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【おしえて!プラン】「女性性器切除(FGM)」の問題を知る

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おしえて!プラン」は、プラン・インターナショナルの活動や報告に出てくる用語をわかりやすく説明するシリーズ記事です。

今回は「女性性器切除(FGM)」。各国の背景や事例を交えて、FGMの問題について詳しく解説します。

【おしえて!プラン】「女性性器切除(FGM)」の問題を知る

Q.「女性性器切除」(Female genital mutilation、以下FGM)とは?

A.女性の外部生殖器を部分的または全体的に切除する、危険な行為です。

女性外性器の一部もしくは全体的な切除、あるいは傷つける行為を指す「女性性器切除(FGM)」。対象は幼児期から15歳ごろまでの女の子とされ、大人の女性になるための通過儀礼や結婚の条件として、アフリカを中心に約2000年前から行われています。

施術は不衛生な環境で行われることも多く、激痛と出血をともない命を落とす危険もある有害な慣習です。生涯にわたる後遺症や、強い恐怖が女の子たちの心の傷として残る点も、問題として指摘されています。

FGMを強制された女の子(シエラレオネ)

FGMを強制された女の子(シエラレオネ)

今も多くの国や地域で行われているFGM

FGMは、アフリカ・中東・アジアの一部の国々で行われており、世界30カ国で少なくとも2億人の女の子と女性が経験しているといわれます。※1。またFGMを受ける女の子が、 2030年までに約7000万人増えると試算されています。※2

参考:15~49歳の女の子、女性がFGMを施されている割合(アフリカ) ※3

80%以上 エジプト、マリ、スーダン、ギニア、シエラレオネ、ソマリアなど
50%~80% エチオピア、モーリタニア、リベリア、ブルキナファソなど
26%~50% チャド、ナイジェリア、ケニア、セネガルなど

国・地域によって異なる背景

ひとえにFGMといっても、国や地域によってさまざまな背景があり、施術についても一律に語れるものではありません。また、公に語られることが少ないため現状把握が難しく、密やかに文化・伝統として続けられています。

FGMを受ける理由

女性の組織に入るため(シエラレオネ)

写真:夫を亡くし、生計のために施術を行っていた女性

夫を亡くし、生計のために施術を行っていた女性

施術率が北部州で96.3%にものぼるシエラレオネでは、女性だけからなる社会組織「ボンド・ソサエティ」が存在します。ここでは「女の子が女性になる通過儀礼」や「地域の伝統」としてFGMが必要とされ、受けなければ女性グループから排除されるだけでなく、結婚ができなくなることも。こういった地域社会では、拒否することは非常に困難です。

娘の名誉のため(中央アフリカ共和国)

写真:FGMの恐怖を話す10歳の女の子

FGMの恐怖を話す10歳の女の子

中央アフリカ共和国では1966年以来法律でFGMが禁止されているにもかかわらず、女の子への施術が一般的です。ある女の子は受けていないとわかると、友だちから仲間外れにされました。受けるのが「当たり前」で、弊害について知らない母親は、コミュニティで「恥ずべき人」と見られないよう、娘の名誉のために施術を受けさせざるをえません。

体を清め、大人の女性になるため(ソマリア)

写真:ハルゲイサの小学生

ハルゲイサの小学生

ソマリアはFGMが世界でもっとも多く行われており、5~11歳の女の子の98%が経験しています※。この施術が今も合法な数少ない国のひとつで、結婚の前提条件として社会に深く根付いています。FGMによって「清められ」、大人の女性になるために必要なものと教えられ、楽しみにさえする女の子やまた宗教的義務と誤解している親もいます。

  • Female Genital Mutilation/Cutting: A Global Concern(UNICEF, 2016)
「当たり前のこと」だから(スーダン)

写真:幼いころに受けた施術で今も後遺症に苦しむ女性

幼いころに受けた施術で今も後遺症に苦しむ女性

15~49歳までの女の子と女性の86%以上がFGMを受けたといわれるスーダンでは、「髭を剃る」、「爪を切る」と同じように「当たり前のこと」と考える人が多くいます。スーダンでは2020年4月、刑法の改正によりFGMが禁止されましたが、結婚のために必要なもの、という考えから、今も施術を受けるのが当然と受け止められています。

  • Female Genital Mutilation/Cutting: A Global Concern(UNICEF, 2016)
妻や子どもを想う気持ちから

写真:11歳の時にFGMを受けた女の子(エジプト)

11歳の時にFGMを受けた女の子(エジプト)

施術を受けると、妊娠しやすくなる/早産しづらくなる/分娩が楽になる/より健康な子どもが生まれる、などの迷信が信じられている地域もあります。背景にあるのは、娘や子孫が健康でいられるようにと願う親の愛情です。
しかしこれらは全て誤解で、医学的根拠はありません。

  • Care of women and girls living with female genital mutilation: a clinical handbook. Geneva:World Health Organization; 2018.
周囲に強制されて

写真:家族にFGMを強制された女の子(シエラレオネ)

家族にFGMを強制された女の子(シエラレオネ)

若い世代を中心に、FGMにともなうリスク(死や後遺症)を学んだ人も多くいます。しかし「結婚のためならやむを得ない」、「周囲の期待に応えたい」と受けることを決める女の子もいます。また、リスクを知っている大人たちも「女性はFGMをしなければならない」「FGMを受けた方が幸せになれる」という考えから、希望しない女の子への施術を強制することもあります。

国・地域によって異なる背景

地域によって理由はさまざまですが、大人の女性になるための通過儀礼・結婚の条件と捉えられることが多いようです。女性の地位が低い場合は経済力がないことも多く、生きていくためには結婚しなくてはなりません。たとえ健康上のデメリットを知っていても、生きるための選択としてFGMを受け入れがちです。

