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SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」とは?実現に向けた取り組み

(2025年12月04日更新)

気候変動の原因や影響、SDGs目標13が求める具体的な対策について詳しく解説。取り組みの重要性と未来へのアクションを知ることができます。

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、持続可能で包摂的な世界を実現するために、国連加盟193カ国が合意した2030年までの行動指針です。貧困や不平等から気候変動・経済成長まで多岐にわたる世界的課題の17の目標と169のターゲットで構成されています。そのなかでも目標13「気候変動に具体的な対策を」は、温室効果ガス排出の抑制や気候変動への適応策を通じて地球環境を守るために必要な重要な課題として位置づけられています。この目標を達成することは、私たちの未来を守るために欠かせない行動でもあります。

異常気象でエコシステムのバランスが崩れたケニアの海岸

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」とは

目標13:気候変動に具体的な対策を

SDGsの13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」は、世界全体で急増する温室効果ガスの排出を抑え、持続可能な地球環境を守ることを目標としています。地球温暖化がもたらす異常気象や環境変化への深刻な影響を最小限に抑えることを目的としており、温室効果ガスの削減、気候変動への適応力強化、開発途上国への資金・技術支援などが具体的なターゲットとして掲げられています。

「気候変動」とは、数十年〜数世紀単位で気温や降水量などの気候パターンが大きく変化し、その結果として干ばつ・豪雨・台風の大型化、海面上昇などが頻発する現象を指します。こうした異常気象は農業や水資源、インフラなど人びとの生活基盤全般に甚大な影響を与え、経済損失や健康被害のリスクを高めてしまいます。

SDGs目標13のターゲット

ターゲット(具体的な達成目標)
13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。
13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。
13.b 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。

これら5つの特徴は、「緩和」「適応」「資金」「能力構築」の4要素を、包括的に設計しているところにあります。なかでも、温室効果ガス排出を減らす「緩和策」と、既に進行する気候変動の影響に備える「適応策」の2つを促進することが不可欠です。

SDGsにおけるターゲットとは、17の目標をより明確かつ達成可能にするため、169項目にわたる具体的な行動や結果を示す重要な役割を担っています。ターゲットは具体的に“何を・いつまでに・どの水準で”実行するかを定義しており、解決のための政策立案や企業・団体活動の羅針盤となるものです。

植林のための苗を育てる女性とプラン職員(ケニア)

植林のための苗を育てる女性とプラン職員(ケニア)

気候変動の主な原因

気候変動はそもそも、どのようにして起きるのでしょう。気候変動にはさまざまな要因があることがわかっています。太陽活動や火山噴火といった自然的な要因もありますが、産業革命以降に観測された急激な気温上昇は、化石燃料の大量燃焼や森林減少など、人間活動による温室効果ガス排出が主な要因とされています。ここからは、人為的および自然的な原因について詳しく考えてみましょう。

人為的原因

私たちの経済活動は、石炭・石油・天然ガスといった化石燃料を大量に燃焼させることが欠かせません。発電所やエネルギー生産・利用の過程において、大量の二酸化炭素(CO₂)が排出され、地球温暖化を引き起こす大きな要因になっています。

さらに、森林の伐採や焼畑などによりCO₂を吸収する森林面積が減少し続けています。そのため、大気中に放出された温室効果ガスが回収されにくくなり、温暖化のスピードに拍車がかかっている状況です。
人間の活動によってCO₂が大量に出るうえに、それを吸収してくれる森林も減っている―この2つが重なり、急激な気候変動が進んでいるのです。

森林伐採による劣化で農業や畜産ができなくなった土地(ジンバブエ)

森林伐採による劣化で農業や畜産ができなくなった土地(ジンバブエ)

自然的な原因

気候は本来、宇宙や地球内部のダイナミックな変化にも左右されています。太陽活動の変動、地球の公転軌道や自転軸の変動、さらには火山の噴火による大気中の微粒子増加などが挙げられます。これらは過去の氷期・間氷期のリズムや、数年〜数十年規模の寒冷化・温暖化を説明する要因として重視されてきました。

しかし、観測史上例を見ないスピードで進む近年の地球温暖化については、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などの多くの科学機関が温室効果ガスを大量に排出してきた人間の活動こそが主因であると結論づけています。

SDGs目標13はなぜ重要?気候変動がもたらす深刻な影響

気候変動は、食料・水資源、健康、経済活動という私たちの日々の生活に直結する深刻な影響を与えています。そのインパクトは一様ではなく、性別や社会的立場によって、被害が不平等に現れることが世界各地で起きており、特に子どもや女性は深刻な被害を受ける場合が多くみられます

実際、IPCC第6次評価報告書によると、化石燃料の大量消費の継続や、有効な温暖化対策が講じられない場合、今世紀末(2081~2100年)の地表平均気温が、産業革命前比で最大約5.7℃上昇する可能性を示しており、影響の深刻化と格差の拡大が同時に進む恐れがあると警告しています。ここではその影響について、具体的に解説します。

「地球の運命は人間の手中に」というメッセージを込めたユースの絵(ネパール)

「地球の運命は人間の手中に」というメッセージを込めたユースの絵(ネパール)

自然環境への影響:頻発する異常気象

近年、日本では記録的な猛暑や線状降水帯による災害級の豪雨など、極端な気象状況が頻繁に発生しています。これは国内だけでなく、氷河の崩壊による村の壊滅や洪水被害など、世界各地で被害が起きています。

