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気候変動によって世界では何が起こっている?現状と必要な取り組み

(2026年01月09日更新)

この記事では、気候変動の基本から世界で起きている具体的な影響までを、最新データや現地の声とともに解説します。現在の急激な気候変動は、化石燃料の使用や森林破壊など、人間活動による温室効果ガス(GHG)の増加が主な原因です。世界の平均気温の上昇や気象災害の激化、食料不足、健康被害、気候難民の増加といった現状を整理し、国際社会の取り組みと日本に暮らす私たちにできる行動も紹介します。

気候変動によって世界では何が起きている?

地球規模で進行する気候変動は、世界中の生活や環境に深刻な影響を及ぼし続けています。その影響は多方面にわたり、世界各地で年平均気温の上昇、猛暑日や豪雨の発生回数・頻度の増加、食料や健康問題の悪化、そして「気候難民」の増加といったさまざまな形で深刻化しています。これらの現象を世界的視点で理解し、それぞれの背景や課題に向き合うことが急務となっています。

干ばつで荒廃した畑(ザンビア)

干ばつで荒廃した畑(ザンビア)

平均気温の上昇が続いている

気候変動の顕著な影響のひとつとして、地球の平均気温は上昇を続けています。世界気象機関(WMO)は、近年の世界平均気温の推移を見ても、2024年は産業革命前に比べて約1℃以上高く、観測史上もっとも暑い年になったと発表さらに、2025年についても、過去の統計上2番目、もしくは3番目に暑い年となるうと予測しました。このような温暖化の傾向は、北極海の海氷や永久凍土の融解や海面水位の上昇を加速させ、広範囲にわたる生物の絶滅リスクなど生態系への悪影響を引き起こしています。

写真:干ばつ時の学校給食支援(ケニア)

気温上昇の影響を受けているサヘル地域に住む女の子の声

  • 「気温の上昇に伴い、安全のために自宅待機できるよう学校の時間割が変更されましたが、 そのため授業が遅れ、私たちに影響が出ています」<マリ・15~17歳の女の子>
  • 「猛暑・食料不足・降雨不足により、子ども、特に女の子、は物売りや労働等、他にしなければならない 重要なことがあるため、就学を負担に感じています」<ナイジェリア・15~17歳の女の子>

極端な気象災害が世界各地で頻発・激化している

近年、気候変動がもたらす極端な気象災害が急速に増加しています。海水温・海面水温の上昇が影響し、記録的な熱波や豪雨、干ばつ、強い熱帯低気圧が頻発し、大規模な森林火災や洪水による死者や経済損失が最大規模に達しています。地球温暖化がこれらの災害の増加を引き起こしている背景には、異常な気温上昇や不安定な気象パターンが挙げられます。さらに、この傾向が続く場合、気候災害がより頻繁かつ激化すると考えられています。

写真:洪水により深刻な被害を受けた地域(カメルーン)

洪水により深刻な被害を受けた地域(カメルーン)

災害によって被害を受けたサヘル地域の女の子・女性の声

  • 「動物たちは昨年の洪水で流されてしまいました」<マリ・18~24歳の女性>
  • 「雨が降ると、家が浸水し道路も冠水して、歩くことが不可能になります」<ギニア・15~17歳の女の子>

食料と人々の健康への影響が深刻化している

気候変動がもたらす悪影響は、食料供給と健康面にも及んでいます。高温や干ばつ、豪雨が作物の収穫量減少や品質低下を招き、世界的な水不足や農作物への被害につながっています。特に紛争地や気候変動の影響を強く受ける地域では、深刻な食料不安が広がっています。たとえば2024年には、53の国と地域で約2億9500万人がこの課題に直面しました。健康面でも、熱波による死亡率が1990年代比で23%増加しています。

写真:子どもたちの栄養状態を確認(ザンビア)

子どもたちの栄養状態を確認(ザンビア)

