を家族で分け合う(ブルキナファソ)

わずかな食料を家族で分け合う(ブルキナファソ)

国際貧困ライン(International Poverty Line)とは

世界銀行によって定められた貧困を定義するためのボーダーラインで、購買力平価(PPP)に基づいて算出されます。購買力平価とは「ある国である価格で買える商品やサービスが他の国ならいくらで買えるかを示す換算レート」を指します。最初の国際貧困ラインは「1日1ドル(米ドル)」でしたが、2005年には「1日1.25ドル」に、2015年には「1日1.9ドル」に、そして2022年には「1日2.15ドル」へと変更されました。

貧困の種類

絶対的貧困

JICA(国際協力機構)によると「最低限必要とされる食糧と食糧以外のものが購入できるだけの所得または支出水準(=貧困ライン)に達していない状態」を絶対的貧困といいます。
たとえば、「住む家がない」、「食べ物がない」、「子どもの体重が平均を下回っている」といった状態は、絶対的貧困にあたります。

写真:子どもの上腕周囲を測って栄養状態を確認(ニジェール)

子どもの上腕周囲を測って栄養状態を確認(ニジェール)

相対的貧困

その国の水準で比較した際に、大多数よりも貧しい状態※1を相対的貧困といいます。先進国を中心に増えており「隠れた貧困」とも呼ばれます。所得中央値の一定基準(貧困ライン)を下回る等価可処分所得しか得ていない人の割合を、相対的貧困率といいます。

OECD(経済協力開発機構)※2による加盟38カ国の相対的貧困率ランキングによると、最も貧困率が高い国は中米のコスタリカ(20.3%)で、ルーマニアとイスラエルがそれに続きます。日本は7位(15.7%)で、G7(主要7カ国)のなかでは最も貧困率が高い結果となっています。

貧困率

日本における相対的貧困

貧困は途上国だけの問題ではありません。日本の場合、特に女性の高齢者世帯・ひとり親世帯で、相対的貧困率が高い傾向にあります。相対的貧困が生活に与える影響の例としては、次のようなことが挙げられます。

  • 子どもが習い事や塾に通えない
  • 希望する進路をあきらめざるを得ない
  • 冠婚葬祭に参加できない
  • 洗濯機やエアコンなど生活必需品が買えない
  1. ※1「第3章 貧困指標」(JICA)
  2. ※2Poverty rate(OECD)

世界の貧困率や貧困率の高い国は?

世界のなかでも貧困率が高いのは、どの国や地域なのでしょうか。ここでは2015年と2022年の状況について、データを基に説明します。

2015年における貧困率の高い国【上位5カ国】

世界銀行によると、2015年の世界の貧困率は10%で、1990年の36%と比べて大幅に減少しました。一方で、世界の貧困層の約半数が下表の5カ国に集中していました(国際貧困ライン=1日1.9ドルで計算されたものです)。

【国別】貧困層の割合

順位 国名 割合
1位 インド 23.88%
2位 ナイジェリア 11.76%
3位 コンゴ民主共和国 7.49%
4位 エチオピア 3.67%
5位 バングラデシュ 3.32%
1位 インド
23.88%
2位 ナイジェリア
11.76%
3位 コンゴ民主共和国
7.49%
4位 エチオピア
3.67%
5位 バングラデシュ
3.32%

2022年の貧困率は?

世界銀行は、2022年末までに極度の貧困状態に陥る人口を6億8500万人と試算しています。世界人口を約80億人とした場合の貧困率は、およそ8.51%であると想定されます。
コロナ禍やウクライナ紛争の影響による世界的な物価上昇が、特に低・中所得国に大きな打撃を与えています。2023年以降も、衣食住が十分に確保できない貧困層がさらに増える可能性があり、各国の貧困率の上昇や、国家間での格差拡大が懸念されています。

世界の貧困率の高い国の現状は?

