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プラン・ユースグループが、日本の若者のジェンダー課題調査報告書を発表

アドボカシー

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プラン・インターナショナルとともに活動するプラン・ユースグループは、ジェンダー不平等によって困難を抱えている人たちの現状を変えていくために活動するグループです。高校生から社会人まで、15~24歳のメンバーが30人以上所属し、年間を通して活動を続けています。 2019年4月~2020年5月に、日本のユースが直面するジェンダー課題について独自調査を行い、調査から浮き彫りになった課題と、それに対する提言をまとめました。

写真:プラン・ユースグループのメンバー

プラン・ユースグループのメンバー

「早すぎる妊娠」「デートDV」「性的同意」それぞれの現状

男女共同参画局の平成29年度調査によると、日常生活の中で起きやすい性暴力として挙げられる「デートDV」は、20代の女性の3人に1人、男性の6人に1人が経験しています。また近年は低下しているものの、未成年の「早すぎる妊娠」も一定数報告されています。さらに日本で「性的同意」の理解がすすんでいないこと、曖昧にされてきたことが、望まない妊娠や性被害が生まれるひとつの要因となっています。

  • ※内閣府男女共同参画局(2018) 「男女間における暴力に関する調査報告書  3. 交際相手からの被害体験」

ユースにむけた意識調査を実施

課題について自らも学びながら、高校の文化祭やユースのイベントに参加するなかで、同世代のユースは、ジェンダーに関する意識があるものの、「早すぎる妊娠」や「デートDV」「性的同意」などについてあまり考えたことがない人が多いことがわかりました。そこで、ユースの間でこの3つの課題についてどれくらい認知されているのか、意識調査を行いました。

意識調査の概要
目的 「性的同意」「早すぎる妊娠」「デートDV」についてユースの認知度、普及度、ユースの考えている課題について明らかにする
期間 2020年4月20日〜5月17日
対象 15〜24歳のユース
アンケート回答者数 合計544名
性別 女性の回答者数が348名、男性が192名、その他が4名

意識調査から見えてきた現状

「早すぎる妊娠」に関して、「パートナーや家族に避妊や妊娠について話すことができているか?」という質問に対して、半数以上ができていないと回答。性的にアクティブになる年代にもかかわらず、避妊や妊娠といった話題はタブー視され、避けられる傾向が見受けられます。

「デートDV」については、回答者の71%がその言葉を知っていましたが、話題にしたことがあると回答したのは8%、日常的な話題ではないことが明らかになりました。

「性的同意」については、回答者の約8割が中学・高校で学んでいましたが、「付き合っていれば、性行為をするのは当たり前だ」と16%が回答。合意がなくとも条件によって性行為をすることを前提としている人が一定数いることが分かりました。

調査から見えてきた根源的な課題に対する提言

意識調査の結果を分析し、以下4つの領域について課題があると考え、それぞれに対して提言を作成しました。

課題① タブー意識 ジェンダー課題について自由に語れる場が不足している
提言 ユース世代が安心して自由に語り合うことができる場所、プラットフォームやSNSサービスなどが必要
課題② 教育の質的格差 (1)3つのジェンダー課題に対する適切な知識の普及がなされていない。
(2)自分ごととして課題を捉えられるような教育カリキュラムが普及していない。
提言 デート DV、性的同意に関する知識の格差、予防 ・ 実践をサポートできる教育機会の拡充を。
特にデート DV の認知度には男女差があり、特に男の子と男性への啓発を強める必要がある。
課題③ 支援の不十分さ 相談機関は認知されているが、いまだユースにとって遠い存在である。
提言 ユース世代が相談しやすい環境整備をしてほしい。
相談機関やサービスのあり方にユースの意見を積極的に取り入れていくことが重要。
課題④ メディアの役割 メディアによってジェンダー規範の固定化に大きな影響をおよぼしている。
提言 3つの課題についてメディアで発信し、問題提起をしてほしい。
固定観念を助長させない表現を意識して番組制作をしていくことが重要。

メンバーの声

写真:土田さん(報告書の編集を担当)

土田さん(報告書の編集を担当)
「分析から見えてきた現状は、3つのジェンダー課題に対する教育の機会の差とタブー意識です。いまだにこれらの課題に対する知識にばらつきが目立ったり、誤った認識が見られるなどの問題や、タブー意識から抱える課題を周りに相談できなかったり、パートナーと話し合いができていない状況にあるユースが多いことが明らかになりました。この結果から、今後ユースグループとしてタブーを超えジェンダー課題について気軽に話し合えるようなプラットフォームや環境を創っていく必要性があると考え、今後の活動に反映させていけたらと考えています」

写真:石田さん

石田さん
「私が女性の権利に関して疑問を持ったのは、大学祭でFGM(女性性器切除)の展示を見た際に、女性というだけで、ここまで平等に扱われない現実があるのかと驚いたときです。さらに知識を深め、一人でも多くの女性に権利について考えたいと思い、ユースメンバーになることを決意しました。早すぎる妊娠の調査を通して、改めて若い女性が権利や責任を持つことの重要性を感じました」

写真:岩佐さん

岩佐さん
「今回取り上げた3つの課題の解決には、社会全体に本当の意味での意識改革が必要です。ですが、日本ではジェンダー問題について若者が議論する機会はほとんどなく、あったとしても周りの目を意識した『模範解答』が並ぶばかりです。これでは現状は変わりません。だからこそ、まずはユース世代のきれいごと抜きの『本音』を聞いてみたいと思いました」

課題の根源には、適切なジェンダー教育の欠如や、メディアによるジェンダー役割の刷り込みがあると推察されます。2020年5月から新たなメンバーも加わり、女の子と女性がオンライン上で受ける暴力に対する活動を始めました。こうした現状を変えていくために、当事者であるユース世代への啓発活動を実施するとともに、アドボカシー活動を通して関係者への働きかけを行っていきます。

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