法律で禁止されても続く事情

FGMは現在、アフリカの20カ国以上で法律によって禁止されており、罰則を含む刑法の改正が行われる国も増えています。つまりFGMは違法であるにもかかわらず、下記などの理由から今も水面下で続けられているのが現状です。

法律よりも地域の慣習が優先される

根深い迷信と誤解により、必要なことだと考えている人が多くいます。地域全体の意識を変えるのは容易ではありません。

法の執行が不十分で隠れて施術が行われる

施術が行われたことが分かっても、通報ルートがありません。また取り締まりが行われていないのも問題のひとつです。

法律で禁止されていること自体を知らない場合も

法律が変わっても、その情報が十分に人々にいきわたらず、知らされないまま続けている場合もあります。

生涯にわたり深刻な健康被害をもたらすFGM

FGMは、女の子や女性の心と体をあらゆる面から傷つけ、長期にわたって苦しめます。 施術に対する医学的正当性や健康上の利点はまったくなく、医療専門家が清潔な施設で行えばよいというものではありません。

幼いうちに施術を受けた場合、本人が覚えておらず、思春期になって激しい生理痛や後遺症に疑問を持ってから親に知らされる例もあります。施術は不衛生な環境・麻酔なしで行われることもあり、想像を絶する激痛に苦しむうえ、時に命を落とす危険もあります。

FGMのリスクや後遺症の例

  • 激しい痛み・大量出血(死に至る場合も)
  • 感染症・排尿障害・慢性的な合併症
  • 生理不順・生理や性行為の際の激痛・難産
  • うつやPTSDなどの精神的疾患

写真:後遺症に苦しむ女性たちを救う看護師(ギニア)

後遺症に苦しむ女性たちを救う看護師(ギニア)

意味もなく、生涯にわたり健康面で害を及ぼすFGMは、
女の子や女性の「権利の侵害」に他なりません。

FGM根絶を目指すプランの活動

長年にわたって受け継がれてきた慣習を変えるには、地域全体の規範が変わる必要があります。まずは見えない場所で行われてきたFGMについて、公の場で話すことが第一歩です。プランは、さまざまな立場の人に合わせたアプローチを行なっています。

地域の人々の話し合い(エチオピア)

地域の人々の話し合い(エチオピア)
FGMの弊害に加えて、子どもの保護に関する法律や女の子と女性の心身を傷つける慣習について話し合い、
それぞれが深く考えることで人々の意識が変化していきます。

「女の子クラブ」の活動(スーダン)

「女の子クラブ」の活動(スーダン)
女の子たち自身がFGMや「早すぎる結婚」の弊害、
月経衛生管理などを学び、家族や地域の人々に伝えていきます。

ラジオでの啓発活動(マリ)

ラジオでの啓発活動(マリ)
プランのトレーニングを受けた若者が、タブーとされるFGMを含む幅広い課題についてラジオで話し、
多くの人々が耳にするようになります。

学校を拠点とした啓発活動(エチオピア)

学校を拠点とした啓発活動(エチオピア)
トレーニングを受けた教師たちが、
生徒会やクラブ活動を通じて子どもたちに意識啓発を行います.

地域のリーダーによる活動(ケニア)

地域のリーダーによる活動(ケニア)
地域の人々の考え方と慣習を変えるには、影響力をもつリーダーの力が重要です。
ケニアでは「ジュリチェケ」という長老やマサイ族の戦士たち、エチオピアでは宗教指導者などと協力しています。

代替儀式の実施(ギニア)

代替儀式の実施(ギニア)
FGMが「成人の儀式」であった地域では、元施術師の女性たちが女の子たちに伝統的な歌や踊りを教え、
「性と生殖に関する健康」などについて話しています。

「FGMについて何も聞いたことがない人は、この村にはもういない」

プランは2017年~2020年まで、エチオピアで「女性性器切除から女の子を守る」プロジェクトを行いました。プロジェクト完了時の意識調査では、研修、ラジオ、ストリートショー、クラブ活動、学校、地域集会、村の自助グループなどあらゆる場でFGMの弊害について話し合う機会が増えたことで、人々の考えが変わっていったことがわかりました。

現地語を交えて子どもたちと話すプランのスタッフ

FGMについて話す村の集会

体験者が語る女性性器切除(FGM)(ノルウェー)/プラン・インターナショナル・ジャパン (3分30秒)

女の子たちが自由になるために

エチオピアで暮らす3人の娘を持つ女性は、「FGMの慣習を守ることでこそ、尊厳が守られ良い結婚ができる」と信じて、娘たちにFGMを受けさせました。幸せを願っての選択でしたが、プランの活動に参加して初めてリスクを知り、深く後悔したといいます。

「地域全体からFGMを受けるべきという考えがなくなり、女の子自身がFGMを受けないと考え・行動し、また保護者が娘に受けさせないと考える」、この3つが揃ってはじめて、女の子たちがFGMから解放される未来が実現します。

そのためには、「家庭や地域において、女の子たちが身体のこと、将来のことを自分自身で決めることができない」という現状を変えていく必要があります。地域全体でジェンダー平等を促進し、男の子同様、女の子たちに学ぶチャンスを与えるなど、社会的地位を変化させていく働きかけも大切です。

写真:娘にはFGMを受けさせないという母と祖母(マリ)

娘にはFGMを受けさせないという母と祖母(マリ)

人々の意識が変わり、FGMで苦しむ女の子たちがいなくなる日が来ることを目指して、
プランはこれからも活動を続けていきます。

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGO。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発を進めてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。

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