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【開催報告】「日本の高校生が直面するジェンダー・ステレオタイプの実態」~レポート発表記念イベント~
イベント
お知らせ
(更新)
プラン・インターナショナルは、2022年5月12日に、オンラインイベント「日本の高校生が直面するジェンダー・ステレオタイプ※の実態」を開催しました。当日は100人を超える方々がご参加くださいました。
- ※ジェンダー・ステレオタイプとは:社会に広く浸透している、ジェンダーに基づく固定観念や思い込み、偏見のこと
イベントでは、プランが4月に発表したレポート、「性別にとらわれず自由に生きるために~日本の高校生のジェンダー・ステレオタイプ意識調査」の概要を紹介。その後、調査で明らかになった教育現場における課題について、ユースと学校の先生によるパネルディスカッションを行いました。
「ジェンダー・ステレオタイプ」の影響を強く受ける高校生たち
調査結果を説明する澤柳職員
プランは今回のレポートで、ジェンダーに基づく固定観念や偏見が、多くの高校生に悪影響を及ぼしていることを明らかにしました。調査結果のうち特に重要なポイントについて、アドボカシーグループの澤柳職員が、グラフやデータを示しながら説明しました。
【調査で明らかになったこと】
- 約7割が、ジェンダー・ステレオタイプが自分の可能性を狭めていると感じている
- 「女性は男性に守られる存在だ」、「男性は女性よりもスポーツが得意だ」などの、固定化されたジェンダーのイメージやステレオタイプをすでにもっている
- 女の子に比べ、男の子の方がより強いジェンダー・ステレオタイプを有している傾向がある
- 4人に1人が、学校や家庭、地域、メディアなどあらゆる場所で、ジェンダー・ステレオタイプ的な表現や発言に接した経験がある。そのうち、学校で経験した人は10人中7人と、もっとも多い
教育現場におけるジェンダー課題を議論
登壇者の方々と
つづいて行われたパネルディスカッションには、ユースや先生を含む4名が登壇。「ジェンダー・ステレオタイプの実態」や「教育現場の課題」などのテーマについて議論が交わされました。プランがレポートで示した調査結果に対しては、次のような意見や問題が提起されました。
なおさん(高校2年生、ガールスカウト)
「中学生から高校生という多感な時期に、先生からステレオタイプを押しつけられるような行動制限をされていることに驚いた。教育関係者の責任は重いのでは」
土田さん(大学4年生、元プラン・ユースグループメンバー)
「ジェンダーの考えを内面化しているユースが思っていたより多い。生徒同士や先生とのやり取りでジェンダー・ステレオタイプが再生産され、だんだんと積み上がるのではないか」
藤原さん(東京YMCA高等学院)
「学校現場が、もっともジェンダー・ステレオタイプを感じる場所であるというのがショックだった。生徒たちがこうしたい、という気持ちがあるのに周りの目を気にしてできないという状況が思った以上にある」
高野さん(自由学園女子部中等科・高等科教諭)
「今まで小学生~高校生の年代の子どもたちは、まだ『ピュアだから(ジェンダー・ステレオタイプがなく)大丈夫』と楽観視されてきたが、この調査が示すように、高校生ですでにジェンダーの考えの二極化がすすんでいることは明らか」
課題の解決にむけた3つのヒント
議論を通じ、教育現場にジェンダー・ステレオタイプが根強く残っている要因として、「先生のジェンダー意識」、「生徒の自己肯定感」、「人々の当事者意識」が一様に低いことが見えてきました。課題の解決にむけたヒントとして、以下が提示されました。
学校の先生のジェンダー意識を高める
先生には、ジェンダーの課題について生徒と同じ立場で考え、ともに学ぶ姿勢が大切。ジェンダーの知識を伝えるだけにとどまらず、生徒との日常の関わりのなかでジェンダー平等を実践していくことが重要。
生徒の自己肯定感を育む
自己肯定感が低いと周りを気にしてしまい、ジェンダーや性の多様性などについて積極的に考えたり、議論に参加したりする機会が必然的に少なくなると考えられる。まずは子どもたちが自己肯定感をもてるよう後押しすることが大切。
人々の当事者意識を醸成する
自分自身が当事者であると気づくきっかけづくりが必要。たとえば、「女性はこうあるべき」という考えの対として存在する「男性のあるべき姿」について考えることで、男性が当事者意識を持てるようになったという事例がある。
参加者の方々からも積極的に質問が寄せられ、議論を深めることができました。
ご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました。
プランは今後も、子どもや若者を取り巻くさまざまなジェンダー課題について、調査・提言活動と情報発信に取り組んでまいります。
ジェンダー教育ワークショップのご案内
プランでは、中高生向けの「ジェンダー教育ワークショップ」の講師派遣も行っています。ご関心のある教育関係者の方は、ぜひお申し込みください。
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