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ガラスの天井とは?主な要因や日本の現状、解決に向けてできること

(2024年11月22日更新)

「ガラスの天井」という言葉を聞いたことがありますか?女性やマイノリティの人たちが仕事をするうえで直面している障壁のことです。いまビジネスの世界では、この問題を取り除くにはどうしたらいいかということが議論されています。この記事では、すべての人が働きやすい環境づくりのために、個人や企業にできることについて解説します。

ガラスの天井とは

「ガラスの天井(Glass ceiling)」とは、キャリアアップを阻む見えない天井になぞらえた比喩表現であり、組織内で昇進に値する人材が、性別や人種などで制限されている状態を意味します。当初は企業などで働く女性に対して用いられる表現でしたが、近年では男女を問わず、マイノリティ全体に対して用いられるようになりました

これって実は「ガラスの天井」・・・?

  • STEM(科学・技術・工学・数学)分野において女性の研究者やエンジニアが少ない傾向にある
  • 女性議員が少ない
    国会や地方議会における女性議員の割合が少ない
  • 管理職への昇進が少ない
    女性やマイノリティの人々の管理職割合が先進国の中でも低い水準にある

数字で見る「ガラスの天井」に関する日本の現状

日本では、1986年の男女雇用機会均等法、2016年の女性活躍推進法の施行により、女性の社会進出や女性活躍が掲げられてきました。しかし、日本における女性社員の状況は少しずつ改善されてはいるものの、先進諸国と比べるといまだに遅れをとっています。ここでは、具体的なデータを紹介します。

女性役職者の割合

内閣府男女共同参画局の調査によると、2023年時点で日本の上場企業における女性役員の割合は10.6%です。10年前と比較すると割合は少しずつ上昇していますが、諸外国に比べるとまだまだ低い水準となっています。

上場企業の役員に占める女性の割合の推移

また、女性従業員の数は諸外国と比べても大きな差はありませんが、管理職に占める女性割合は2023年時点で14.6%となっており、こちらも諸外国に比べて低い状況です。

諸外国の就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合

ジェンダーギャップ指数

2024年に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数によると、日本は146カ国中118位でした。2023年と比較すると順位をわずかに上げましたが、先進7カ国(G7)のなかでは最下位です。教育分野、健康分野では値が高い一方で、政治分野、経済分野における値が低いことが、全体の順位を下げています。

ジェンダーギャップ指数とは…

ジェンダーギャップ指数とは、世界経済フォーラムが毎年発表する報告書「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート」に基づいて算出される指数のことです。146の国と地域を対象に性別による格差を「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野、14項目から測定しており、各国の男女平等に関する状況を数値化しています。ジェンダーギャップ指数は0から1までのスコアであらわされ、0が完全なジェンダー不平等、1が完全なジェンダー平等の状態を示しています。数値が1に近いほど性別間における格差が小さいことを意味しています。

写真:Global Gender Gap Report 2024

画像:ジェンダーギャップ指数とは?世界の現状と改善のために必要な支援

ジェンダーギャップ指数とは?世界の現状と改善のために必要な支援

ガラスの天井が生まれる主な要因

ガラスの天井が存在する背景にはどのようなものがあるのでしょうか。そこにはさまざまな要因があることがわかります。

無意識のバイアス

「男性は外で仕事をして、女性は家庭で家事育児をする」というような伝統的な性別役割分担が、無意識のなかに根強く存在しています。また、性別や人種、障害の有無などの属性によって能力を決めつけるような固定観念も、見えない壁を形成する要因となっています。こうした無意識の先入観、偏見(バイアス)により、同じ能力を持っていても女性社員の方が低く評価されるなど、女性が活躍しづらい環境になっています。

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支援制度や仕組みの不足

産休、育休のような基本的な制度は整備されているものの、女性が仕事と家庭を両立しながら働くための支援制度が不十分です。近年では、育休を活用する男性従業員も少しずつ増えてきてはいますが、積極的には取得しづらい組織風土である場合、結局は女性がキャリアを中断して家事と育児を担うことになりがちです。また、結婚や出産をすると女性が育児をするものだという無意識のバイアスが根強く残っており、これが女性の昇進を阻んでいます

画像:男女でこれだけ違う!「ジェンダーギャップ」を考えてみよう

男女でこれだけ違う!「ジェンダーギャップ」を考えてみよう

ガラスの天井を取り払うには?

持続可能な開発目標(SDGs)では、目標5に「ジェンダー平等を実現しよう」、目標8に「働きがいも経済成長も」が掲げられています。ガラスの天井を取り払うことは、持続可能性(サステナビリティ)を実現し、誰もが生き生きと働ける社会へと繋がっていきます。ここではガラスの天井をなくしていくために必要な取り組みをご紹介します。

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企業文化や社内制度の見直し

リモートワークやフレックス制度など、育児を行う人に柔軟な働き方ができる環境づくりをする必要があります。また、育児・介護休暇などは性別にかかわらずすべての人が取得でき、仕事と家庭を両立することが可能な仕組みづくりをすることが重要です。

女性リーダーの育成

女性リーダーの登用や育成プログラムを実施し、ロールモデルを増やす必要があります。また、出産や育児などのライフイベントを見据えて、早期からさまざまな経験を積む機会を設けるなど、女性がキャリアパスのなかでどのようにステップアップしていけるかを組織として考えていくことが求められます。

ジェンダー教育の推進

私たちの心のなかにある無意識のバイアスや固定観念といった、男女格差を生み出す問題を解決するためには、多様性と包括性を重視した企業文化を作っていくことが必要です。経営層を含むすべての従業員の意識改革を促すために、外部の専門家に相談し、客観的な視点から問題解決を図るのも効果的な方法のひとつです。

ガラスの天井を取り除き、よりよい社会をつくろう

企業にとってガラスの天井を解消することは、多くのメリットをもたらします。
企業には「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」に取り組むESG投資が求められており、ガラスの天井の解消への取り組みはESG投資の評価を高め、ステークホルダーからの企業イメージが向上させます。
女性が活躍できる職場は、従業員のモチベーションや満足度を高め、優秀な人材が集まるだけでなく、離職率を下げる結果にもつながります。

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プラン・インターナショナルは、SDGsで掲げられている課題をはじめとする社会課題の解決に向けて、さまざまな取り組みを実施しています。
企業の皆さまとの協働により、ジェンダー平等の実現に向けた取り組みをさらに加速化させることを目指します

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PLAN MOVEMENT

運営団体

国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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