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ジェンダーフリーとは?注目されている背景やジェンダーレスとの違い

(2025年01月15日更新)

ジェンダーフリーとは、性別による固定観念を取り払い、一人ひとりの可能性を尊重する考え方のこと。この記事では、ジェンダーフリーとジェンダーレスの違いや、国内外での普及状況、取り組み事例について分かりやすく解説します。
また、推進の際に注意すべきポイントや、私たちが今すぐ始められる具体的なアクションもご紹介します。誰もが自分らしく生きられる社会づくりについて、一緒に考えてみましょう。

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ジェンダーフリーとは何か?

はじめに、ジェンダーフリーとは何か、その定義や注目されている背景、さらに、似て非なる「ジェンダーレス」との違いについて解説していきます。

ジェンダーフリーとは

ジェンダーフリーとは、性別による社会的・文化的差別を受けることなく、誰もが自分の能力を自由に発揮できるようにする考え方です。
社会や文化によってつくられてきた性別に関する固定観念や差別をなくし、「男性/女性だから」という先入観ではなく、一人ひとりの資質や希望を尊重しようとする考え方ともいえます。性別に左右されずに生まれ持った力を活かすことで、より多様で柔軟な社会を築くことが期待されます。

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ジェンダーフリーが注目されている背景

ジェンダーフリーが注目を集めるようになった背景には、社会が多様化し個人の価値観が大きく変化していることが挙げられます。かつては「男性は仕事、女性は家事、育児」といった役割が当然のように考えられていました。
しかし、現在は、さまざまな家族のあり方やライフスタイルが生まれ、従来の性別を理由とした役割分担や期待とは異なる価値観へと変わりつつあります。

さらに、LGBTQ+などの性的少数者を含め、「性のあり方は一人ひとり異なる」という理解も少しずつ進んでいます。こうした多様な性を認め合い、人権を尊重するうえで欠かせない視点として、ジェンダーフリーの考え方は今後ますます注目されるでしょう。

ジェンダーレスとの違い

「ジェンダーレス」とは仕事や生活のなかにある文化的・社会的性差(ジェンダー)をできるだけ取り払おうとする考え方です。
たとえば、ファッションなどで男女の区別をせずユニセックスなデザインを展開したり、教育現場においてジェンダーレス制服としてスラックスを導入したり、「保母/看護婦」といった職業名を「保育士/看護師」に変更したりする動きが進んでいます。
ジェンダーレスは性別そのものを意識しないようにする方向性が強いのに対し、ジェンダーフリーは男女で生まれ持った身体の特性や違いは認めながらも、その違いを理由に男女格差や制限を設けないことを重視するのがポイントです。

日本や世界において「ジェンダーフリー」な価値観はどの程度普及している?

Global Gender Gap Report 2023

Global Gender Gap Report 2024

ジェンダーフリーな価値観は、世界規模で少しずつ浸透していますが、国や地域により大きな差があります。普及状況を測る指標のひとつに「ジェンダーギャップ指数」が挙げられます
ジェンダーギャップ指数の順位が低い国々には、男性優位の伝統的な社会構造や文化的背景などが根強く残っており、「性別に関係なく能力を発揮できる」環境づくりはまだ十分に進んでいません。

ジェンダーギャップ指数とは?

ジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)とは、世界経済フォーラムが毎年発表する報告書「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート」に基づいて算出される指数のことです。
146の国と地域を対象に性別による格差を「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野、14項目から測定しており、各国の男女平等に関する状況を数値化しています。
ジェンダーギャップ指数は0から1までのスコアであらわされ、0が完全なジェンダー不平等、1が完全なジェンダー平等の状態を示しています。数値が1に近いほど性別間における格差が小さいことを意味しています。

2024年の日本のジェンダーギャップ指数は、146カ国中118位でした。主要先進国(G7)のなかでは最下位で、具体的には女性議員の少なさなど「政治」分野における女性活躍の機会が少ないことが指摘されています。
途上国では、女の子の教育を十分に優先しないなど、昔から根強い価値観が存在しており、識字率や初等教育の就学率から算出される「教育」分野でのジェンダーギャップが目立っています。

画像:男女でこれだけ違う!「ジェンダーギャップ」を考えてみよう

男女でこれだけ違う!「ジェンダーギャップ」を考えてみよう

ジェンダーフリーを推進する際の注意点

ジェンダーフリーは、性別に基づく固定観念や差別をなくし、一人ひとりの能力を伸ばすための取り組みです。しかし、行き過ぎた取り組みは、男女差そのものを否定してしまい、デメリットにつながる可能性があります。
男女それぞれに特有の身体的・生物学的差異があることは事実であり、必要なサポートを考慮せずに「同様の役割」「同じ働き方」を強制してしまうと、当事者にとって大きな負担となりかねません

男女差を無視することで発生する負担の具体例

妊娠中の労働負担の増加

妊娠中の女性が、男性とまったく同じように長時間労働や立ち仕事をすることが求められると、健康上のリスクを高める可能性があります。産前産後の身体的負担や配慮が必要な場面で「性別を問わずに同じ勤務体制で働くべき」といった姿勢が強調されると、結果的に女性側の負担が増えてしまうケースが見られます。