食料不足や健康への不安に直面するサヘル地域の女の子・女性の声

  • 「気候変動で収穫量が減少し、十分な食料を得ることが難しく、食料は不足し、市場ではあらゆる物が高くなっています」<ギニア・18~24歳の女性>
  • 「良質な食料の入手は困難で、井戸も干上がっていて、思春期の女の子の中には栄養失調に陥っている人もいます」<マリ・15~17歳の女の子>
  • 「気候変動の影響、特に降雨量の不足、は私たちに甚大な影響を与えています。最近で、農地は縮小し、井戸水は言うまでもなく、薪やガスも私たちには金銭的に入手が不可能で、十分な食料を得るのが極めて困難です」<ブルキナファソ・18~24歳の女性>

「気候難民」と呼ばれる人々が増加している

気候変動は移住や避難を余儀なくされる人々を増加させ、「気候難民」という新しい社会課題を生み出しています。具体的には、洪水や干ばつ、海面上昇が原因で元の居住地での生活が困難になり、国内外で移動を強いられる人々を指します。国際的には法的な定義が明確ではないものの、2050年までに2億人以上が国内移動を余儀なくされる可能性を世界銀行が指摘しています。こうした移動は、小さな島国や貧困地域、沿岸低地など、特に脆弱なコミュニティを中心に起きています。また、気候変動は既存の社会的不平等をさらに悪化させる要因としても注目されています。

写真:難民の女の子(マリ)

難民の女の子(マリ)

気候変動の影響で故郷を離れざるを得なかったサヘル地域の女の子・女性の声

  • 「豪雨で家屋が破壊され、移住せざるを得なくなり、それが私たちの習慣の消滅につながることがあります」<マリ・18~24歳の女性>
  • 「かつて私たちが住んでいた小さな湾は、清潔で何でもできましたが、今はもうその水で身体を洗うことができないので、女性は苦しんでいます」<ギニア・18~24歳の女性>

「世界の気候変動」に対する国際的な取り組みとは?

気候変動は、一国では解決できない世界共通の課題です。被害の広がりや影響の深刻さを踏まえ、各国は国際的な枠組みのもとで協力し、削減目標の設定や途上国支援、科学的評価を通じた対応を進めてきました。ここでは、世界の気候変動対策を支える主な国際的な取り組みを整理します。

気候変動対策の国際枠組みと共通目標(UNFCCC・パリ協定)

気候変動対策の国際的な基盤となっているのが、1992年に採択された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)です。この枠組みの下で、2015年には「パリ協定」が採択され、世界共通の長期目標が示されました。その中心は、産業革命前と比べた世界の平均気温上昇を「2℃より十分低く抑え、可能な限り1.5℃に抑える」ことです。各国は自主的に温室効果ガス削減目標(NDC)を定め、5年ごとに見直します。持続可能な開発目標(SDGs)の達成や2030年のカーボンニュートラル(実質ゼロ)の実現に向けた戦略として、緩和策を強化することが求められています。

イメージ:温室効果ガスの増加による地球温暖化

2025年11月にはブラジル・ベレンでCOP30(過去のCOP2から続く国際交渉の一環)が開催され、多くの国や地域が参加し、パリ協定の進捗確認や今後の対応強化の方向性が議論されました。排出削減の加速や途上国支援のあり方、温暖化対策の実効性を高める緩和策などが主要な論点となり、環境省や気象庁のウェブサイトや資料でも参照できる情報として公開されています。

気候資金・技術協力による途上国支援

気候変動の影響を特に受けやすい途上国への支援は、国際的な気候変動対策の重要な柱のひとつです。先進国は「緑の気候基金(GCF)」などの国際的な資金メカニズムを通じて資金を拠出し、省エネを促進する設備導入や、太陽光などの再生可能エネルギーによる発電、電力の安定供給につながる電気インフラ整備を支えています。あわせて、森林保全による吸収(森林吸収)の強化や、気候変動への適応策、防災・減災に関する知見の共有といった取組みも進められています。
COP30では、こうした途上国支援を強化する必要性が改めて確認され、気候資金の規模拡大や長期的な資金動員の方向性について議論が行われ、脱炭素社会の実現に向けた国際的な連携の重要性が示されました

