レバノンは中東に位置し、地中海に面した国です。1990年まで続いた内戦や、2006年のイスラエルとの紛争により国土は大きな被害を受け、その後も政治的な混乱や治安の不安定な状況が続いています。加えて、深刻な経済危機やベイルート港で発生した大規模爆発は、人々の生活や公共サービスに長期的な影響を与えました。また、シリアやパレスチナから多くの難民を受け入れており、子どもや若者も多く含まれています。教育や保健、水と衛生といった基礎的な社会サービスへの負担が大きく、人道支援の継続が求められています。社会的・経済的な格差を是正し、安定した社会を再建していくことが、現在のレバノンにおける重要な課題です。
基本データ
- 首都
- ベイルート
- 面積
- 1万452km2(岐阜県程度)
- 人口
約536万人(2024年推定CIA The World Fact book)
- 言語
- アラビア語(仏語及び英語が通用)
- 宗教
- キリスト教(マロン派、ギリシャ正教、ギリシャ・カトリック、ローマ・カトリック、アルメニア正教)、イスラム教(シーア派、スンニ派、ドルーズ派)等18公認宗派
※ 出典:外務省ウェブサイト
レバノンの歴史・社会情勢
レバノンは古代フェニキア文明に起源を持ち、フランス委任統治を経て1943年に独立しました。多宗教社会を基盤とし、宗派間の均衡を重視する政治制度が築かれてきましたが、内戦や周辺国の紛争の影響により社会の分断と政治的停滞が続いています。近年は深刻な経済危機や難民の流入が重なり、雇用や公共サービスの維持が大きな課題となり、人々の生活に影響を及ぼしています。
レバノンの宗教
レバノンは古代フェニキア文明に起源を持ち、長い歴史のなかで多宗教・多文化が共存してきました。現在もキリスト教やイスラム教を中心に18の公認宗派が存在し、宗派間の均衡を重視する政治制度が社会の基盤となっています。音楽や舞踊、食文化、文学などには地中海とアラブの影響が色濃く表れ、宗教的多様性が人々の暮らしに根づいた豊かな文化を形づくっています。
レバノンが抱える問題
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ジェンダーに基づく暴力が深刻化していること
レバノンでは家庭内暴力や性暴力、早すぎる結婚(児童婚)など、ジェンダーに基づく暴力が依然として深刻です。社会的・経済的な不安定さや難民状態が影響し、特に女の子や若い女性が被害を受けやすい状況が続いています。
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危険な環境で児童労働が広がっていること
貧困や難民世帯の増加を背景に、子どもが危険で劣悪な環境で働かされるケースが見られます。児童労働は子どもの健康や安全を脅かすだけでなく、教育機会を奪い、将来の選択肢を狭めています。
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若者が安定した生計手段を得にくいこと
難民およびホスト・コミュニティ(難民を受け入れるコミュニティ)の若者は、失業率の高さや技能不足により安定した仕事を得ることが困難です。将来への展望を描けない状況は、貧困の固定化や社会的排除につながる恐れがあります。
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子どもが十分な教育を受けられないこと
経済的困難や学校環境の不足により、多くの子どもが十分な教育を受けられていません。特に難民の子どもは就学や継続的な学びが妨げられやすく、学習の遅れや中途退学が課題となっています。
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性と生殖に関する健康と権利(SRHR)への理解が不足していること
性と生殖に関する健康と権利について、正しい知識やサービスへのアクセスが十分ではありません。情報不足は、望まない妊娠や健康被害のリスクを高め、若者、特に女の子の将来に影響を及ぼします。
プラン・インターナショナルの取り組み
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1.子どもの保護の促進
ジェンダーに基づく暴力や児童労働から子どもを守るため、関係機関と連携し子どもの保護体制を強化します。難民の子どもも含め、必要な支援やサービスを確実に受けられる環境づくりを進めます。
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2.若者の参加とエンパワーメント
難民およびホスト・コミュニティの若者が社会に参加し、自らの力を発揮できるよう支援します。特に社会参加や発言の機会を得にくい女の子や若い女性が、声を上げ、意思決定に関われるよう考慮しながら、あわせてリスクの高い行動を防ぎ、健全な成長を促す取り組みを行います。
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3.家計の安定に向けた能力開発
若者を対象に職業訓練や実践的なスキル習得を支援し、安定した生計手段の確保を後押しします。特に就業機会が限られがちな若い女性が、収入を得て自立できるよう配慮しながら、雇用機会の拡大を通じて家庭の経済的安定と自立を目指します。
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4.すべての子どもたちに対する教育の普及
難民およびホスト・コミュニティの子どもたちが、安全で質の高い教育を受けられるよう支援します。就学が困難な子どもや中途退学のリスクが高い子どもへの継続的な支援に取り組みます。
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5.性と生殖に関する健康と権利の推進
若者やコミュニティが、性と生殖に関する健康と権利について正しい知識と判断力を身につけられるよう支援します。特に女の子や若い女性が、自身の身体や将来について主体的に選択できるよう、あわせて必要な保健サービスへのアクセス向上を目指します。
レバノンでの活動
プラン・インターナショナルのデータ
- 活動開始年
- 2015年
- 現地事務所
- 統括事務所:ベイルート
※2026年1月現在






