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SDGs目標10とは?「人や国の不平等をなくそう」実現に向けた取り組み

(2025年08月08日更新)

世界には、さまざまな不平等が存在しています。
先進国と途上国といった国家間の不平等だけでなく、同じ国や地域のなかにも不平等が見られます。
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、以下SDGs)目標10で掲げられている「人や国の不平等をなくそう」は、国家間や国内で起こる不平等をなくすために示された目標です。
所得の格差を是正し、すべての人が人種や性別、階級などを理由に差別されることのない平等な世界を実現するため、個人や企業にできることを考えてみましょう。

ワークショップの参加者(カメルーン)

SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」とは

SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」では、各国間および各国内における、あらゆる不平等の是正が目指されています。

ここでいう「不平等」とは、大きく2つに分けられます。

1つは、先進国と開発途上国の間に見られる所得格差による不平等で、いわゆる「南北問題」のことです。たとえば、1人あたりの国民総所得がもっとも高いノルウェー(2023年時点で10万2,910米ドル)と、もっとも低いブルンジ(2023年時点で230米ドル)の間には、400倍以上の格差があります。

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もう1つは、各国内に見られる所得格差による不平等です。開発途上国のなかには、国として経済成長を遂げながらも、地域ごとの所得の格差が広がっているケースが少なくありません。また、国内の所得格差は開発途上国に限らず、先進国においても問題となりつつあります。

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不平等は世界経済の発展を脅かし、暴力・病気・環境破壊といった問題を助長するとして懸念されています。各国がSDGs目標10へ積極的に取り組み、不平等の緩和によって、人々の間の機会・所得・権力の格差の縮小を目指すことが重要です。

SDGs目標10の課題解決が急がれる理由

近年は先進国においても国内の所得格差の問題に注目が集まり、各国でさまざまな動きが見られています。私たちが暮らしている日常にも不平等が存在し、SDGs目標10の課題解決が急がれている状況です。

たとえばアメリカ合衆国では、2011年に若者たちが「我々は取り残された99%だ(We are the 99%)」というスローガンを掲げてニューヨークのウォール街を占拠するデモが行われました。このデモは、所得階層の上位1%に富が集中している現状に抗議するとともに、所得格差の是正を社会に訴えかけました。

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このほかにも、韓国では2015年頃からインターネット上で「スプーン階級論」が急速に社会へ広まりました。スプーン階級論とは、親の資産や年収をスプーンの色に例えてランク付けし、「本人の努力ではなく親の階層によって子どもの人生が決まる」とする考え方です。多くの若者が、生まれつきの所得格差に抗えない無力感をおぼえている状況が伺えます。

所得格差の指標となるジニ係数とは?

ジニ係数とは、所得の均等度を表す指標です。0~1の数字をとり、0に近いほど所得格差が低いことを示します。「令和2年版厚生労働白書」によると、2017年における日本のジニ係数は、当初所得ジニ係数※1が0.5594、再分配所得ジニ係数※2が0.3721となっています。また、OECDが公表する「所得分布データベース(Income distribution database)」によると、2021年における日本の再分配所得ジニ係数は0.338です。なお、2021年におけるOECD諸国の再分配所得ジニ係数の平均は約0.31となっており、日本は平均と比べて所得格差が大きいことが明らかになっています。

  • ※1 国による所得の再分配がなされる前の不平等の程度を示す
  • ※2 国による所得の再分配がなされた後の不平等の程度を示す

SDGs目標10の現状とは?世界にはこびる「不平等」の例

不平等は、差別や格差が生まれる要因のひとつです。誰もが公平な機会を得られる環境が整備されていないために、生まれた国や人種、民族、宗教、性別、障害の有無、性的指向などの違いによって、さまざまな不平等が起きています。

ここでは、具体的な不平等の事例を紹介します。

経済的な不平等

世界的な規模で貧富の格差が拡大しています。国連の公表によると、2017年時点で世界人口の1%にあたる最富裕層が所有する資産は全体の33%を占めており、その一方で世界人口の25%にあたる最貧困層が所有する資産の割合は全体の10%程度に留まっています。こうした経済格差の背景として挙げられるのが、教育機会の不均衡です。貧困層の子どもたちは教育機会が限られる傾向にあり、成績や将来の機会に直接的な影響を受けています。経済的な不平等をなくすためにも、貧困層の所得増加を支援するとともに、社会の仕組みや制度を改善していくことが大切です。

性別・年齢に関する不平等

世界には、性別や年齢に関する不平等が数多く存在します。たとえば、男女の性差によって格差が生じるジェンダー不平等、年齢にもとづいたステレオタイプや偏見、エイジズム(年齢差別)などが挙げられます。同じ世帯内における夫婦間・兄弟姉妹間の不平等も無視できません。こうした不平等の背景にあるのは、宗教や伝統にもとづく社会構造や風習、性別役割意識などです。日本における男女間の給与水準を見てみると、2021年時点のデータでは、男性一般労働者を100とした場合に女性一般労働者の水準は75.2となっています。男女間の賃金格差は長期的に見ると縮小傾向にあるものの、依然として解消には至っていません。

