(2026年04月06日更新)
¡Hola!プログラム部の齋藤です。2025年よりグアテマラで「先住民族の小学校教育」プロジェクトに携わり、教員や保護者とともに、子どもたちが学び続けることの大切さを伝えてきました。駐在生活は挑戦の連続でしたが、火山登山やマヤ遺跡の訪問、国鳥ケツァールとの出会いなど、この地ならではの自然や文化に触れる機会を通じて、地域を理解する視野が広がった一年となりました。

グアテマラ北部の街並み

パカヤ活火山にて
多様な文化が息づくグアテマラ―先住民族の教育課題
私はこれまで中南米5カ国で生活してきましたが、グアテマラ特有の文化には日々魅了されています。国内では20以上のマヤ語が話され、人口の約半数がマヤ系先住民族とされています。特にプロジェクト実施地域であるキチェ県ではその割合が9割近くにのぼり、民族衣装を身にまとった人々の姿が日常の風景に溶け込んでいます。
地域によって柄や色合いが変わる民族衣装(事業地の小学校にて)
色鮮やかな衣装や豊かな伝統文化は大きな魅力ですが、一方で、国会議員160人のうち先住民族出身者はわずか1人にとどまり、意思決定の場への参画は極めて限られています。このような不均衡は、教育機会の格差とも深く結びついています。
図書館と研修で広がる学び
本プロジェクトでは、キチェ県において小学校教育の質の向上に取り組んでいます。同県の平均就学年数は4年弱とされ、経済的理由や学習の遅れから中途退学する子どもも少なくありません。そこで、算数や国語といった基礎教科に重点を置き、JICA(国際協力機構)が開発した算数教科書を活用した教員研修を実施しています。また、保護者向けには子どもの権利やジェンダー平等に関する研修を行い、家庭と学校の双方から学びを支える環境づくりを進めてきました。さらに2026年2月には3校に図書館が完成し、子どもたちが本に親しめる場が整いました。
開館した図書室にて
加えて、プラン・インターナショナル・ジャパンとして、80人の子どもたちが中学校へ進学できるよう、「ギフト・オブ・ホープ※」を通じて奨学金の給付も行いました。こうした支援を通じて、子どもたちの将来への意識にも前向きな変化が見られるようになりました。
- ※「Gift of Hope~ギフト・オブ・ホープ~」は、自然災害や紛争の影響を受けたり、「女の子だから」という理由で弱い立場に置かれている子どもたち、少数民族や難民の若者たちに、プロジェクトを通じてギフトを贈るご寄付のかたちです
自信を持つ先生、未来を語る子どもたち
グアテマラの農村地方では、教科書や指導書が不足し、教員研修の機会も限られています。当初は「授業を見られることに抵抗がある」という声もありましたが、教材配布と研修を経て、「自信を持って教壇に立てるようになった」という前向きな変化が見られました。保護者からも「教育は子どもに与えられる最大の財産だと気づいた」といった声が寄せられています。
サイラさん
また、奨学金を受けて中学校に通っている13歳のサイラさんは、「将来はソーシャルワーカーになって、コミュニティの人たちの力になりたい」と話してくれました。このように、自分の将来を具体的に思い描き、地域に貢献したいと考える子どもたちが増えてきています。
教育省は毎日30分の読書時間を推奨しており、教師たちも音読やサイレントリーディングを取り入れながら工夫を重ねています。デジタル化が進むなかで、本と向き合う時間の価値が改めて見直されています。
図書館の開館式では、子どもたちが目を輝かせながら本を手に取り、読書を楽しむ姿が印象的でした。行政関係者も参加した式典は、地域全体で教育を支える機運が感じられる場となりました。
小さな変化が未来をつくる
建設された図書館の前で、事業チームメンバーと
このプロジェクトは2026年3月に2年目を終え、3年目に入りました。初年度に図書館が建設された学校では、子どもたちが自ら物語を書き始めるなど、想像力の広がりが見られています。こうした変化の積み重ねが、子どもたちの未来の可能性を広げていくと感じています。これからも、一人ひとりの学びと成長を支える取り組みを続けていきます。引き続き皆さまの応援をよろしくお願いいたします。
完成した図書館の様子を、子どもたちや現地のスタッフの声も交えてご紹介します。こちらもぜひご覧ください。
~2026年2月/プロジェクト2年目の報告~子どもたちに学ぶ喜びを「先住民族の小学校教育」プロジェクト(グアテマラ)/ プラン・インターナショナル(2分41秒)
- ※このプロジェクトは、外務省(NGO連携無償資金協力)の支援のもと実施しています。日本人職員が現地に駐在し事業統括を行っています。






