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世界人権宣言の採択後も続く、現代の人権問題と私たちにできること

(2024年05月07日更新)

皆さんは、世界人権宣言を知っていますか?すべての人間は生まれながらにして基本的権利を持っていることを、世界で初めて公式に認めた宣言です。国際連合(国連)が創設されてから3年後の1948年に採択された世界人権宣言は、その後、国際社会で多くの人権保護に関する条約が誕生するきっかけにもなりました。
この記事では、宣言の内容を詳しく解説します。人権問題について知り、私たちにできることは何かを考えていきましょう。

写真:ベナンの子どもたち

ベナンの子どもたち

世界人権宣言とは

はじめに、世界人権宣言でうたわれている基本的な内容を紹介します。宣言は、前文と30条の条文から成り立っています。

世界人権宣言の内容

世界人権宣言とは、すべての人間が生まれながらにして基本的自由を有し、尊厳と権利について平等であることをうたった宣言です。正式名称を「人権に関する世界宣言」といい、法的拘束力はありませんが、すべての人が享有すべき市民的、政治的権利を規定しています。

以下に、条文の一部を紹介します。

写真:すべての人間の自由と平等、尊厳と権利を謳う第1条

すべての人間の自由と平等、尊厳と権利を謳う第1条

第1条は、すべての人の尊厳と権利、行動指針を強調

原文
すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。

第2条は、すべての人は差別されることなく権利と自由を享受できることを明記

原文

  1. すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
  2. さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。

その他の条文:

世界人権宣言が採択された経緯

世界人権宣言はどのような目的で作られ、採択されたのでしょうか。
人権保障が世界平和の基礎であるという考えのもと、すべての人民と国とが達成すべき基本的基準として、1948年12月10日の国連総会において採択されました。
第二次世界大戦下で特定の人種の迫害や人権侵害が多く発生したことを受け、人権問題への国際的な注目が高まったことも背景にあります。その後1950年に、国連によって12月10日が「人権デー」として定められ、世界中で記念行事が行われるようになりました。
世界人権宣言は、今では世界各国の憲法や法律にも取り入れられています。

写真:世界平和への祈りを込めて

世界平和への祈りを込めて

日本の人権週間(12月4日~10日)

国連は加盟国に対し、人権擁護活動の促進を求めています。日本では、世界人権宣言が採択された翌年の1949年から、毎年12月10日を最終日とする一週間が「人権週間」と定められました。人権週間には、国や自治体などが主導して、さまざまな啓発活動が全国的に行われています。

国際人権規約

国際人権規約とは、世界人権宣言の内容を条約化したもので、人権に関する諸条約のなかで最も基本的かつ包括的なものとされています。社会権規約と自由権規約があり、1966年の第21回国連総会において採択され、1976年に発効しました。日本は1979年に批准し締約国となりました。

    【出典】
  1. 世界人権宣言とは(法務省)
  2. 人権週間(法務省)
  3. 国際人権規約(外務省)

「世界人権宣言」の採択後も続く人権侵害

世界人権宣言では、すべての人が差別を受けることなく平等に生きる権利が保障されています。しかし、実際には世界のいたるところで、さまざまな原因によって基本的権利が尊重されず、人権侵害が横行しています。

ここでは、紛争と差別による人権侵害の現状について見ていきましょう。

紛争によって侵害される人権

今も世界では各地で紛争が起きており、多数の人権侵害が報告されています。紛争によって大勢の人々が住む場所を失い、自由に生きる権利が脅かされています。故郷を追われた人々は失業し貧困状態に陥り、家族の1日の食事をまかなうことにも困る生活を続けています。また、紛争により多くの学校が休校となったり、校舎が攻撃によって破壊されたりすることで、子どもたちの教育を受ける権利と機会が奪われています。

写真:紛争が激化したスーダンから南スーダンへ逃れてきた家族

紛争が激化したスーダンから南スーダンへ逃れてきた家族

差別によって侵害される人権

世界人権宣言の前文では、男女が同等の権利を有することについても言及しています。しかし、ジェンダーによる差別が、女の子が教育を受ける権利を侵害している事例は後を絶ちません。たとえば、子どもの権利侵害のひとつである早すぎる結婚(児童婚)は世界のさまざまな国や地域で広くみられ、特に南アジアやサハラ以南のアフリカで顕著です。児童婚をした女の子の多くは教育をあきらめざるを得ず、自立の機会を失うことになります。

写真:児童婚により13歳で母親になった女の子(バングラデシュ)

児童婚により13歳で母親になった女の子(バングラデシュ)

誰もが平等な世界を目指して

あなたにできる支援

プラン・インターナショナルが人権を守るために行っている支援

プラン・インターナショナルは、誰もが平等な世界を実現するという信念のもと活動しています。弱い立場に置かれがちな女の子や難民の若者を対象に実施している支援について紹介します。

女の子の「性と生殖に関する健康と権利」を守るための支援

女の子や若い女性が自分の身体に決定権を持ち、健康に過ごせるように支援しています。世界には、貧困や伝統的慣習から、18歳未満で結婚、妊娠を経験する女の子がまだ大勢います。児童婚をした女の子たちは、未成熟な身体での妊娠と出産による合併症で健康を害したり、ときには命を落としたりすることも。中途退学を強いられ、教育を受ける権利も奪われています。プランは、性と生殖に関する健康と権利についての正しい知識を伝えることで、女の子の自尊心を高め自立できるように支援しています

難民の教育を受ける権利を保護するための支援

ミャンマーでは長年にわたる紛争の影響により、多くの人々が住む場所を追われた結果、国内避難民や他国への難民が増加。特に、2017年8月にミャンマーのラカイン州で起きた暴力行為により、隣国のバングラデシュへ多くの人々が逃れました。母国では国籍を奪われ、教育を受ける権利や自由に移動する権利など多くの人権侵害行為を受けていたロヒンギャ難民の子どもや若者たちには、読み書きや計算のスキルが十分身についていませんでした。プランは、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプにおいて、若者たちに識字教育を実施しています。識字教育を受けるスペースの開設や教育の実施、教師育成の研修などを行っているほか、ロヒンギャの人々が自ら識字教育を継続できる体制にするための支援も実施しています。

写真:学習スペースで学ぶ女の子たち

学習スペースで学ぶ女の子たち

世界人権宣言の実現にむけて私たちにできること

世界人権宣言を完全に実現するには、国や自治体、企業など、社会全体が協力して人権問題に取り組む必要があります。それだけでなく、私たち一人ひとりの人権意識を高め、できることを考えていくことが大切です。
たとえば、12月4日~10日の人権週間に、日本や世界の人権問題について家庭で話し合ったり、人権擁護の活動に取り組む団体に寄付をしたりすることも、アクションのひとつです。

世界人権宣言が達成された平等で公正な世界の実現にむけて、自国だけでなく、世界の人権問題にも目をむけてみませんか。

写真:プラン・スポンサーシップ

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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