貧困率が高い国や地域では、どのようなことが起こっているのでしょうか。ここではアフリカとアジアに目をむけ、国や地域の現状を見ていきましょう。

アフリカの貧困の現状

アフリカでは、紛争の激化により避難を強いられた人々が生活困窮に陥り、貧困から抜け出せない状況が多く発生しています。
たとえば中央アフリカ共和国では、2013年12月に武装グループによる紛争が拡大して以降、数十万人が国内外への避難を強いられています。2020年12月27日の総選挙前後からさらに治安が悪化し、74万人以上が難民・庇護希望者として周辺国のカメルーン、チャド、コンゴ民主共和国等へ逃れることを余儀なくされました。さらに48万人以上が国内避難民となり帰る場所を失っています。難民、避難民の多くは衛生環境の悪いシェルターなどで生活しており、感染症や伝染病にかかる可能性も高まっていることから、早期の水と衛生・保健対策が必要な状態にあります。さらに、現金収入を得る手段も限られているため、十分な量の食料を入手できず、栄養不良に陥る子どもたちが増えています。

写真:カメルーンに逃れた人々のための難民キャンプ(2014年当時)

カメルーンに逃れた人々のための難民キャンプ(2014年当時)

  • 出典:「中央アフリカ共和国 世界で最も貧しい国の難民危機」(国連UNHCR協会)

アジアの貧困の現状

経済成長が著しいアジアでは、多くの国々で貧困率そのものには改善が見られているものの、国家間の格差や国内の格差が大きいことが特徴的です。


インドの例を紹介します。UNDP(国連開発計画)の報告によると、かつて人口の3割近くを極度の貧困層が占めていたインドでは、2021年までの15年間に、4億1500万人が極度の貧困を脱した※1とされています。一方で、急激な人口増加に対して道路や鉄道、電力、水道などのインフラ整備が追いついておらず、栄養、保健、ジェンダーなどの社会開発面でも多くの課題に直面しているという側面もあります※2。また、古くから存在してきた「カースト制度」に基づく差別や、都市部と農村部の地域格差も、インドの貧困問題の原因となっています※3

写真:スラム街で水汲みをする女の子(インド)

スラム街で水汲みをする女の子(インド)

懸念される子どもの貧困

世界の子どもの貧困の現状に関してUNDPは統計学的に有意な低下が見られていないことに触れ、就学率の低さや低栄養などの形で表面化している子どもの貧困は、今後も引き続き喫緊の課題※1であると指摘しています。UNICEF(ユニセフ)とWorld Bank(世界銀行)は2020年に発表した報告書のなかで、推定6人に1人、世界で3億5600万人の子どもたちが、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前の段階から極度の貧困状態にあり、今後もこの状況は悪化していくだろう※4と警鐘を鳴らしています。

  1. ※115年間で25か国の多次元貧困指数が半減 但し、11億人が依然として貧困状態に(UNDP)
  2. ※2「インド|海外での取り組み」(JICA)
  3. ※3「インド」(外務省)
  4. ※41 in 6 children lives in extreme poverty, World Bank-UNICEF analysis shows(UNICEF)

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貧困の要因

人々が貧困に陥る背景にはさまざまな要因や事情があります。ここでは「紛争」と「災害」がどのように貧困をもたらすのかを解説します。

紛争

紛争により家や仕事を失って難民や国内避難民となる人々が増えています。避難先で働くことができない場合、現金収入を得られず、食事をとることもできないほど困窮することになります。なかには栄養不足に陥り、病気を患ってしまう人もいます。避難先の衛生環境や医療制度は整っていないことが多いため、病気から回復する保障もありません。また、紛争により荒廃した国土では、農業などの産業が立ち行かなくなります。国の経済が悪化すると、人々はさらなる貧困に陥ります。

写真:スーダンでの紛争激化から逃れてきた人々のための仮設シェルター(南スーダン)

スーダンでの紛争激化から逃れてきた人々のための仮設シェルター(南スーダン)

