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ミソジニーとは?世界で起こる女性差別の問題と私たちができること

(2024年08月02日更新)

最近、SNSなどで話題にのぼることが増えたミソジニー(misogyny)という言葉。語源は、ギリシア語の「misos(憎しみ・嫌悪)」と「gune(女性)」を合わせたものと言われています
ミソジニーをキーワードに、女性への差別や嫌悪が引き起こす問題を知り、解決にむけてできることを考えていきましょう。

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ミソジニーとは?

はじめに、ミソジニーの定義や意味、関連用語について紹介します。

ミソジニーの意味

ミソジニー(misogyny)とは女性に対する嫌悪や蔑視のことです。男性から女性に対してだけではなく、女性が女性に対して抱くケースもあります。また、そのような感情を持つ人のことをミソジニスト(misogynist)といいます。

多くの社会には、「男性は女性よりも上」「女性が家事や育児を率先して行うことは当たり前」といったジェンダー・ステレオタイプが根強く存在しています。このような観点から女性を低く評価し、女性が高い地位や役割を持つことに対して否定的な見方をすることが、ミソジニーの形で現れているのです。「女ぎらい」を公言するなど明らかな嫌悪感を表に出したり性差別を行ったりすることだけでなく、無意識に女性を見下している状態もミソジニーの一形態であるといえます。

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ミソジニーに関連する用語

ミサンドリー(misandry):男性嫌悪、男性蔑視のこと。男性全般を一括りにして、嫌悪感を持ったり、蔑んだりする状態をいう。

フェミニズム(feminism):あらゆる性差別からの解放を目指す思想や運動のこと。かつては女性解放運動とも。特に政治、経済、教育、家庭などの分野で男女平等を実現することを目的としている。フェニミニスト(feminist)とは、すべてのジェンダーが平等であることを求め、フェミニズムを支持する人のことを指す。

マスキュリズム(masculism):男性に対する性差別をなくすための思想や運動のこと。男の子や男性が直面する問題に焦点を当て、男女平等を推進する考え方。

ミソジニーが引き起こす問題の具体例

ミソジニーは、個人だけでなく社会全体にも大きな影響を及ぼしています。ミソジニーがジェンダー・ステレオタイプや女性差別を助長し、その結果として女の子や女性が危険にさらされたり、不利な立場に置かれたりする状況が起きています。具体的な問題を見ていきましょう。

性的虐待や暴力

まず、レイプ、性的虐待、ドメスティック・バイオレンス(DV)などのジェンダーに基づく暴力の問題です。2018年時点で、女性の3人に1人が身体的・性的な暴力の被害者になり、15~19歳の女の子の1500万人以上が強姦の被害に遭っています。2016年に韓国で起きた殺人事件はミソジニーによる犯行として話題になりました。「女たちが自分を無視するから」という動機で見ず知らずの女性が殺害されたのです。

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雇用や教育環境の格差

女性の存在を軽視するミソジニーは、以下のように、家庭や学校、職場におけるジェンダー不平等や差別の形でも表れています。

  • 女の子だけが家事労働を強いられ学校に通わせてもらえない
  • 女性が重要な会議で意見を述べても無視されるが、男性が同じ意見を出すと称賛される
  • 男女間で賃金格差がある

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日本で起きている問題の例

社会的な地位の格差

日本社会では、職場における男女格差が依然として大きな問題として残っています。管理職やリーダーポジションにおける女性の割合も低く、ガラスの天井が厚く存在していると言われています。これらの要因は、ミソジニーの深層にも根ざしており、女性が職場での成功を追求するうえでの大きな障害となっています。

賃金の格差

女性が同じ仕事をしても賃金が低い、昇進の機会が少ないといった問題があります。令和5年の調査では、男性の給与額を100%としたときの女性の給与額が74.8%と、男性よりも約3割近く女性の給与が低い結果となりました。

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アフリカの女性が直面する性差別問題|根絶に向けた取り組み

ミソジニーが発生する心理や原因

ミソジニーはどのように表れ、社会や人々に浸透していくのでしょうか。ここでは2つの主な要因について説明します。

社会的背景

個人的な生い立ちや経験ばかりではなく、社会的な背景も影響します。家父長制の強い地域社会で生まれ育った場合、男性優位の価値観が自然と身についてしまい、女性蔑視の思考が無意識に形作られていくこともあります。こうした無意識のミソジニーが世代を超えて継承される負の連鎖が生じています。

メディア

多くの広告やテレビ番組、映画などで、女性がジェンダー・ステレオタイプに基づいて描かれることがしばしばあります。女性が消費の対象としてのみ描かれたり、容姿や服装で評価されたりする例もあります。このようなメディアにおける女性蔑視的な描写は広く社会に影響を及ぼすため、女性嫌悪や女性に対する偏見の助長につながります。

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男女差別とは?世界で起きている問題や具体的な解決への取り組み

ミソジニーをはじめとする性差別を解消していくには

ミソジニーなどの性差別をなくしていくためには、どうすればよいのでしょうか。教育や啓発活動だけでなく、現行の社会の在り方や仕組みを見直すことが大切です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ジェンダーバイアスに関する教育を行う

子どもたちが学校でジェンダーや性差別について学ぶ機会を増やすことで、ミソジニーの原因となるジェンダー・ステレオタイプを早い段階で取り除くことが可能となります。キャンペーンやワークショップなどを通じて、社会全体にむけた啓発活動を行うことも重要です。大人たちがミソジニーの意味とその影響について知ることで、無意識に行っている差別行動に気づくことができます

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社会の仕組みやルールを改善する

雇用や待遇に関する法律やルールを適切に整備することも、ミソジニーをなくしていくための手段のひとつです。例えば、職場での女性蔑視やセクシュアル・ハラスメントに対する罰則を強化し、被害者が適切に救済される環境を整えること。また、職場における女性の地位向上を目指すための政策や、女性の教育やキャリア支援に関するプログラムの推進も、社会全体をより公平でジェンダー平等な方向へ進めるためにとても重要です。

画像:ジェンダー平等とは?SDGsの目標達成に向けた世界の取り組みについて

ジェンダー平等とは?SDGsの目標達成に向けた世界の取り組みについて

ミソジニーなどの女性差別に立ち向かうためにできること

ミソジニーは個人の思考の問題ではなく、社会全体に深く根づいた問題であることをお分かりいただけたのではないでしょうか。私たち一人ひとりが、ミソジニーや女性差別などのジェンダー問題に目をむけ、理解を深めていくことが、ジェンダー平等な社会の実現にむけた第一歩です。また、ジェンダー平等に取り組む団体にボランティアや寄付などで参加してみることも、社会を変えるアクションとなります。
誰もが尊重され、自分らしく生きられる社会を目指して、あなたも行動を起こしてみませんか。

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