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(2023年06月22日更新)

2023年6月21日、世界経済フォーラム(以下、WEF)が、世界各国の男女平等の度合いを数値化した「ジェンダーギャップ指数」の2023年版報告書を発表しました。今回の調査では、男女が完全に平等な状態を100%とした場合の全世界の達成率は68.4%で、昨年度より0.3ポイントの改善が見られました。
「経済」「教育」「健康」「政治」の4つの分野のデータから成るこの指数、日本は国別のランキングで対象146カ国中125位(64.7%)と、過去最低の結果となっています。

Global Gender Gap Report 2023

Global Gender Gap Report 2023

世界全体の男女平等が達成されるまでには「131年」が必要

WEFは今回の報告書のなかで、現在の進捗速度では、世界の男女格差が解消されるまでに131年かかると推測しています。また、ジェンダー公正(Gender Parity)はコロナ禍以前の水準に回復しつつあるものの進展は鈍化しており、「経済活動への参加と機会」の分野は2022年よりも後退したと指摘しています。

日本の順位は過去最低の125位

日本は146カ国のうち125位で、昨年の116位から大きく後退し、依然として主要先進国(G7)のなかで最下位となっています。また、地域別の結果を見ても、東アジア・太平洋地域の指数は8地域中5番目に高いスコアを示している一方で、日本はフィジー、ミャンマーと並ぶ最下位に位置し、現在の進捗率では、この地域がジェンダー平等を達成するには189年かかると試算されています。特に政治と経済の分野で格差解消が進んでいない状況です。

ジェンダー・ステレオタイプの解消が不可欠

日本における政治・経済分野への女性参加の割合の低さは、早急に解決すべき課題として長らくあげられています。プラン・インターナショナルは2023年4月に、日本における女の子と若年女性のリーダーシップの現状を、データを用いて包括的に論じた「ガールズ・リーダーシップ・レポート2023」を発表しました。そのなかで、女の子が政治や経済、地域社会で活躍することを躊躇する背景に、年齢が上がるにつれて内面化されていく女の子自身のジェンダー・ステレオタイプがあることに言及。固定化されたジェンダー・ステレオタイプが、女の子への期待の低さや、進路選択の制約につながり、彼女たちの将来に大きな影響を及ぼしていると指摘しました。
ジェンダー平等の実現には、こうしたジェンダー・ステレオタイプの解消にも取り組む必要があります。

写真:「ガールズ・リーダーシップ・レポート2023」より

「ガールズ・リーダーシップ・レポート2023」より

アドボカシーグループリーダー 長島 美紀のコメント

写真:アドボカシーグループリーダー 長島美紀

「まるでできの悪いコントを見ているよう」というのが、日本の順位を聞いた時の第一印象でした。 今回日本が過去最低の順位になった理由として、政治や経済分野での指数が悪化したことが挙げられます。ジェンダーギャップ指数は「政治」「経済」「教育」「健康」の4分野の指数を基に順位づけられますが、日本は前回より0.25ポイント落とし、順位を9つ下げる結果となりました。

最も順位が低いのが昨年の139位に引き続き「政治」の138位。報告書では衆議院議員に占める女性割合が10%未満であること、閣僚が8.3%であること、また女性の首相が誕生していないことが、低い評価の理由となりました。

経済エンパワーメントについては、推定所得は前回から改善し、労働力人口に占める女性の割合も54.2%と女性労働者の比率は決して低くはないものの、管理職に占める女性の割合の低さや男女間の所得格差から、経済参加と機会均等度は56.1%で、146カ国中123位(前年は121位)と順位づけられています。

比較的男女平等が達成されたとみなされている「教育」においては、日本の男女平等は99%以上達成できているものの、今回新たに大学以上の進学率が加わったことで、順位は47位と前年の1位から大きく下がっています。そして「健康」は59位(前年63位)でした。

数値が示しているのは、日本において機会の平等は進む一方で結果が追いついていない現状です。今年4月の統一地方選挙で過去最多となる7人の女性市長が誕生し、市議選では女性比率が初めて2割を超え、東京都杉並区など4市区町で女性の当選者が過半数を超えたことが大きく報道されましたが、列国議員連盟(IPU)の「世界女性国会議員」調査によると、世界全体の女性議員比率は2023年6月で26.6%、今なお167位にとどまる現状があります。

もちろん政府や政党、民間企業も手をこまねいているわけではありません。昨年7月には女性活躍推進法の省令改正に伴い、「男女賃金格差の開示義務化」が従業員数301人以上の企業を対象に義務化されました。政府は東証プライム市場に上場する企業の女性役員の比率を2030年までに30%以上にする目標を掲げ、またこれまで女性取締役が1人もいなかった企業でも、新たに女性取締役の登用を検討するなど、状況改善の取り組みは勧められています。それでもなお、現在の速度ではジェンダーギャップ解消にはほど遠く、私たちの次の、そのまた次の世代にならないとジェンダー平等が達成されないことになります。

そんな先の未来まで私たちは待っていられません。ジェンダー平等の実現は喫緊の課題であり、そのために政府や民間企業だけではなく、私たち自身の意識や行動を変えていく必要があります。教育における男女格差をなくしていくこともその一つです。プラン・インターナショナルが発表した「ガールズ・リーダーシップ・レポート2023」では、親が子どもに期待する進学先でも、男の子への期待と女の子への期待には差があることを指摘しています。また難関大学への挑戦にも男女格差があることは、しばしば指摘されています。

ジェンダー平等の達成には、制度を整えることだけではなく、社会に暮らすすべての人々の意識と行動の変容が求められます。

ジェンダー平等への歩みをこれ以上後退させないために、プラン・インターナショナルは今後も国内外で実施するあらゆる活動にジェンダー平等の視点を取り入れ、子どもの権利が守られ、女の子が差別されない公正な社会の実現にむけて活動を続けていきます。

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