食料危機に備えた穀物銀行(マリ)

IPCCとCOPによる科学的評価と進捗確認

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界中の研究成果をもとに、気候変動の科学的根拠や影響、対応策をまとめた評価報告書を作成し、各国の政策形成を支える重要なエビデンスを提供しています。これらの知見を踏まえ、UNFCCCの下で毎年開催されるCOPでは、各国の削減目標(NDC)の動向や途上国支援の進捗などが協議されます。科学的評価と国際的な協議を定期的に重ねることは、気候危機への対応を見直し、取り組みの透明性と実効性を高めるうえで欠かせません。

世界の気候変動に対して、日本に暮らす私たちにできること

気候変動は、遠い国や将来世代だけの問題ではなく、いま世界で暮らす私たち一人ひとりの行動とも密接に関わっています。日本に暮らす私たちにも、日常の選択やお金の使い方、学びや参加を通じて、気候変動への対応に貢献できる場面は数多くあります。ここでは、身近な行動から始められる具体的な取り組みを紹介します。

日常生活でCO₂排出を減らす(エネルギー・移動・食の見直し)

世界の気候変動対策は、私たち一人ひとりの日常生活とも深く結びついています。まずは、ふだんの暮らしの中でCO₂の排出量を減らす意識を持つことが大切です。エアコンや照明の使い方を見直し、使っていない家電の待機電力を減らすだけでも、エネルギー消費は抑えられます。移動では、短い距離を徒歩や自転車に切り替え、公共交通機関を選ぶことで排出削減につながります。また、食生活では食品ロスを減らし、「食べきる」ことを意識したり、旬の食材を選んだりすることも、間接的にCO₂排出を減らす行動です。日々の小さな選択が、世界全体の気候変動対策を支えています

写真:

お金の使い方や選択で「脱炭素」を後押しする

私たちは日々の消費行動を通じて、社会の方向性に影響を与えています。「お金の使い方」を意識することは、脱炭素社会を後押しする有効な方法のひとつです。たとえば、再生可能エネルギーの比率が高い電力プランに切り替えたり、環境に配慮した商品やサービスを選んだりすることで、企業に対して脱炭素への取り組みを支持する意思を示せます。すべてを一度に変える必要はありませんが、できる範囲で「環境にやさしい選択」を増やしていくことが、結果的に企業の行動や方針を動かし、社会全体の脱炭素化につながっていきます

学ぶ・伝える・参加して、行動の輪を広げる

気候変動への対応では、「知る」「伝える」「参加する」といった行動も重要な役割を果たします。ニュースや自治体の情報、信頼できる団体の発信などから正しい知識を得て、家族や友人、職場で話題にするだけでも、周囲の意識が変わるきっかけになります。また、環境イベントやボランティア活動に参加することで、同じ課題意識を持つ人とつながり、行動を継続しやすくなります。一人ひとりの行動は小さくても、その輪が広がることで、世界の気候変動対策を支える大きな力へと育っていきます。

写真:干ばつ時の学校給食支援(ケニア)

世界の気候変動と向き合い、行動につなげるために私たちができること

気候変動は、世界各地の自然環境や人々の暮らしに深刻な影響を及ぼしており、特に女の子や女性、子どもなど、社会的に弱い立場にある人々ほど大きな負担を強いられています。国際的な取り組みや各国政府の政策だけでなく、私たち一人ひとりの関心や行動が、気候変動への対応を前に進める力になります。

環境問題を学ぶ女の子(ネパール)

国際NGOプラン・インターナショナルは、気候変動の影響を受ける地域で、女の子や女性の権利を守り、教育や生計支援、防災・適応の取り組みを進めています。
こうした活動を応援することは、世界の気候変動に苦しむ人々の未来を支えることにつながります

プラン・インターナショナルが行う世界の気候変動に苦しむ女の子や女性への支援を応援する

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世界の気候変動に関するQ&A

運営団体

国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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