(2024年08月27日更新)
木登りが好きなのに「女の子だからやめなさい」と言われたことはありませんか?本当はピンクが好きなのに「ピンクは女の子の色」だから、好きだと言えなかった経験はありませんか?
これが「ジェンダーバイアス」です。ジェンダーバイアスは私たちの心の中に無意識に存在しています。このページでは、ジェンダーバイアスとはなにか、なぜ生まれ、どうやって解消したらよいかについて解説します。

もくじ
ジェンダーバイアスとは?
「ジェンダーバイアス」とは、性別の違いで特定の役割や行動などに思い込みや偏見を無意識に持つことを言います。しかしながら、この思い込みや偏見が個人の能力や可能性を制限し、社会全体の発展を妨げていると考えられるようになり、近年ではジェンダーバイアスについて世界中で議論されるようになってきています。ジェンダーバイアスによる影響として、女性議員や女性管理職の不足や男女間における賃金格差があげられます。特に途上国では、ジェンダーバイアスによって教育や就労の機会が奪われることもあります。
ジェンダーバイアスへの関心の高まりは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標5「ジェンダー平等を実現しよう」にも掲げられている多様性(ダイバーシティ)と包摂(インクルージョン)を尊重する風潮が強まっていることも理由のひとつとも言えるでしょう。

ジェンダーバイアスの身近な例
日常生活の中には無意識に持ってしまう思い込みがたくさん潜んでいます。ここでは身近なところにあるジェンダーバイアスの具体的な例を紹介します。
色や形に潜むジェンダーバイアス
「男の子は青、女の子はピンク」といった色の固定観念、「男の子は車やロボット、女の子は人形やおままごとセットを好む」といったおもちゃの種類にもジェンダーバイアスはあります。幼児期からの成長過程で色や形による「男の子らしい」「女の子らしい」という無意識のイメージが形成されていくことがあります。

職場や学校に潜むジェンダーバイアス
職場で、管理職やリーダーは男性、それをサポートするのは女性というような、性別によって制限や決めつけが行われることがあります。学校では体育の授業で男子は柔道、女子はダンスなど、性別で授業が分かれていることもありますが、ジェンダーバイアスで能力が制限されることになりかねません。
日常生活に潜むジェンダーバイアス
内閣府男女共同参画局が令和4年(2022年)に実施した性別による無意識の思い込みに関する調査では、「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」「女性は感情的になりやすい」「女性は弱い存在なので守られなければならない」
といった性別による役割や固定観念が男女ともに持っていることがわかりました。
ジェンダーバイアスに関する世界の現状
ジェンダーバイアスは世界のいたるところに存在しています。ここでは、ジェンダーギャップ指数の視点から、ジェンダーバイアスについて考えてみましょう。
ジェンダーバイアスの度合いをはかる指標のひとつとして「ジェンダーギャップ指数
」※というものがあり、世界経済フォーラムが毎年発表しています。ジェンダーギャップ指数の上位を占めているヨーロッパ、特に北欧は、ジェンダーバイアスの解消が進んでいる国と言えます。たとえば常に上位にいるアイスランドやノルウェーでは格差是正のために一定の比率で女性議員数を割り当てる制度「クオータ制」を導入し、女性が参画できるようにするなど、官公庁や企業が女性活躍に力を入れています。一方で、下位の国には途上国が多く、「女の子は教育を受けなくてもいい」「家族の世話をするのは女性の仕事だ」というような慣習が根強く残り、ジェンダーバイアスの解消が困難な状況であることがわかります。

- ※ジェンダーギャップ指数とは、世界経済フォーラムが毎年発表する報告書「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート」に基づいて算出される指数のこと。146の国と地域を対象に性別による格差を「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野、14項目から測定し、各国の男女平等に関する状況を数値化。ジェンダーギャップ指数は0から1までのスコアであらわされる。0が完全なジェンダー不平等、1が完全なジェンダー平等の状態を示しており、数値が1に近いほど性別間における格差が小さいことを意味する。
日本のジェンダーバイアスの現状
ジェンダーバイアスをはかる指標のひとつであるジェンダーギャップ指数。2024年度の発表で、日本は146カ国のうち118位でした。昨年度の125位から順位をあげましたが、先進7カ国(G7)では変わらず最下位という結果に留まっています。特に「政治」「経済」の分野での格差解消が進んでおらず、女性議員、女性管理職の少なさや、所得格差などの課題が進展を阻んでいると評価され、ジェンダーバイアスが解消しにくい状況となっています。
ジェンダーバイアスが生まれる理由や解消のためにできること
思い込みや偏見は、どうして私たちの心のなかに無意識に生まれてしまうのでしょうか。ここからはジェンダーバイアスが生まれる理由や解消のための方法について考えていきたいと思います。

ジェンダーバイアスが生まれる理由
「男性/女性は〇〇だ」という思い込みにつながる情報は、家庭や学校での教育、職場環境やメディアでの描かれ方、伝統や慣習など、身近なところにたくさん存在し、私たちの心のなかに無意識に形成されていきます。そういった価値観や思い込みの蓄積により、ジェンダーバイアスは生まれていくのです。
ジェンダーバイアス解消のためにできること
ジェンダーバイアスを解消するための第一歩は、私たちが無意識に持っているジェンダーバイアスに気がつくことです。自分のこれまでの考え方や行動に思い込みや偏見があったかどうかを一度考えてみましょう。ジェンダーバイアスをなくすための研修などに参加して、理解を深めることも効果的です。周囲に子どもがいる人は、ジェンダーバイアスを次の世代に引き継がないように、幼いうちから話し合い、考える機会を持つことも大切です。特にジェンダーバイアスの解消に遅れをとっている途上国では、地域の人々がジェンダーバイアスを認識し、解消のために意識を変えていく必要があります。
ジェンダーバイアスのない世界をつくるために私たちにできること
ジェンダーバイアスが無意識のうちに私たちの身近なところに存在していることを感じていただけたと思います。ジェンダーバイアスのない世界をつくるために、私たちにできることを2つ紹介します。

ジェンダーに配慮した教育を推進(ニジェール)
ジェンダーバイアスについて描かれているものを見たり、読んだりし、意識を変える
プラン・インターナショナルでは、ジェンダーバイアスやジェンダーギャップに関する記事やレポートを発信しています。記事を読んで、ジェンダーバイアスの意識を変えることも私たちにできる大切なことです。ぜひ、読んだ感想を周囲の人にも伝えてみてください。
ジェンダーバイアスを解消する活動に寄付をする
プラン・インターナショナルでは、ジェンダーバイアスの解消が進まない途上国において、人々の意識を変え、ジェンダーによる不平等をなくすための活動をしています。1日約50円からの寄付で世界のジェンダー問題の解決をご支援いただけます。あなたも参加しませんか?
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運営団体
国際NGOプラン・インターナショナルについて
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。










