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「私は教育をあきらめない」ザイナブさんが描く夢~スーダン~
女の子だから
(更新)
10/11の国際ガールズ・デーに寄せて、早すぎる結婚により奪われた未来を自らの意思で取り戻した、一人の若い女性のストーリーを、写真と動画も交えてご紹介します。
親が決めた結婚に従わざるを得なかった、17歳の女の子
スーダンに暮らすザイナブさんが結婚したのは、17歳のときです。彼女の村では、娘の結婚を手配することは親の責任とされており、通常、本人の同意を得ることはありません。たいていの場合、年上の男性と結婚させられますが、女の子が断ることはできません。結婚が決まった当時、成績優秀だったザイナブさんは、強い希望で進学した大学で、学期末試験を終えたところでした。
スーダンでは、ザイナブさんのように、女の子の34%が18歳未満で結婚しており、そのうち12%は15歳未満で結婚しています※。早すぎる結婚が多い背景には、貧困や教育の質の低さに加え、「女の子は早く結婚させるべき」という根強い固定観念に基づくジェンダー不平等があります。
- ※ユニセフ世界子供白書2019
17歳当時を振り返るザイナブさん
「離婚か大学か」 迫られた選択
夫となった年上の男性は、結婚前はザイナブさんが大学に通い続けることを約束してくれましたが、その後態度が一変。「大学に戻ったら、もはや離婚した女性だと思え」と、退学を強制しました。やむを得ず学業を中断した彼女は、ほどなくして妊娠。18歳で娘を出産しました。
娘のマシャラさんと
娘の手本になるような生き方がしたい
しかし、ザイナブさんは大学に戻ることをあきらめたわけではありませんでした。「今は復学できなくても、自分にできることをしたい」と、村の学校でボランティア教師として子どもたちに勉強を教え始めたのです。「もし私が教育を受けて学位を取れば、娘の人生を変えることができる。私が自分の教育をあきらめなければ、娘が人生で何か問題に直面したとき、『お母さんも困難を克服したのだから、私にもきっとできる』と勇気を持てるはずです。私は娘のお手本になりたいのです」と力強く語るザイナブさん。悩んだ末に夫と離婚し、シングルマザーとして娘を育てながら、復学を目指す道を選びました。
娘を育てながら、復学を目指すことに
「女の子には権利がある」プランの活動から得た信念
「教育をあきらめない」というザイナブさんの確固たる信念には、幼いころから参加していたプランの活動が大きく影響しています。プランは長年、スーダンのホワイトナイル活動地域において、プラン・スポンサーシップをはじめとするさまざまな活動を行っています。「プランのさまざまなトレーニングを受け、女の子の権利や女性のエンパワーメントについても学んできました。女性への暴力に関するワークショップにも参加したことがあります。私にとってプランはずっと大きな支えでした」とザイナブさんは話します。
女の子の権利とジェンダー平等を訴える行進(2018年)
教育こそが、女の子の未来を変える鍵
地域に根強く残る早すぎる結婚やジェンダーに基づく暴力など、女の子や女性の権利を侵害する有害な慣習をなくすには、地道な活動の積み重ねが必要です。プランが長年活動を続けているザイナブさんの村でも、依然として「女の子の教育は重要ではない」と考える親たちは多く、中途退学を強いられる女の子たちは大勢います。しかし、21歳になったザイナブさんは「教育こそが女の子により良い未来をもたらす」と確信しています。現在は、プランのプログラムの一環として、地域の女の子や女性を対象とした識字教室を運営しながら、復学にむけた準備をすすめています。
地元の女性たちに読み書きを教えるザイナブさん
ザイナブさんから 女の子たちへのメッセージ
「18歳未満での結婚は受け入れないで。もし、そうせざるを得ないとしても、早すぎる結婚にはリスクがあることを知るべきです。まだ成長途中にある若い女の子にとって、結婚の先にある早すぎる妊娠、重い家事労働などによる心身への負担は、想像以上に大きいものです。骨盤が成長していない未発達な体での出産は、流産や合併症のリスクも高めます。私はこれからも、さまざまな理由で学校に通うことができない女の子たちが、勉強を続けられるように手助けしていきます。そして、大学に戻るという私自身の夢を叶えることで、娘の手本になりたいです。娘には幸せな人生を送ってほしい。それが私の望みです」
プランはこれからも、スーダンでのさまざまな活動を通じ、女の子が夢を描ける社会の実現を後押ししていきます。引き続き、スーダンで実施中の活動へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
現在、スーダンで実施している活動
●プラン・スポンサーシップ
●ガールズ・プロジェクト
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