6/16は「アフリカ子どもの日」～新型コロナウイルス感染症の危機～｜国際NGOプラン・インターナショナル　寄付・募金で世界の女の子を支援

6/16は「アフリカ子どもの日」～新型コロナウイルス感染症の危機～

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、アフリカ大陸での感染拡大が懸念されています。この感染拡大は、子どもたちや女の子、女性のさまざまな権利を守るために取り組んできた長年の活動の成果が消えてしまう、という危機に直面しています。
プラン・インターナショナルは、6月16日の「アフリカ子どもの日」^※にあわせて、こうした現状に警鐘をならしています。

※「アフリカ子どもの日」：1976年に南アフリカで使用言語を強制されたことに対し、子どもたちが自国語で学び教える権利を訴え抗議活動を行いました。軍隊の発砲により、多くの子どもが命を落とし、また負傷しました。アフリカ統一機構（現アフリカ連合）は、この子どもたちの勇気ある行動を称えるために1991年に6月16日を「アフリカ子どもの日」としました。

アフリカでは女の子のリスクが拡大

アフリカの29カ国で活動するプランは、パンデミックにより子どもたちの教育の機会が奪われるだけでなく、特に経済的に困窮した人々や社会から見過ごされている女の子たちが、飢餓、児童労働、人身取引、早すぎる結婚と妊娠、女性性器切除（FGM）のリスクの高まりに直面していると警告しています。
これまでも食料不安や気候変動、紛争、経済不況などと常に闘ってきたアフリカで、ウイルスは既存の不平等（富とジェンダーの不平等を含む）を増幅します。

写真：早すぎる結婚の撲滅を訴え行進する南スーダンの若者たち（2019年6月）

早すぎる結婚の撲滅を訴え行進する南スーダンの若者たち（2019年6月）

感染症拡大防止のために学校が休校になったこともあり、2020年3月末時点で、約7億4300万人の女の子が学校に通えずにいました。緊急時に増加傾向にある10代の早すぎる妊娠や結婚などにより、その多くは復学の可能性が低くなります。こうしたことはアフリカの子どもたちが成長する長期的な環境に影響を与えています。

エジプトでは、2008年に法律で禁止されたにも関わらず、18歳未満の3人の女の子が、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の予防接種を受けるという口実でFGMを施術されたことが明らかになっています。

女の子の声

写真：家畜のヤギの世話をするハリマさん

家畜のヤギの世話をするハリマさん

ハリマさん　中学3年生の女の子　ニジェール
「学校が本当に恋しいです。家にいるよりも学校にいる方がずっと好きです。家で勉強しようとしても、家事が多すぎて、勉強ができません。私は17人のきょうだいと、家畜の世話をしています。朝早くから夜遅くまで。私は政府がこの病気の解決策をできるだけ早く見つけて、私のような女の子が学校に戻ることができるように願っています。医者になるという夢をあきらめたくはありません」

写真：アンジェリーナさん　17歳

アンジェリーナさん　17歳　結婚をすすめられている女の子　モザンビーク
「緊急事態が始まって以来、私はとても居心地が悪いです。家で家族がずっと結婚を迫ってくるので、一緒にいるのは楽しくありません。高校も最終学年で、来年は医学部への進学を希望しています。この問題を避けるために、余計な雑用や、本に興味を示したりしてやり過ごしていると、家族は仕方なく、結婚の話題をしなくなります。でも、結婚の話はずっと浮上し続け、私はもうどう対応していいのかわかりません」

各国政府へ訴える

プランは、活動しているアフリカの各国政府へむけ、以下の行動を起こすよう訴えました。

困窮世帯へ現金支給を実施し、飢えから守ってください
子どもたちへの遠隔教育は、地方に暮らす女の子や、インターネットへのアクセスができない子たちも無理なく利用できるものにしてください
ジェンダーに基づく暴力から女の子と女性を守るために、相談システムやシェルター（一時避難所）を提供してください
女の子と若い女性が「性と生殖に関する健康」についての情報とサービスを利用し続けられるようにしてください

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アフリカはいま、長年かけて積み上げてきた進歩が、このパンデミックのために一挙に逆戻りし、何百万人もの女の子たちが暴力、虐待、搾取の大きなリスクにさらされるかもしれないという深刻な危機に直面しています。国際社会とともに時間をかけて取り組んできた成果を後退させないために、パンデミックの影で起きていることに注意をむけることが重要です。