ベトナムは、北は中国、西はラオスとカンボジアに国境を接し、南北に細長い国土に多様な人々が暮らす国です。都市部では近年めざましい経済成長が進む一方、少数民族が多い遠隔地や山間部では依然として貧困率が高く、教育や医療など基礎的なサービスが十分に行き届かない地域が残り、日々の暮らしに大きな困難を抱えています。
基本データ
- 首都
- ハノイ
- 面積
- 32万9,241km2
- 人口
- 約1億30万人(2023年 越統計総局)
- 言語
- ベトナム語
- 宗教
- 仏教、カトリック、カオダイ教他
※ 出典:外務省ウェブサイト
ベトナムの歴史・社会情勢
ベトナムは中国やフランスの支配を受けながら独自の文化を育み、1945年に独立を宣言し、その後数十年にわたる戦争を経て南北統一を果たした国です。社会主義体制のもとで実施されたドイモイ(刷新政策)により市場経済を取り入れ、製造業やIT産業を中心に急速な成長を遂げています。一方で、都市と農村、多数派と少数民族の間には経済格差が残り、教育や医療の改善は進みつつも、地域によっては十分なサービスを得にくい状況が続いています。
ベトナムの宗教
ベトナムの宗教と文化は、仏教・儒教・道教の影響を受けた複合的な信仰を基盤に、祖先崇拝や精霊信仰が生活に深く根づいています。フランス統治期に広まったカトリックの信者も比較的多く、カオダイ教やホアハオ教など独自の宗教も発展しています。文化面では家族を重んじる価値観が強く、旧正月(テト)の祭礼や伝統衣装アオザイ、水上人形劇など多彩な伝統が受け継がれています。また、少数民族が独自の言語や習俗を守り、地域ごとに豊かな文化の多様性がみられます。
ベトナムが抱える問題
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子どもたちが学ぶ機会が限られていること
遠隔地に暮らす少数民族の子どもたちは、言語の壁や教師不足、学習環境の未整備により、質の高い乳幼児保育や就学前教育を受ける機会が限られています。保護者の教育理解が十分でない場合も多く、小学校での中途退学率や学業不振につながり、将来の可能性が狭まっています。
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乳幼児の栄養と保健が十分でないこと
少数民族が多く暮らす地域では、子どもの栄養や衛生に関する知識が十分に広まっておらず、乳幼児死亡率の高さが深刻な問題となっています。母親の健康管理への支援も不足しており、適切な保健サービスにアクセスできない家庭が多いことから、子どもの健全な発育が妨げられています。
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自然災害への脆弱性が高いこと
洪水やサイクロン、干ばつなどの自然災害が頻発し、地域の暮らしや経済に大きな被害をもたらしています。災害リスク管理の取り組みに十分に参加できていない子どもや家庭は特に脆弱で、貧困の連鎖に巻き込まれる危険が高まっています。
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安全な水や衛生環境が整っていないこと
活動地域の多くの家庭や学校では、安全な飲料水や適切な衛生施設を利用できる場所が限られています。このため、子どもの健康リスクが高まり、下痢や感染症が発生しやすい状況が続いています。衛生習慣の普及や施設整備が遅れていることが、地域全体の生活の質に影響を与えています。
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子どもや若者が暴力や搾取の危険にさらされていること
精神的・身体的・性的暴力や、女の子の早すぎる結婚(児童婚)・妊娠、人身取引などの危険が子どもたちに及んでいます。また若者の失業率も高く、十分な職業訓練を受けられないために将来の選択肢が限られています。
プラン・インターナショナルの取り組み
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1.すべての子どもたちが学べる教育環境の整備
少数民族を含むすべての子どもが質の高い教育を受けられるよう、行政と連携して乳幼児保育の拡充と幼児教育の質の向上を進めます。保護者やコミュニティ、教師への能力強化を行い、障害のある子どもや出稼ぎ労働者の子どもも教育を受けられるよう支援します。また、少数民族の女の子が中学校を卒業できるよう、ジェンダーに基づく暴力や不平等に対応した教授法の導入、地域の理解促進、安全な学校づくりに取り組みます。
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2.乳幼児の健全な発育を支える栄養・保健支援
少数民族や弱い立場に置かれた子どもたちが、死亡リスクの高い生後1,000日間を健やかに過ごせるよう、栄養・保育・衛生に関する保健員のスキル向上を支援します。地域に根づいた乳幼児ケアと栄養改善の取り組みを進め、保健ネットワークとの連携を強化しながら、子どもの発育不良や栄養不良の予防に力を注ぎます。
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3.災害に強い地域づくりと気候変動への適応支援
洪水やサイクロンなど災害の影響を軽減するため、子どもや地域住民に災害対策の知識・技能を伝え、災害対応力と回復力(レジリエンス)の向上を図ります。また、コミュニティ主導の災害リスク管理を強化し、特に脆弱な立場に置かれやすい子ども、若者、女性、少数民族の能力向上を支援します。さらに、安全な学校づくりや学校リスク管理を推進し、災害に強い学習環境の整備を進めます。
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4.子どもと若者の安全確保と就業機会の拡大
子どもや若者が暴力やジェンダー差別を受けることなく、安全に学校へ通い生活できるよう、家庭・学校・地域・行政・パートナー団体と協力して、安心して暮らせる地域社会づくりを推進します。また、移民の若者をはじめ就業が困難な状況にある若者に対して、職業訓練や就労支援を行い、安定した収入を得て、経済的に自立できるようサポートします。
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5.子どもの保護体制の強化と人身取引防止
あらゆる暴力・搾取・有害な慣習から子どもを守るため、コミュニティを基盤とした子どもの保護機能を高め、行政の保護制度と連携しながら保護体制を強化します。女の子の早すぎる結婚(児童婚)や妊娠を防ぐ取り組みに加え、人身取引のリスクが高い子どもや若い女性に対して、地域住民への意識啓発、学校・地域・行政の対応力向上、被害者の社会復帰支援にも力を入れます。
現在支援している地域
ベトナムでは、基幹支援のプラン・スポンサーシップのほか、プラン・グローバルサポーターを実施しています。
「早すぎる結婚の防止」プロジェクト
- 支援地域
- ティエンクアン省、ライチャウ省※
- ※2025年7月、行政区分変更により名称変更
- 支援期間
- 2025年4月~2028年6月
- 支援地域の課題
- 活動地域に多く暮らす少数民族のモン族の女の子では、51.5%が18歳未満で結婚
- 未発達な身体での出産による健康被害
- 性と生殖に関する健康と権利について語ることがタブー視
ベトナムでの活動
プラン・インターナショナルのデータ
プラン・スポンサーシップを通じて、チャイルドと交流できます。
- 活動開始年
- 1993年(再開)
- チャイルド数
- 26,586人
- 日本のスポンサーを持つチャイルド数
- 2,116人
- 現地事務所
- 統括事務所:ハノイ
# 5046 クアンチー
# 5063 クアンビン
# 5064 ティエンクアン
# 5074 コントゥム
# 5079 ライチャウ
プラン・スポンサーシップでご支援をいただくと、地域を代表する子ども(チャイルド)と手紙で交流することができます。
- ※2025年12月現在






