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「干ばつでも学校に通い続けたい」12歳の切実な声~ソマリア~
世界の各地から
(更新)
厳しい干ばつが続くソマリアでは今、子どもたちの教育が危機にさらされています。深刻な現状を、女の子たちの声とともにご紹介します。
干ばつが教育危機を招く理由とは
干ばつでひび割れた大地
ソマリアは、過去40年間で最も厳しい干ばつに見舞われています。水不足のため作物は育たず、家畜は死に絶え、牧畜をして自給自足の暮らしを営んでいた人々は、生計手段をすべて失ってしまいました。市場では穀物や輸入される食料の価格が高騰しており、食料や水、仕事などを求めて、多くの人々が別の土地へと移動しています。
こうした状況が、学齢期の子どもの教育にも大きな打撃を与えています。学校の給水が止まっていることや、移住による生徒や教師の減少により、休校になる学校が増加。2022年7月現在で250校が閉鎖されており、240万人の子どもたちに影響を及ぼしています※1。ソマリアでは8月から新学期が始まりましたが、このまま何も支援が行われなければ、72万人の子どもたちが中途退学の危機に直面するといわれています※2。
「学校に通い続けたい」女の子たちの願い
12歳のジュウェリアさんとザムザムさんは、同じ学校に通う友人同士。2人の将来の夢は、ともに、学校の先生になることです。その夢を叶えるためにも、学校に通い続けたいと願っています。
ジュウェリアさん
「朝は7時までに学校に行かなければならないので、5時に起きます。毎日早起きしてお祈りをし、お茶の用意と水汲みを済ませてから学校へ行きます。畑の作物が枯れてしまい、食べ物が不足しているので、食事は1日2回ほどしか取れません。朝食が食べられないときは、具合が悪くなることもあります。学校までの距離が遠いので、暑い日差しのなかを長時間歩いているとお腹が痛くなってしまいます。バスがあれば、もっと行き帰りが楽になると思います」
ザムザムさん
「水不足と雨不足、飢餓が心配です。家で飼っていた羊は皆死んでしまい、あとはヤギ10匹が残っているだけです。朝食を食べられないときは、学校の授業中にお腹が空いてしまい、勉強がはかどりません。前は学校に通っていたのに、干ばつのせいで辞めてしまった子もいます。雨が降りさえすれば、作物も育ち、私たちも動物も元気になるのですが…」
彼女たちの家族をはじめ、どの家庭でも日々の食料や水を探すのに精一杯の暮らしのなかで、子どもの教育は後回しにされがちです。特に女の子は、水汲みや掃除、洗濯、料理などの家事や、幼いきょうだいの世話などをこなさなければならないほか、ときには家計の負担を減らすために早すぎる結婚(児童婚)を強いられることもあり、ますます教育から遠ざかってしまいます。
干ばつ危機下の教育の継続を多方面からサポート
教室で授業を受ける様子
プラン・インターナショナルは、2022年7月から「干ばつ危機下の子どもの教育」プロジェクト※を開始。給水車による学校への水の供給のほか、学用品の支給や補習授業の実施、女の子が安心して通学するための月経衛生キットの支給など、多角的な活動に取り組んでいます。
ジュウェリアさんとザムザムさんのような子どもたちが一人でも多く学びを継続できるよう、引き続き皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
ソマリアのプラン職員による、プロジェクト対象地域の動画レポートもぜひご覧ください。
- ※「干ばつ危機下の子どもの教育」プロジェクトの寄付募集は終了しました
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