(2024年08月29日更新)
性別による差別や偏見は、社会全体に存在しています。特に女性を軽んじたり、低く見たりする女性蔑視は昔から存在し、学校や職場、家庭でも見られます。そのような行動が、女性の活躍にも影響を及ぼし、女性が能力を発揮するうえでの妨げとなっています。
女性蔑視の意味やそれにあたる行動、女性蔑視をなくすために必要な取り組みについて考えていきましょう。

もくじ
女性蔑視(じょせいべっし)とは?
女性蔑視とは、どのようなことを言うのでしょうか。その意味とそれにあたる行動はどのようなものかを説明します。
女性蔑視の意味
女性蔑視とは、女性を軽んじたり、低く評価したりする態度や行動のことです。女性は劣っている、重要ではない、能力がない、価値が低い、といった意識や考え方がその根本にあり、女性差別を助長する要因のひとつです。これは、世界中で女性の社会進出や平等な権利の達成を阻む大きな障壁となっています。
「女性蔑視」と関連した言葉
ミソジニー(Misogyny)
女性蔑視に関連して、ミソジニー(Misogyny)と言う言葉があります。最近、SNSなどでよく使われていて、女性や女性らしさに対する強い嫌悪や憎悪を指す言葉です。男性が女性に対して持つだけでなく、女性が女性に対して抱くケースもあります。
男尊女卑
昔からよく聞かれる言葉で、男性を優位に、女性を劣位に扱う考え方や社会的慣習を指します。こういった男性優位の考え方は、現在も世界中に根強く残っています。
女性蔑視にあたる行動
では「女性蔑視」にあたる行動とは、具体的にどのようなものを言うのでしょうか。
「女性には分からない」「女性には無理」「女性は早く結婚するべき」「大学や大学院に進学すると婚期を逃す」などの発言は、その典型的な例です。性別を理由に女性個人の能力を軽視する言動や行為、または女性に対する偏見や固定観念に基づいた表現は「女性蔑視」にあたります。「さすが女性は気が利く」といった称賛の表現も、その人自身の能力を評価した表現ではありません。

また職場では、男女の役割が明確に固定化されている場合もあり、電話対応、受付、お茶の用意、雑用は女性だけが求められることもあります。そしてセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)はもちろんのこと、モラル・ハラスメント(モラハラ)、パワー・ハラスメント(パワハラ)などの行為もこれにあたる場合があります。
このような「女性蔑視」は、日本だけでなく、世界中で起きています。途上国では、ジェンダーに基づく慣習が今も根強く残っているために、大きな男女格差が存在します。女の子を幼いうちに結婚させる児童婚(早すぎる結婚)はその典型で、教育格差、性的暴力といった、女性差別、女性蔑視が根底に潜む問題はあらゆる場所で起きています。

女性蔑視が起きてしまうのはなぜ?
それではなぜ、このような女性蔑視が起きてしまうのでしょうか。
女性蔑視が起きてしまう背景には、長い時間をかけて社会に根づいた、性別に関する意識や慣習、固定観念があります。たとえば、「男は外で働き、女は家を守るものだ」という考え方が依然として残っている地域や世代もあります。そのために、その言葉や行動が「女性蔑視」にあたることに気づかない人も多く、無意識に行ってしまっている場合もあります。

また、女性自身が「女性だから~」や「女性なんか~」といった表現を使い、自分への低い評価を「当たり前だ、仕方がない」と受け入れている場合もあります。周りの人々の言動や男性優位の社会にいることで、長年にわたってそのように思わされてきた現状があります。
社会の一人ひとりが差別的な行動を改めるように配慮することはもちろん、学校や行政・企業など社会全体で「女性蔑視」をなくしていく取り組みが不可欠です。
企業が女性蔑視をなくすために取り組むべきことは?
社会に根強く残る女性蔑視をなくすために、企業ができる対策にはどのようなものがあるでしょうか。
まずは、何が差別にあたるのかを知ることから始めなければなりません。長年、企業において「当たり前」とされてきたことが、女性への差別や女性蔑視を生み出している可能性があるためです。
女性蔑視をなくすためには意識や制度の改革が必要です。企業などの大きな組織が改革に取り組むことには大きな意味があり、変化を生み出すことができます。具体的なアクションを2つ紹介します。
ジェンダー平等に関する意識改革
従業員が性差別に関する理解を深める機会を提供し、個々の意識を高めることが重要です。たとえば、「補助的な仕事は女性がする」という職場の固定観念や暗黙の了解も、性別を理由とした、女性への不当な押しつけといえます。
従業員の意識改革は、専門家を招いた講義やワークショップの開催などによっても、効果的に進めることができるでしょう。たとえば国際NGOプラン・インターナショナルでは、多くの企業や団体、学校などに講師を派遣しています。女の子や女性を取り巻く問題、国内外のジェンダー課題、SDGs(持続可能な開発目標)などについて理解を深め、考えるきっかけを提供しています。

適切なルールの策定
年齢やジェンダーなどの属性に関係なく、誰もが活躍できるルールや環境の整備が必要です。セクハラ防止策の強化や評価基準の見える化など、男女平等に関する明確なルールやポリシーを設け、「すべての人が共通して守ること」として認識し、それを浸透させなければなりません。特にセクハラは被害者が声をあげにくく、職場のような環境においては助けを求めることは非常に難しいため、匿名の相談窓口の設置や外部の相談窓口情報の提供も検討すべきでしょう。
また日本は、女性の管理職などに占める割合が他国と比べて非常に低い状況が続いています。女性が活躍しやすくなるよう、管理職や役員への女性登用に向けたサポート体制の構築なども求められます。
もしも社内で女性蔑視に関する問題が起きてしまったときは・・?
なにより迅速なかつ慎重な対応が求められます。被害者の心情、関係者のプライバシーに十分配慮したうえで事実確認を行い、対応方法を協議しなければなりません。またその上で2度と同じことが起きないように、改善に向けた取り組みも行うことが大切です。差別的な行動は許されないことを徹底し、
企業内のすべての人が働きやすい環境を整えることが、ひいてはよりよい人材の確保や実績、社会的認知や社会的責任を果たすことにつながるはずです。
女性蔑視をなくし、誰もが性別の違いによって差別されない環境をともに作っていきましょう
日本政府は、より多くの女性が社会で活躍することを推進しています。雇用環境の整備や男女間賃金格差解消に向けた差異の情報公表など、労働環境での性差別解消を目指しています。
一方で女性蔑視にあたる言動や行動は、いまだにあらゆる場面でみられます。私たち一人ひとりが、言葉や行動を慎重に選ぶこと、前向きで包括的な態度を取ることが現状を変える大事な一歩となります。

そして、多くの企業が性差別をしない、誰もが対等で働きやすい場所に変われば、社会全体へ波及し、差別を生みにくい労働環境が当たり前になっていくでしょう。世界では、個々の違いを尊重し、さまざまな人々で構成された多様性に富んだ組織であるかどうかが重要視されています。
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国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。