生まれによる不平等

生まれによる不平等とは、人種・民族・宗教といった自分では選ぶことのできない、生まれついた環境による格差のことです。たとえば、先住民族・移民・難民・少数民族やその他のマイノリティは、生まれた瞬間から差別や社会との隔絶に苦しんでいます。生まれついた環境が違うだけなのに、安全で豊かな暮らしができる人とそうでない人とに分かれてしまうケースも少なくありません。一人ひとりの人間に生まれながらの違いがあるのは当たり前なのに、その違いが原因で不平等が生じるようなことは、本来あってはならないはずです。

住んでいる地域による不平等

都市部と農村部では、教育や保健医療サービスのような社会保障へのアクセシビリティに格差があり、多くの人がより良い生活を求めて都市へ移住しています。国連の公表によると、2030年には世界人口の10人に6人が都市住民となると予想されています。ところが、都市部ではスラム街に代表される住宅問題の悪化が懸念されている状況です。国連では、2014年時点で全世界の都市人口の30%にあたる人がスラム街のような劣悪な環境で生活していると警鐘を鳴らしています。さらには、都市人口の約半数がWHOの設定する安全基準の約2.5倍に相当する大気汚染に晒されているとも指摘しています

SDGs目標10の達成に向けて行われている取り組み

ここまで、SDGs目標10の背景にあるさまざまな不平等について解説しました。国内外では、SDGs目標10の達成へ向けて、以下のようなさまざまな取り組みが進んでいます。

世界で行われている取り組み

世界では、「国連開発計画(UNDP)」が170カ国における不平等の是正へ向けて支援を続けています。UNDPは、各国政府に対する政策提言・技術支援・資金提供・支援プログラムなどの多様な手法によって、課題を解決へと導いています。なお、日本はUNDPの支援国のひとつであり、2021年には計約3億800万ドル(約360億円)の拠出金による支援を行いました。また、組織では80名以上の日本人職員が活躍しています。

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ニューヨークの国連本部

日本で行われている取り組み

日本では、農林水産省が食品業界の企業と連携し、「SDGs×食品産業」の取り組みを進めています。なかでもSDGs目標10に関する取り組み事例としては、食品業界における多様な人材の活躍に着目した、ダイバーシティ経営の推進が挙げられます。性別・年齢・国籍・人種・障害の有無などを問わず、多様なバックグラウンドを持つ人材が差別を受けることなく就業できるよう、各企業が雇用に際して積極的な配慮を行っています。

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NPO/NGO団体による取り組み

国際NGOプラン・インターナショナルでは、SDGs目標10に貢献する「生計を向上させるための取り組み」や「女性が生きていく力を身につけるための取り組み」を実施しています。たとえば、世界の若者が仕事に必要な技術を身につけて職を得たり、起業したりして経済力をもてるよう、知識の提供やスキルの習得を促す教育を行っています。また、世界の女の子たちが力をつけて、自分や家族はもちろん、地域社会や次世代にまでポジティブな変化をもたらす主体者となるためのサポートに力を入れています。

写真:トマトを栽培・販売し収入を得られるように(グアテマラ)

トマトを栽培・販売し収入を得られるように(グアテマラ)

写真:縫製のトレーニング(ネパール)

縫製のトレーニング(ネパール)

画像:女の子支援

プラン・インターナショナルによる経済の不平等をなくす取り組みについて
詳しくはこちら

SDGs目標10を達成するためにできること

全世界でSDGs目標10を達成するために、今私たちには何ができるのでしょうか。個人や企業ができる具体的な取り組みについてお伝えします。

個人でできる取り組み

SDGs目標10は大きな目標ですが、個人が日常生活のなかで取り組めることもあります。まずは、身近にいるマイノリティの人々を思いやり、相互理解に努めることや、必要なときに手助けをすることも、立派な取り組みのひとつです。また、日々の買い物でフェアトレード商品や寄付付き商品を積極的に選ぶというサポート方法もあります。さらには、ボランティア活動に参加したり、できる範囲で寄付を行ったりしても良いでしょう。

写真:思いやりと相互理解を

思いやりと相互理解を

企業ができる取り組み

日本国内の企業は、自社の業務と関連する領域でSDGs目標10の達成に貢献できます。たとえば、「公正な賃金支払い制度の整備」「マイノリティへの理解を促進する職場環境づくり」などが挙げられます。このほかにも、SDGs目標10に取り組むNPO/NGO団体と連携して、SDGsへ貢献することも可能です。具体的には「寄付付き商品を展開する」「収益の一部から団体を支援する」「従業員が募金活動に参加する」といったさまざまな選択肢があります。

企業の取り組みでSDGs目標10の課題解決に貢献できる!

SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」では、世界に存在するあらゆる不平等の是正が目指されています。この大きな目標を達成するためには、日本国内の企業・団体による積極的な協力が欠かせません。私たちの社会を少しでも良くするために、不平等の是正へ向けた一歩を踏み出しましょう。
CSR活動やSDGsへの貢献をお考えのご担当者様は、ぜひ一度、国際NGOプラン・インターナショナルへご連絡ください。プラン・インターナショナルでは、誰もが平等な世界を実現するという信念のもと、世界80カ国以上で地域の人々に寄り添った活動を展開しています。世界の不平等の課題解決へ向けて、企業様によるお力添えをお待ちしています。

写真:思いやりと相互理解を

プラン・インターナショナルと連携して社会に貢献する方法について、詳しくは以下のページからご覧いただけます。

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

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