気温上昇による大気中の水蒸気量の増加や、海面水位の上昇による沿岸部の浸水や高潮被害の恐れも拡大しています。こうした変化は、生態系に深刻な打撃を与えており、高山帯の植生移動、海洋生物の生息域縮小、サンゴ礁の白化、そして森林資源の減少など、生物多様性の喪失が現実味を帯びています。

私たちの生活への影響:脅かされる食料や健康

気温の上昇による米の品質低下や野菜・果物の生育不良は、すでに私たちの食卓や健康にも影を落としています。こうした品質低下は家計や地域農業の収益を直撃し、食料価格の不安定化につながります。同時に、猛暑日や熱帯夜の増加は、熱中症患者を急増させるほか、気温・湿度の変化に適応する蚊の分布域拡大や新たな感染症リスクも高めています。気候変動は、私たちの食と健康を、今まさに揺さぶっている現実です。

小雨で収穫量が半減した米を収める女性(ラオス)

小雨で収穫量が半減した米を収める女性(ラオス)

ジェンダーへの影響:より深刻な被害を受ける女性や女の子

世界各地、とりわけ途上国では、水くみ・薪集め・自家用農業といった生活基盤を支える労働の多くを、女の子や女性が担っています。干ばつによる井戸の枯渇や洪水による畑の被害が起きると、さらに遠くの水源や農地まで歩かざるを得なくなり、長時間労働による健康被害と安全リスクが一気に増大します。

自然災害によって避難を余儀なくされた場合にも、女の子や女性は多くの危険に直面します。避難所での性暴力やプライバシーの欠如、妊産婦ケア用品の不足といった女性特有の健康問題が深刻化します。気候変動による収入減や食料不足は、貧困の悪化をもたらすことになり、低年齢の女の子が児童労働や児童婚に追い込まれる原因にもなっています。気候変動は、ジェンダー不平等をさらに固定化する要因のひとつでもあるのです。

干ばつで水源が遠くなり、水汲みのために学校に行けなくなった女の子(ジンバブエ)

干ばつで水源が遠くなり、水汲みのために学校に行けなくなった女の子(ジンバブエ)

企業活動への影響:事業継続のリスク

近年、気候変動が引き起こす自然災害や異常気象は、企業の生産・物流・販売などバリューチェーン全体に直接の損害とコスト増をもたらしています。豪雨による工場の浸水や猛暑による従業員の健康被害だけでなく、サプライチェーンがグローバルに張り巡らされるほど、ひとつの拠点の被災が、全世界の供給体制を寸断するケースも珍しくありません。また、脱炭素社会への移行が加速する中、温室効果ガス削減や適応策など、戦略的な対策が不可欠になっています。

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の実現に向けた取り組み

気候変動の加速に歯止めを掛け、すでに顕在化している被害に備える――SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」は、温室効果ガスの削減(緩和)と災害への備え(適応)の双方を同時に進めることを求めています。国際社会・日本政府・企業による主な取り組みを解説します。

国際的な取り組み

国際社会において気候変動対策の中核に位置づけられるのが、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)です。国連気候変動枠組条約に基づいて1995年より開催されているもので、2015年のCOP21ではパリ協定が採択されました。協定ではすべての締約国が温室効果ガス削減に協力することを約束し、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて「2℃以下、可能なら1.5℃以下に抑える努力」を共有目標として掲げました。2020年以降は5年ごとに各国が排出削減目標(NDC)を見直す仕組みが導入され、進捗評価と目標強化のサイクルが動き出しています。

途上国が気候変動の被害を軽減し、脱炭素に向けて行動するための資金・技術移転も重要テーマのひとつです。先進国による大規模な資金提供だけでなく、途上国も自主的に資金を提供することで、地球規模での協調を推し進めています。

日本政府の取り組み

日本でもカーボンニュートラル社会へ向けた動きが本格化しています。2025年2月18日に閣議決定された最新の「地球温暖化対策計画」では、2035年度までに2013年度比60%、2040年度までに同73%、という温室効果ガス削減目標を掲げました。脱炭素社会への投資拡大やイノベーションを加速することで、排出削減と経済成長の両立を図る戦略です。加えて、企業や自治体の脱炭素ロードマップを後押しし、政府・地方自治体・民間が一体となって温室効果ガス削減を進めています。

企業による取り組み

日本国内でも多くの企業が自社のCO₂排出量を可視化し、再生可能エネルギーへの切り替えや省エネ設備の導入で削減を進めています。従業員や自治体と連携した防災訓練、洪水・猛暑などを想定した事業継続計画の見直しなど、気候変動リスクを事業計画に織り込む動きも重視されています。

さらに、NGOとの協働によって専門知識や現場ネットワークを活かし、森林保全プロジェクトや再エネ導入支援など、実効性の高い取り組みを実施する企業も増えています。自治体や教育機関と連携した啓発活動などによって、企業が率先して気候変動対策を推進することで、新たなビジネス機会の創出や企業イメージの向上など、大きな成果をもたらします。一企業として、次世代へ持続可能な地球環境を引き継ぐ責任ある行動になるでしょう。

防災訓練を行うモザンビークの人々

防災訓練を行うモザンビークの人々

子どもたちが安心して暮らせる未来を

気候変動は地球に住む私たちに、あらゆる角度から深刻な影響を与えています。特に多発する自然災害は、世界中のさまざまな地域で直接的・間接的に私たちの日々の暮らしと命を脅かしています。その主な要因は、私たち自身にあるのです。

このことを私たち一人ひとりが胸に刻み、気候変動によって厳しい現状に直面している子どもたちが安心して暮らせる未来を、ともに目指していきませんか?

環境保護活動を行うユースたち(フィリピン)

環境保護活動を行うユースたち(フィリピン)

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