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男性が育児や家事を担う際の制度・周囲の理解不足

「男性にも育児や家事に参加してほしい」という意識が高まる一方で、社内の仕組みや制度が十分に整っていない場合、男性社員が育児休暇や時短勤務を取得しづらくなることがあります。さらに、固定的な考え方が根強い職場では、育児休暇を取得した男性社員が冷遇される事例もあり、本来は平等を目指した取り組みがむしろ新たな差別につながる恐れも指摘されています。

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生物学的な違いへの配慮が必要

ジェンダーフリーを推進するうえで重要なのは、「そもそも男女の身体的・生物学的な違いは存在する」と認めることです。
妊娠や出産にともなう身体への負荷、ホルモンバランスの変化、また平均的な筋力の差など、事実としての生物学的差異を無視したまま「ただ性別による区別を撤廃する」だけでは、かえって当事者の健康や権利が損なわれるリスクが生まれます。
ジェンダーフリーに取り組む企業や組織にとっては、男女ともに生まれ持った身体の特性に合わせた働き方の制度設計を取り入れ、意識改革をはかることが、より良い環境づくりのカギとなるでしょう。

ジェンダーフリーな社会の実現に向けた取り組み事例

ジェンダーフリーな社会を実現するためには、さまざまな視点から取り組んでいく必要があります。ここでは国際NGOプラン・インターナショナルの取り組み事例を紹介します。

女の子をはじめとした若者の社会参加のための活動

東ティモールの農村地域では、「リーダー=男性」という考え方が根強く残っており、女性の発言力が弱く、男性が村の主導権を握っていました。

プラン・インターナショナルは若い女性たちが自分の能力を理解し、リーダーシップを発揮できるためのトレーニングの実施や、村での啓発活動を行いました。そしてついに村で初めて女性の村長が誕生しました。
女性の村長が誕生したことにより、村の他の女性たちが以前よりも発言しやすくなったり、女の子たちが自分もリーダーになりたいと意欲を高めたりと、女の子や若者たちの意識が大きく変わりました。また、村の運営に女性も参加することで、以前よりも問題解決が進むようになりました。

写真:農業技術のトレーニングに参加した女性(東ティモール)

農業技術のトレーニングに参加した女性(東ティモール)

画像:男女でこれだけ違う!「ジェンダーギャップ」を考えてみよう

男女でこれだけ違う!「ジェンダーギャップ」を考えてみよう

「ジェンダー平等推進のための教育」プロジェクト

ネパールのマデシ州は、経済・社会の両面で発展から取り残された地域で、「排除されたグループ」と呼ばれる少数民族マデシの人々が多く暮らしています。
特にマデシの女性は、少数民族への差別、ジェンダーやカーストに基づく差別など、複数の差別に直面しています。マデシ州の女性の識字率は47.7%に留まり(男性は74.0%)、早すぎる結婚(児童婚)や結婚持参金(ダウリー)の問題も顕著でした。子どもたちは年齢に応じた学年に通うことが全国と比べて少なく、教育を受ける女の子の割合は男の子より低い傾向にあります。小中学校の多くは女子トイレがないなど学習環境が劣悪で、中途退学や留年の多さも課題です。

写真:農業技術のトレーニングに参加した女性(東ティモール)

就学を呼びかける若者ボランティア(ネパール)

プラン・インターナショナルではトイレや給水設備の建築のほか、ジェンダー平等などの啓発活動を行いました。
若者ボランティアの積極的な活動を通じて、地域住民の意識も変化し、特に女の子の就学が以前よりも奨励されるようになりました。教育に対する地域での協力体制が強化され、ジェンダーに基づく差別のない学習環境が促進されています。

画像:【経過報告】ネパール「ジェンダー平等推進のための教育」プロジェクト

【経過報告】ネパール「ジェンダー平等推進のための教育」プロジェクト

ジェンダーフリーな社会のために私たちにできること

ここまでお読みいただき、ジェンダーフリーに関する理解が深まったのではないでしょうか。性別による偏見や固定観念をなくし、一人ひとりが持つ能力を最大限に活かせる社会をめざす考え方であるジェンダーフリーは、現在すでに多くの分野で広がりを見せ始めています。
ここでは、私たちがジェンダーフリーな社会づくりに貢献するために、身近なアクションでできることを3つ紹介します。

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  1. 日常の言葉づかいや思い込み、誤解を見直して行動する

    「男なのに」「女だから」などの言い回しは、無意識に相手の可能性を狭めてしまいます。自分が何気なく使っている言葉や、周囲に向けている固定観念を意識してみることが大切です。また、家事・育児を分担する、職場で性差別的な風土がないか声をかけるなど、小さな行動を積み重ねるだけでも大きな変化につながります。

  2. 多様な情報に触れて、周囲に共有する

    ジェンダーフリーやダイバーシティ(多様性)に関する本や記事、セミナーなどに参加して、得た知識を家族や友人と話し合うことで、少しずつ認識を広げていくことができます。

  3. 寄付でサポート

    ジェンダー平等を推進するNGOや団体へ寄付を検討してみるのも良いでしょう。あなたのサポートが、よりよい社会の実現を後押しします。

プラン・インターナショナルでは、ジェンダー平等な社会の実現を目指して、
世界各地でさまざまな活動に取り組んでいます。
私たちと一緒に、ジェンダーフリーな社会をつくっていきませんか?

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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