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飢餓問題に対して私たちができることは?世界の現状や飢餓の原因
世界には、すべての人が食べられるだけの食料が生産されているにもかかわらず、飢餓※に苦しむ人々がいます。なぜ飢餓の問題は起こるのでしょうか。そして私たちにできることは何なのでしょうか。
ここでは、世界の飢餓問題について一緒に考えてみたいと思います。
- ※飢餓とは、身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態を指します。必要なカロリー数は年齢や身体の大きさによって異なります。
干ばつによる食料不足(ニジェール)
もくじ
世界の飢餓問題の現状
2021年、世界人口の約10%にあたる、8億2800万人が飢餓状態にあると報告されました
※1。この数は、2020年から4600万人増加しており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、拡大したとも言われています。
栄養不良が最も多い地域は、人口が多いアジアの約3億8100万人、次いでアフリカの約2億5000万人とされています。また、ラテンアメリカとカリブ海諸国では約4800万人の人々が飢えに苦しんでいます
※2。
世界で起こっている飢餓のケースをいくつか紹介します。飢餓は自然災害や武力衝突などさまざまな要因で引き起こされています。
<ケース1>ミャンマー・バングラデシュ
2023年5月9日に発生したサイクロン・モカがミャンマー、バングラデシュ沿岸部を直撃。
多数の死傷者が発生し、バングラデシュの難民キャンプには大勢の被災者が避難している。難民キャンプ内では10人に4人以上の子どもが慢性的な栄養不良の状態※
で、劣悪な衛生環境下での避難生活は病気を引き起こすリスクがあり、このまま雨季に突入すると、さらに被害が拡大することが懸念されている。
サイクロン・モカで家が倒壊した女性(ミャンマー)
<ケース2>スーダン
2023年4月15日にスーダン国軍(SAF)と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)との間で武力衝突が発生。
多くの国民が近隣諸国や国内の別の地域への避難を余儀なくされている。雨季(5月~11月)になると、道路の寸断により支援物資が届けられなかったり、食料不足が深刻になったり
※と、広範囲に影響がでることが考えられる。
避難する人々(スーダン)
<ケース3>イエメン
2015年以降、8年間にわたる激しい紛争により、子どもたちの飢餓問題が深刻化。
※。
220万人の子どもたちが栄養不良に陥っており、そのうちの54万人以上は重度の急性栄養不良(緊急に治療を受けなければ命にかかわる状態)に苦しんでいる
飢餓問題が発生する主な原因
飢餓問題の撲滅はSDGs(持続可能な開発目標)※の目標2「飢餓をゼロに」でも掲げられている、重要な課題のひとつです。しかし、問題の背景には貧困、紛争、気候変動などさまざまな理由が複雑に絡み合っています。ここでは、飢餓問題の具体的な原因を見てみましょう。
- ※SDGs(持続可能な開発目標)とは、2030年までに達成するために、すべての国が取り組むべき17の目標(ゴール)と169のターゲットが定められた国際目標です。
貧困
飢餓問題の大きな原因に貧困があげられます。貧困により、食材を購入するお金はもちろんのこと、特に開発途上国で農家を営む人々は穀物を作るための土地、種子、水、肥料などを確保することが困難になります。自給自足型の農業では十分な農作物を収穫できないため、現金収入を得られなくなります。そのため、栄養バランスの取れた食事ができないことによる飢餓状態を引き起こします。
自然災害
世界中で食料不足に苦しむ人の8割以上が、ハリケーン、洪水、干ばつなどの自然災害が発生しやすい、あるいは自然災害に脆弱な地域に暮らしています。農業が主産業の地域に暮らす人々は、災害の影響で十分な収穫高を確保できず、自分たちで食べる分はもちろんのこと、現金収入も得られず、貧困状態から飢餓に陥りやすくなります。
紛争
最も深刻な飢餓の危機にある10カ国中、8カ国(イエメン、南スーダン、シリアなど)では紛争が原因で、飢餓状態に陥っています。世界の飢餓人口の60%は紛争の影響を受けている地域に暮らしています。紛争により住まいを失った人たちは、不便な難民キャンプでの生活を余儀なくされ、紛争解決後も容易に元の生活に戻ることはできません。インフラが破壊され、避難先へのアクセスが悪く、適切な支援を提供できない場合もあります。
食品ロス
飢餓は食料生産が追いついていないことから起こるのではなく、食品ロスによって引き起こされています。途上国では収穫段階から食品ロスが発生しています。衛生状態が悪く、適切な保管施設がないため、害虫やカビの蔓延などで収穫した作物が傷んでしまいます。経済的に貧しい農家では、人手、機材、知識の不足により、育った作物を効率的に収穫することができずに腐らせてしまいがちです。その一方で、先進国では肥満が問題になり、「作りすぎによる食べ残し」や「賞味期限切れ」など、消費段階で多くの食品ロスが生まれています。こうして世界の食料生産量の3分の1が食品ロスとなっています
※。
飢餓問題を解決するためにできること
飢餓問題への取り組みとして、国や支援機関はいくつかのアプローチを通じ対策を講じています。ここでは、どのような解決策を行っているかを紹介します。
緊急食料支援
避難先で救援物資を受け取る家族(スーダン)
母子栄養支援
健康チェックを受ける乳幼児(エチオピア)
自立支援
緊急食料支援は短期的な解決にはなりますが、持続的な解決にはつながりません。長期的にこの問題に取り組むために、農家に対し生産性を高めるための農業指導を行ったり、実践的なトレーニングなどを実施したりすることで、収入を上げ、人々が自立できるよう支援します。
学校給食支援
学校給食を提供(シエラレオネ)
私たち個人は、飢餓問題に取り組んでいるNGOや国際機関への寄付、募金で応援することが社会貢献につながります。
飢餓問題の解決に向けたプラン・インターナショナルの取り組み
プラン・インターナショナルが飢餓問題の解決に向けて行っている取り組みを紹介します。
「食料危機下の子どもの栄養改善」プロジェクト(スーダン)
プランは、白ナイル州の難民キャンプや国内避難民キャンプ、および周辺地域において、子ども、妊娠中の女性、授乳中の母親の栄養改善にむけた支援を行っています。栄養ボランティアが家庭訪問を行い、「隠れた栄養不良児」を探し出し、栄養治療食の支給や診療所での治療につなげます。また、母親へのカウンセリングや栄養教育の提供、給水スタンドの設置など水・衛生環境を改善させる活動も行っています。
「食料危機下の子どもの栄養改善」プロジェクト(スーダン)
国連総会に集う世界の指導者へ呼びかけ
4秒に1人が飢餓で命を失っている推計を受けて、プラン・インターナショナルを含む、各国また国際的に活動する非政府組織(NGO)238団体は、第77回国連総会に集まった指導者たちに対し、悪化している地球規模の危機的な飢餓を終わらせるため、断固たる行動をとるよう呼びかけました。
飢餓問題に私たちができること
世界の飢餓問題を自分事化し、私たちの身近なところで取り組める活動を3つ紹介します。
- フードバンクへの寄付や、食べられるだけの食料を購入することで、食品ロス削減に協力する
- SDGsに取り組んでいる企業のフェアトレード商品を買うことで、生産者に公正な利益を分配する
- 飢餓問題に取り組んでいるNGOに寄付をすることで国際協力に参加する
プラン・インターナショナルでは上記で紹介したスーダンでのプロジェクトの他にも、カンボジアでの学校給食支援、グアテマラで若者の自立を目指す収入向上支援を実施していますので、ぜひ活動を応援してください。
運営団体
国際NGOプラン・インターナショナルについて
プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。
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