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(2025年08月28日更新)

皆さん、こんにちは。アドボカシーグループのアンナ・シャルホロドウスカーです。
2025年7月20日、名古屋学院で開催された「愛知サマーセミナー2025」において、プラン名古屋の会主催イベントの一環として、『差別に対する意識を高め、みんなが幸福になる~偏見、差別、憎悪、暴力』と題するワークショップを実施しました。このワークショップには、中高生を含む約30名が参加しました。当日の様子をご紹介します。

回を重ねるごとに得る新たな学びと気づき

写真:プレゼンを行う筆者

プレゼンを行う筆者

幅広い層の方々を対象としたワークショップは今回で2回目の開催となりましたが、内容自体は同じであっても、毎回が学びと気づきに満ち、新しい発見があることを改めて実感しました。参加者それぞれの多様な考え方や経験、そして観察に触れることで、これまで見落としていた視点や細かな部分に気づき、馴染みのあるテーマにも新たな側面を見出すことができました。

第一印象:私たちの認識はどう形成されるのか

写真:多様性の捉え方についてのワーク

多様性の捉え方についてのワーク

ワークショップでは、外見、年齢、服装のスタイルが異なる人々の写真を見て、第一印象でどのように感じ、接するかを参加者同士で共有するというワークを行いました。ディスカッションに積極的かつ主体的に取り組む参加者の姿に、私は感銘を受けました。このテーマが多くの関心を引き、内省を促すものであることがはっきりと伝わってきました。そして最終的に、このような対話のなかからこそ大切な気づきが生まれることを実感し、このワークにはもっと時間をかけるべきだったと感じました。

私たちは人の見た目だけで、無意識のうちに印象を形づくりがちです。そしてそれが人の態度や行動にどのような影響を及ぼすかを理解することは、より包摂的な社会を目指すうえで非常に重要です。私たちが何らかの思い込みを抱くのは自然なことですが、それに気づき、批判的に見つめ直すことができれば、多様性を受け入れ、他者により敬意と寛容をもって接することができるようになります。

身近な事例で深まる気づきと関与

ワークショップでは、埼玉県で起きたクルド人コミュニティに対するヘイトスピーチの事例についても取り上げました。ただ、愛知県の参加者にとっては、日常生活のなかでクルド人の方々と接する機会が限られている場合があり、テーマがやや遠く感じられたようです。このことから、参加者自身の身近な経験や地域の現実に結びついた事例を選ぶことが大切だと思いました。そうすることで、より深い関心と関与を促すことができます。

同地域にはブラジル出身の方々のコミュニティが多く存在することから、参加者からはブラジル人住民に関わる課題や誤解についての話題が挙がりました。具体的な解決策を探るというよりも、それぞれの考えや観察、感情を率直に共有することに重きを置いたことで、議論は活発で意義深いものとなりました。

ヘイトを生む要因と克服に向けた視点

ヘイトの原因や、それを防ぎ、または既に存在する問題にどう向き合うかについて話し合うなかで、参加者たちは深く思索し、さまざまな貴重な意見を述べてくれました。たとえば、言葉の壁が社会的な分断を生み、それが偏見や誤解につながるという指摘がありました。また、日常的あるいは文化的なすれ違い──たとえば地域のルールを守らないといった行動──が、特定の個人に対する否定的な感情を、やがて集団全体への偏見へと一般化させてしまうという意見も出ました。さらに、個人のストレスや心の余裕のなさが、他者に対する敵対的な態度を引き起こす要因になりうるという興味深い視点も共有されました。

ヘイトを克服するための「唯一の正解」は存在しないからこそ、多様な視点が非常に重要であると改めて感じました。なかでも印象的だったのは、事実に基づく情報と個人の意見や思い込みを区別することの大切さについての参加者の考察です。これは、歪んだ認識が形成されるのを防ぐうえで有効であり、なぜ偏った否定的態度が生み出され、広がっていくかを示していると感じました。また、多様性に焦点を当てた教育の役割や、無関心に対抗する取り組みも、多くの人が安心して自由に生きられる寛容な社会づくりに欠かせない要素だと思います。

対話が拓く偏見のない社会への道

写真:多様性の捉え方についてのワーク

今回のワークショップを通じて改めて実感したのは、偏見・差別・ヘイトといった複雑なテーマについて、参加者がともに振り返り、率直に語り合える場をつくることの大切さです。自分自身の思い込みに気づき、それを批判的に見つめ直す力や、誤解の根本原因を探り、解決策を模索する姿勢は、自分と他者を理解するうえで大きな助けとなります。

今回のワークショップで明らかになったのは、偏見や否定的な態度が生まれる背景にはさまざまな要因がある一方で、変化のための機会もまた数多く存在するということです。気づき・対話・教育は、開かれた包摂的な社会を築くための重要な手段になります。

写真:プラン名古屋の会の皆さんと

プラン名古屋の会の皆さんと

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