本文へ移動

災害時にできること:子どもと女性に寄り添う支援

(2025年11月17日更新)

災害が起きたとき、まず必要とされるのは食料や衣料などの物資ですが、被災した人々が安心を取り戻すためには、「心」への支援も欠かせません

特に子どもや女性は、災害の影響を受けやすく、不安や負担を抱えやすい立場にあります。避難所でのプライバシーの不足や、生理・授乳に関する環境の不備など、女性特有の課題が見過ごされることも少なくありません。

写真:災害時の子どもと女の子の心を守るためのガイド

プラン・インターナショナルは、臨床心理士などの専門家と協働し、国内外で被災した子どもや女性の心に寄り添う支援を続けてきました。
この記事では、その現場で培った知見をもとに、被災した人々を支える際に大切にしたい考え方や、子どもと女性のニーズに配慮した支援のポイントを紹介します。ボランティア活動や、身近な人を支えるときの参考にしてください。


被災した子どもの心のケア

被災者の心のケアは、専門家でなくとも、少しの配慮と気遣いがあれば、誰にでもできる支援です。あなたの温かな行動や声かけで、被災者の不安を和らげることができます。一方で善意から出た言動であっても被災者を不安にさせてしまうこともあります。相手の心情を思いやり、被災者の気持ちに寄り添った行動を心がけましょう

子どもの心に寄り添うための具体的な方法

写真:子どもの支援

子どもたちの声に耳を傾ける

話すよう強要してはならない。子ども自身が話したいときに、耳を傾け、感情に寄り添うようにする。

落ち着いて話しかける

災害後は集中力や記憶力が低下することも。一度で伝わらなくても、焦らず、優しく話す。

いつもと異なる行動も受け入れる

暴力的になったり、赤ちゃん返りしたりなどの反応は、不安な気持ちの表れかもしれません。また、自分なりに現実を受け止めようとして、いつもと異なる行動をとることもあります。否定せずに、子どもの回復力を信じましょう。

子どもに接する大人も心身のケアが必要

教員や保護者など身近な大人の心の安定が、子どもの心の安定につながります。子どもに接する大人を支えることや、自分の休養・ストレス発散も忘れずに。


子どもへの接し方

  • うなずく、相槌を打つ
  • 同じ目線で目を見て話す
  • 沈黙も受け入れ、無理に話させない

してはならないこと

  • 被災体験を無理に聞きだす
  • 時計を見るなど、相手を急かす
  • 「また来ます」など不確かな約束をする

女の子・女性のニーズに寄り添った支援

子どもの心のケアと同様に災害時の支援で見過ごされがちなのが、女の子や女性への支援です。生理・授乳などに関する女性のニーズが反映されるよう、ジェンダーに配慮した支援活動が必要です。

災害時に見落とされがちな女の子・女性に必要なケア・支援

写真:災害時に見落とされがちな女の子・女性に必要なケア・支援

女性のスタッフ・ボランティアの確保

女性が話しやすく、女性のニーズに気づきやすい同性スタッフが活動に参加し、女性のニーズを汲み取れるようにしましょう。

衛生用品(生理用品・下着・歯ブラシなど)の支給

生命維持には直結しなくても重要な支給品。女性にとっての化粧品、男性にとってのひげそりなども、前向きな気持ちを後押しします。支給にあたっては、被災者のニーズと政府・他団体の支給品を確認し、過不足がないように注意しましょう。

プライバシーの確保

これは男女共通の課題ですが、生理・授乳などのニーズには特に配慮することが必要です。「生理用品・下着の支給は閉じられたスペースで女性が行う」、「避難所に着替え・授乳のスペースを設ける」、「洗濯の時間・場所のルールを設ける」などを徹底しましょう。また、男女別の更衣室・トイレを設けることは、プライバシーの確保だけでなく、性犯罪の防止のためにも重要です。

心のケアに役立つ資料

PFA冊子「被災者の心を支えるために」

写真:PFA冊子「被災者の心を支えるために」

災害時の子どもの心のケアについて広めるため、プランは2012年に「ケア宮城」と共同で、「WHO版心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA)-現場の支援者のガイド」の日本語要約版を作成しました。PFA冊子「被災者の心を支えるために-地域で支援活動をする人の心得」として発行・配布し、誰にでもできる心のケア支援の普及につとめています。

災害時の相談窓口

プラン・インターナショナルの緊急支援

写真:令和6年能登半島地震緊急支援
運動場の整備(令和6年能登半島地震緊急支援)

プラン・インターナショナルは、これまで世界各地の災害で、物資支給などと並行し、見過ごされがちな子どもの心のケアの活動を行ってきました。
そのノウハウを生かし、2011年の東日本大震災以降は、国内の地震・豪雨の被災地でも「子どもひろば」を開設。さらに、地元の団体の協力のもと、花火大会や遊園地への日帰りバスツアーなど子どもが楽しめるイベントも開催しました。心のケアと同様に後回しにされがちな女の子のニーズにも応えられるよう、女性を含むチームでニーズ調査も行っています。

担当者の声

山形 文(国内緊急支援担当)

写真:山形 文

災害が起きると子どもは様々なリスクに直面します。心理的な苦痛もそのひとつです。
大切な人やものを失ったり、住み慣れた家で暮らせなくなったりすることで子どもたちは日常を奪われ、ストレスを感じるようになります。それに対応する心理社会的支援は一刻も早く始めることが求められる一方で実際、現場ではインフラの復旧や支援物資の配布などが優先されがちです。
プランはその状況を変えていくため、災害対策ガイドラインに子どもの心理ケアについての情報が盛り込まれるよう国や自治体に提言したり、子どものための居場所や心理的応急処置について研修を行い人材を育成するなど、平時から他団体や専門家と協働して取り組んでいます。

子どもの安全な居場所「子どもひろば」

写真:子ども広場
室内で遊べるように遊具を設置(平成30年7月豪雨緊急支援)

災害時の心のケアには、避難所や家庭での個別的な声かけだけでなく、安心して過ごせる「場」の存在も重要です。子どもたちの心を回復し、日常を取り戻すために​ プランは世界各地で「子どもひろば」を開設し、子どもたちの心のケアを行ってきました

「子どもひろば」は、災害のショックの影響を受けやすい子どもたちが、遊びや学びを通じてストレス軽減できる場です。子どもたちが一日も早く日常を取り戻せるよう、学校での活動に近い遊びや学習を取り入れています。
また、子どもを預けることで、保護者は家の片付けなどに集中できます。

「子どもひろば」設置・運営のノウハウを学べる資料を公開

プランは連携団体と協働して、2020年に「災害時の子どもの居場所協議会(CFS協議会)」を創設しました。CFS協議会では、災害時にできるだけ早く「子どもひろば」を開設できるよう、確認するべきポイントをわかりやすくまとめた資料を作成しました。

運営団体

国際NGOプラン・インターナショナルについて

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

写真:プラン・スポンサーシップ

社会課題ブログTOP

トップへ