災害

2016年の世界銀行の調査によると、地震や洪水、台風などの自然災害によって毎年約2600万人が貧困状態に陥っています※12021年5月には南スーダンの38万人が洪水の被害に遭い、その後も厳しい暮らしを強いられています※2。また、報道にもあった通り2022年6月にはアフガニスタンでマグニチュード5.9の地震が発生、1000人以上が亡くなり、約36万人が被災しました※3
もともと社会的に弱い立場に置かれていた人々は、ひとたび洪水や地震などの自然災害に見舞われるとさらなる困難に陥ることとなり、貧困状態から抜け出すことが難しくなります。

写真:サイクロンにより破壊された国内避難民キャンプ内の住居(ミャンマー)

サイクロンにより破壊された国内避難民キャンプ内の住居(ミャンマー)

  1. ※1「自然災害で年2,600万人が貧困状態に陥り、損失額は5,200億ドルに上ると世界銀行が分析」(世界銀行)
  2. ※2「南スーダンに広がる絶望の3重苦: 紛争、気候変動、飢餓」(World Food Programme)
  3. ※3「アフガニスタンで発生した地震を受けて」(UNHCR)

貧困撲滅に向けた取り組み

貧困問題の解決に向けて、世界ではさまざまな取り組みが行われています。多角的な活動の例を紹介します。

貧困撲滅はSDGsの目標1に掲げられている

SDGs(持続可能な開発目標)では目標1に「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」ことを掲げています※1。目標1達成のために世界ではいくつもの貧困対策が行われています。
たとえば、UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)はタンザニアで「食の多様化と栄養改善を目的とした家庭菜園プロジェクト」を実施。難民キャンプで難民の人々がキーホールガーデン(鍵穴型の家庭菜園)を作ることを支援し、自給自足を促しています※2

  1. ※1「JAPAN SDGs Action Platform」(外務省)
  2. ※2『革新的な「キーホールガーデン」が難民の栄養改善の一翼を担う』(国連UNHCR協会)

プラン・インターナショナルでは子どもや若者への支援を行っている

プラン・インターナショナルでは、世代を超えた貧困のサイクルを断ち切るために、若者の生計向上を支援しています。中米のホンジュラスでは、14歳から24歳の農村地域で暮らす女の子を対象に起業支援を実施。自尊心やコミュニケーションスキルを向上させるトレーニングも同時に行いました。

写真:起業し雑貨店を経営する女性(ホンジュラス)

起業し雑貨店を経営する女性(ホンジュラス)

また、貧困家庭の子どもたちが健やかに成長できるような環境づくりにも力を入れています。ラオスでは、助産師育成プロジェクトを実施し、地域の女性たちが安心して子どもを出産できる環境を整えました。

写真:助産師トレーニングの様子(ラオス)

助産師トレーニングの様子(ラオス)

世界の貧困の現状に対して、わたしたちにできること

世界共通の課題である貧困をなくしていくためには、国際社会が一丸となって取り組み続ける必要があります。そのなかで、私たち1人ひとりにできることは何でしょうか。今日からでも始められることをご紹介します。

貧困が生まれる社会的な背景をさらに調べてみる

貧困が起こる社会的な背景を深掘りすることで、この問題が私たちと無関係ではないことを広い視点から理解できるようになります。日本と世界の貧困の現状について国際比較をしてみることもお勧めします。

貧困問題に取り組む活動を応援する

貧困について調べるだけでなく、さらに一歩行動を起こしたいという方は、海外や日本の貧困問題に取り組んでいる団体への寄付やボランティア活動を検討するのはいかがでしょうか。関心のある団体のウェブサイトを閲覧したり、公式SNSやメールマガジンなどに登録したりすることで、イベント情報や寄付募集中のプロジェクトの情報などを得られます。

写真:職業訓練の一環でジュート麻の工芸品づくりを学ぶ若者(バングラデシュ)

職業訓練の一環でジュート麻の工芸品づくりを学ぶ若者(バングラデシュ)

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国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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